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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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叫び-1

 『出会い系』みたいなところでは実際に逢うまで相手の姿かたちはわからないから、事前のメールのやり取りで相手についての想像をめぐらす。メールのやり取りでの『感じがよさそうな人』としか会わないのだけれど、逢ってみて『な…なんなの?』とまで失望したことはないから、メールみたいなものでもそこに現れる『性』とか『雰囲気』のようなものは侮れないものだと思っている。

 ある意味、わたしなりの基準をクリアした人たちだから、同じような感性を持つ男と女が巡り合ったということで十分で、そこから先のことはあまり気にしないことにもしている。出逢っただけで十分などといいながら、結局、身体を重ねることにはなるのだけれど、そして、身体を重ねてみれば、いろいろ思ったり感じたりすることはもちろんあるけれど、それは向こうにしても同じはずだから…。

 それぐらいの気持ちではいるけれど、やはり、いざ身体を重ねてみて、巡り合ったのが『性が合う』というか『相性がいい』みたいな相手だったときには、気分が高揚したりもする。一応の満足感に浸りながら、『今日は3時までということにしていたけど、時間的にまだ延長できるんだけどな…』と思っていると『延長してもいいですか…』と声をかけてくれたりとか…。

 行為をしている最中にも相性を感じるときもある。相手との『身体的な波長』みたいなものが妙に合っていて…。息遣いとか、腰の振り方とか…。息遣いが荒くなってきて『ハァハァ』と息を継ぎながら歯を食いしばったり顎をのけぞらせたり…。そんな相手の様子をこちらも『ハァハァ』と小さく呼吸したり歯を食いしばったりしながら眺めている…。

 腰の振り方…というのは、こちらが『これぐらいの強さや感覚で突き込んで欲しい…』と感じているときに、そのように腰を振ってくれたり…みたいなこと…。『もっと、もっと…!』と口に出さなくても応えてくれたら、こちらはただ身を委ねているだけでいい。そんな性への熟練度合いというか、『エロ加減』とでもいうようなところがこちらと釣り合っていると、カラダ的にも、気持ち的にも、いろいろ楽だったりする。

 そんな相性のよさを感じながら事を進めていけると、やがて絶頂に達しようとしていけば、気分も普段よりかは開放的にもなっていく。気分が上がっているときに、相手が呻き声だけではなく、『気持ちいい…』などと言葉を漏らしたりすると、普段は絶対にセリフめいたことは言わないこちらも『わたしもです…』などと応えてしまう。そして『気持ちいい…』とも言うし、相手がアダルトビデオさながらに『ああ、逝く!逝く!』と叫んだときには、こちらも実際に昇りつめようとしていたこともあり、”逝くときは一緒…ってこういうことだったわね”などと回想が頭をよぎりながら『逝く!』と叫んだこともある。

 実際のところは、”相手も叫んでいるからこちらも『逝く!』と叫びながら逝こう”…などと心の中のどこかで思っていた分だけ醒めていたような感じもしていて…。本当にテンションが高まったときは、何も余計なことを考えることもなくただ叫び声をあげることになるのだろう…とは思う。

 ただ、わざわざ『逝く!』と叫び声をあげたりしたようなときには、一応の幸福感とか一体感を伴いながら絶頂に達しているのだけれど、事が終わった後に『意外と大きな声出すんですね…』などと言われて、とても恥ずかしく、また、いささかがっかりしてしまうこともあった…。

 相手としては『見た目の雰囲気とは違って…』のような、意外に思ったことを口にしただけのようではあったけれど、こちらとしては、叫び声を上げたり、芝居がかっていてもセリフを言い合ったりすることができるくらいの『相性のよさ』を感じて、気持ちを上げていたのだから、せっかく浸っていた幸福感が醒めるようなことは言わないで…と思ってしまった。

 その相手は続けて『貴女みたいな人がいっぱい感じてくれているのを見て、なんというか、ぼくも素の自分をさらけ出すことができたような気がして、とても楽しかったです…』とおっしゃる。こちらとしては、常に相手の『出方』に応じて振舞っているつもりだったから、あたかもこちらが勝手に自分をさらけ出していたかのような物言いは違うのではないかと思ったけれど…。

 そんなとき、ふとインターネットで見つけたアダルト小説。『淫語』というジャンルのようで、主人公の女性が性行為の最中に『!』マークをいくつもつけながら、伏せ字だらけのひたすら卑猥なセリフを吐き続けるというもの…。事をしながらこれほどまでの長文を喚き散らすというのは、まさに小説ならでは…と思えるもの。でも、もし本当にこんな感じであれこれ喚きながら行為をする…というのは『ちょっと楽しいかも…』と思ってしまった。『ちょっと楽しいかも…』とも思ったし、相手がどうのこうの、相性がどうのこうの…なんて独りよがりもいいところではないか…とも思った。

 お互い家庭も地位もあったりして、それなりにリスクも冒してようやく身体も重ねているのだから、もっと弾け飛んでもいいのかも…と思ったりもする。自分を振り返ると『逝く』と口にするだけでも大進歩なのだけれど、もっと自分を解放していけば新たな境地に達するのだろうか。

 画面をスクロールして小説を追っていくと『逝く!』などというセリフは出てこない。『イグイグイグイグ!!!』…なのか。白目を剥いて、口の端から舌をだらりと垂らして…とある。正気の沙汰ではないけれど、たとえ演技でも半狂乱のような様相を呈していたら男は悦ぶのだろうか。『イクイクイクイク!!! 当たってる! 奥に当たってるぅ! ダメダメダメェ! お〇んこ、イグ! お〇んこ、お〇んこ、イッグゥ!!!』…。これはたぶん無理だけど…。


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