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テレス・キオネ
【ファンタジー 官能小説】

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テレス・キオネ-6

夜。私は母親を抱いた。最初は抵抗したが。娘を人質にとっている限り。抵抗し続けることはできない。
久しぶりの温かい体にほっと息をついた。そして無念なことに、抱いたまま次の日の遅くまで眠ってしまった。
起きた時は私ひとりだった。 だが恐れたように救いを求めて逃げ出してはいなかった。
母親に食事を用意させ、それを食べ終わったころには暗くなってきていた。
キオネはカリスを自分専用のメイドのように連れ回している。
カリスもそれに抵抗しないくらいにはならされてしまっているようだ。
私は母親をつれて部屋へ戻ると、ベッドに押し倒してきのうの続きをした。
おまえは何か月ぶりだ。それとも浮気相手でもいたのか」 顔をそむけて何も言いはしないが、今日は拒まなかった。
腹の上で女に動かさせた。目をつぶって、乳房にさわりながら気持ちよさに浸る。
そのまま果てると、また、居眠りしてしまった。
今が何時ごろなのか分からない。 目が覚めてトイレに行く。
そこで異様な臭いに気がついた。むせかえるような血の匂い。
嫌な予感がした。
私はその匂いの元へまっすぐ行った。風呂場だ。
「エルジェーベト
エルジェーベト
チェイテの女
鉄のドレスの娘と踊ろ
乙女の雫は
美容のための一番の秘密 」
歌が聞こえてきた。
扉を開けると。キオネが赤黒い湯の中で、腕にカリスを抱いて、湯の上に突き出した乳房を揉んでいる。
娘はろうのように真っ白だった。目を見開いたままで、キオネにされるままになっている。
「何てことだ」私はカリスの腕を掴むと、引き上げた。体に力はなく包帯がはずされ、手首からは血が流れている。引き上げると、とりあえず止血をした。
「それ、もうだめでしょ。いらないから捨てて来てちょうだい」
言われるまでもなく連れて出る。≪こいつは化け物だ≫ ここにいるのは魔だ、キオネではない。
本当はキオネに殴りかかりたくて仕方がなかった。
だが処置をすればカリスはまだ間に合うかもしれない。
≪心が魔に食い尽くされているのか。気が付くのが遅すぎた。そうであったら娘が死ぬこともなかっただろうに≫
止血をして、傷を縫う。
≪それともキオネはもう死んでいた? ずっと死んでいて、魔に乗っ取られていたのか。私が信じようとしなかっただけ、思い出の中で、私が私に惑わされていたのか≫
カリスにはとりあえず血が足りない、痛み止めを打つと、このまま寝かせて様子を見るしかなかった。
あとはキオネだ。ただ、もう疲れたので今は眠ることにした。


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