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テレス・キオネ
【ファンタジー 官能小説】

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テレス・キオネ-7


次の日、魔を払うための召喚術の準備をする。
母親に家にあるろうそくを集めさせた。
しかしキオネにみつかり、全て暖炉の火の中へ捨てられてしまった。
椅子の脚や家具の足を通してロープを張っていく。足りないところには火かき棒を床に突き立てて、ロープを引っ掛けた。
そこにできたのは五角形の星の形だ。砂やチョークで書いたのでは、キオネに消されかねない。
そうなれば全員殺されるだろう。 いや、キオネだけはわからない。
その真ん中にあるテーブルは祭壇とする。 上にキオネをしばりつけて寝かせた。ろうそくを立てるのは諦める。
呪文を唱えた。
「なんだこの囲いは。中で子供でも飼おうというのか」魔が言い放つ。「まさかこんなもので我を閉じ込めたつもりではないだろうな」
「言うがいい。私の自信は揺るがないぞ。そもそも魔方陣などというものは、なくてもよいのだからな」
「ほう、おまえはそれほどに強いのか。では力の程を見極めてやろう」
「そんなことに付き合う気はない。この結界が破れるなら、とっくにそうしているはずだからな」
「そうか?」
「それよりも、私はおまえに生贄を与える用意がある。その方が互いにいいだろう」
「なるほど、それで何を望んでいる」
「この女は生きているのか」
「我は生きているのか?」
「そのような意味論を戦わせようとしているのではない。私のように生きているのか」
「生きているともいえるぞ。救いたいか」
「どう、生きている」
「それをおまえから蒸し返すのか」
「おまえたちは出来れば嘘をつく」
「そうだ、おまえのように生きているぞ。 さあ信じたか。信じるかどうかは我ではない、おまえの問題だ」
「素直に生きていると言わないところを見ると、この女には何かあるな。魔がとりついているのか」
「魔に生かされていることを生きているというのか」
「祓え」
「この女が死んでもか」
≪のらりくらりと言う魔だ≫  それでも、『死んでもか』というところを見ると、キオネは人として生きていて、魔に操られているのかもしれない。
「人に戻せ、女の中の魔を祓え」
「それには多くの力がいる。供物はあるのか。そうだな、この家の親をよこせ」
「なんだ。そんな暴利な話があるか。この女の魔を出せと言ってるだけだ」
「破壊は簡単だが、我のようなものにも逆は難しいのだよ。もうよい、この女を喰って帰るぞ」
「待て」 ≪こいつは、魔がいるというこの女を食うことができるというのだ。という事はキオネは助けられるということだ≫
「だが、おまえにこの家の者をやるわけにはいかない。恩がある、私の所有物にはできない。他を用意してやる」
「何を出す。良いが時間が経つほどこの女は蝕まれるぞ」
「わかった。別の一家をやろう、母と子がいる。それを殺して所有してやる。死んでいたほうが良いのか」
「生きている方がいい、そのまま食らってやる」
「そうだな魔は肉を食うわけではないからな。ではそれで手を打つか」
「よかろう」
魔は黒いモヤとしてキオネの体に入っていったが、しばらくして出て来る。
「どうだ、終わったのか」
「まだ始まってもいない、様子を見ただけなのだよ。破壊ではない行為は手間がかかる。
だが、この女を殺すなと言ったな」
「そうだ、正常に戻すんだ」
「ではあきらめよ。あまりにも深く食い込んでいる。女を壊さずには取り出せない」


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