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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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朝のルーティーン-1

 昨夜は布団に入ってすぐに睡魔に襲われた。その分、今朝はいつもより早く目が覚めてしまった。窓の外はまだ夜明け前で薄暗い。でも、枕元の時計を見れば、布団を並べて横で寝ている夫はそろそろ起き出す時間だ。ただぼんやりとしているうちに夫が目を覚ました。寝ているふりをして夫をやり過ごす。

 階下から夫がコーヒー豆を挽くゴリゴリという音が聞こえてくる。自分もほどなくして階下に向かい朝食の支度を始める。夫はコーヒーカップを片手に新聞を読んでいる。企業戦士だった夫も今では閑職に回され定年を待つばかりとなっている。おはようと挨拶を交わすこともなく、ただいつものルーティーンに沿ってそれぞれが行動していく。

 夫を会社に送り出せば家には自分しかいない。食器をシンクに移してテーブルを布巾で拭けば、エプロンを外して紅茶を飲みながら新聞を斜め読みしたりチラシを眺めたりしている。若い頃は家計の節約にとスーパーマーケットごとにチラシを比較したりしたものだが、いつの間にか五十路にさしかかる年齢となり、二人の子供もそれぞれ独立と進学で家を出ていった。

 紅茶も飲み終わり、夫が見ていたニュース番組から、そのままワイドショーに移っていたテレビを消せば静けさに包まれる。聞こえてくるのは、たまに路地まで入ってくる宅配便のトラックの音か近くの小学校からのチャイムくらいのものだ。住宅街のそんなに広くはないが一戸建ての中古住宅をみつけて、社宅から大きなお腹を抱えて長女の手を引いて入居してきたから、この家に暮らして20年くらいになる。

 レースのカーテン越しに日差しがさし込んでいる。天気がいいなら2階に上がって布団を干そうかとも思ったが、やっぱりいつものルーティーンに進んでしまう。結婚した当初の数年は夫もまだ若かったから、毎晩のように求められ交わっていたが、子供が産まれ大きくなるにつれて夫婦の営みには縁遠くなっていった。それでも下の子が家を出ていって二人きりになった日の夜、夫がひところのように布団の中に入ってくることを待っていなかったわけではない。でも、その日も全く何もなく、夫は早々に寝息を立て始めたから、いつものように自分で慰めてから眠りに落ちた。

 若い頃住んでいた夫の会社の社宅で布団を干すのは、いかにも夫婦のまぐわいで布団を湿らせてしまいましたとアピールするようで恥ずかしかった。社宅には若い主婦たちを集めてはそれぞれの夫婦生活を冷やかしてよろこんでいるような古株の奥さんがいたが、あの人も今はどうしているだろうか。今の自分くらいの歳だったような気がするからもう七十代も後半にはなっていることだろう。

 窓の位置からして外から覗かれることはないとわかっていても、レースのカーテンに加えて布地のカーテンをひく。レースのカーテン越しに注いでいたせっかくの明るい日差しも遮られ、部屋の中が一気に薄暗くなる。玄関のドアの鍵も夫を送り出したときに締めた。薄暗いリビングでソファーに座って両脚を軽く投げ出し、ショーツ越しに陰裂をなぞればじんわりと淫液が滲んでくる。若い頃に比べれば滲むタイミングは随分とゆっくりになり量も少なくなったように思う。それでも十数分も自慰を続けていればそれなりに潤んできて、ショーツの中に手をさし込み、立てた指を出し入れすれば水音を発する程には整ってくる。

 布団の中ではすぐ横で寝ている夫がいつ目を覚ますかと心配で、両脚を軽く開いて、手指が動かせる程度のスペースを確保するくらいの体勢しかとれなかったが、一人の時間ができた今は、大胆に大股を開いたハレンチな格好にもなりながら、リビングでの自慰を愉しんでいる。

 夫が横で寝ているときには派手な物音は立てられないから、陰裂が水音を立て始めれば、クリトリスを弄って一気にアクメに上り詰めて事を済ませようとするタイミングとなるが、ソファーでの自慰では、あえて激しい水音を立てて解放感を味わう。右手の中指と薬指を揃えて、膣穴に差し込んで抜き差ししていく。続けていくほどに、膣口からしぶきが飛び始めソファーのレザーの座面に飛び散っていく。

 左手は太ももの裏を抱え上げたり、胸元からさし込んで乳首をつまんだり乳房を鷲掴みにしたりすることが多い。向かいに据え付けられているテレビの黒い画面に、いやらしい雑誌のモデルのような恰好をしている自分の痴態が映っている。いい歳をした五十路の女がリビングでこんなことを…。そのふしだらな光景を密かに気に入っている。

 徐々に性感を高めていきアクメに達する。特に声をあげたりすることはない。夫が寝ている横で密かに自慰するのが長年の習慣になっていたから、甘い声ももちろん、呻き声が不意に出ることもないように用心していたこともある。でも、元々、快感が声に出るというタイプではないようでもある。夫との交わりでもそれなりに快感は得ていたが、アダルトビデオの女優のような声を出したことはない。

 高校生の頃に、おませな同級生がカセットテープを持ってきて、男女が事に及んでいる音声を聞かせてくれ、密かに激しく興奮したことは覚えている。あのような声を自分の性生活の中で出す場面はなかった。結婚してからも「義務と演技」というフレーズに触れたこともあったが、敢えて演技をしてまで夫を悦ばそうと思ったこともなかった。

 ただ、季節や体調にもよるが、代謝がよくなった訳でもないだろうに、自慰をしていると随分と汗をかくようになった。額やうなじ、時には背中までびっしょりと濡らしてしまうこともある。そんなこともあって、夏はあらかじめ半裸になってから事を終え、汗はシャワーで流したりすることもある。


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