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上野家のある週末
【SF 官能小説】

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新たなる訪問者-2

恵は顔を曇らせ、

「勝手に頭に入れ、監視見たいな事をしてごめんなさい。」
「この事も貴方が18才になったら知らせるつもりだったの。」

と弁解する様に話す。正輝は顔を上げ微笑み、

「良いよ、僕を守る為でもあったんでしょ。」

と理解を示した。恵は頷き、

「ええ、貴方をあらゆる脅威から守る為でもある。」
「アルファの遺伝子は周りに露見すれは研究対象となりうるから。」
「人間は貴方の捕獲も行いかねない。」

と言い理解を求めた。正輝は考え込み、

「僕がアルファの遺伝子を持つと国の機関が知ったら捕まえに来る?」

と恵を見て不安そうに尋ねる。恵は頷き、

「そうゆう事態になれば、マザーが察知して我々に知らせてくれる。」
「マザーは、常に私達の安全に注意してるの。」
「今回の様な事は例外だから。」

と安心させる様に話す。正輝は少し安堵した様な笑みを浮かべて、

「これから、どうなるの?」

と尋ねた。恵は、

「本星に今回の事を報告する様頼んだわ。」
「本星はベガァ指導部と今回の事を話し合うと思う。」
「それでどうなるか決まるわね。」

と淡々と話した。正輝は、

「また戦争になるの?」
「地球も巻き込まれる?」

と不安気に聞いた。恵は考え込み、

「最悪、そうなる可能性は有るけど。」
「戦争の可能性は低いと思う。」
「今現在、他のベガァ人達は攻撃して来てない。」
「もし、今回の事がベガァ本星も関与してる採掘目的なら二人だけと言う事は無いから。」
「私達はとっくに他のベガァ人達から攻撃を受けている筈。」
「でも地球をくまなく探索しないと他に仲間が居ないか正確には分からないわ。」

と言い、

「近くのアルファの仲間達が応援に駆けつけてくれるわ。」
「心配無いわ。」

と安心させる様に言う。そして、

「待ちましょう、早くても後数時間経たないと結論は出ないから。」
「まだ、家の中に居て。」

と頼んだ。正輝は微笑んで、

「分かったよ、部屋に居るね。」

と応じて、食器の洗いものを手伝い終わると自分の部屋に戻った。自分のベッドに寝転ぶと、消臭スプレーをしたにも関わらず昨晩のセックスの名残りが匂った。正輝は苦笑いしながら、

(さっきの説明する母さんは、セックスの時とは全然違って以前の理知的で聡明な母さんだ。)
(セックスの時は、あんなにエロいのに。)
(ギャップにそそられるな。)

と思うと短パンに突っ張りを感じて目を向けると、性器が怒張して上を向こうとしている。

(立つな!)
(今は駄目だ、大事な時だ!)

と自分自身を叱り付けた。

 

 目が覚め、正輝はいつの間にか寝ていた緊張感の無い自分に少し呆れた。

(もしかしたら戦闘になるかも知れないのに。)

と苦笑して起きると一階へ行き台所にある冷蔵庫からオレンジジュースを取り出すとお代わりしてゴクゴクと飲んだ。台所の窓から裏の洗濯物を干す所に恵が居てシーツなど沢山の洗濯物を干していた。正輝は、

(沢山、干してある。)
(あの殆どは昨晩の物だ。)

とまた苦笑いする。裏口から恵が戻り正輝を見て、

「アルファの仲間達が来てくれたわ。」

と報告する。正輝は窓から外を覗くも見えないので、裏口から外に出て周りを見回すも、誰も何も目新しい物は見当たらない。いつもと変わらない光景が見えるだけだった。恵がやって来て、

「この家を囲む様に哨戒用の小型艦が6隻いるわ。」

と言うと両手を上に伸ばして左右に拡げた。両腕にはブレスレットが嵌めてある。二人を包む様に薄い膜が取り囲む。それは半透明のディスプレイ見たいな物だった。恵が、

「空を見て。」

と言うので正輝が空を見上げると先程は何も無かった空に、100mを優に超える黒色の紡錘形の宇宙船らしき物体が間隔を空けて6隻ほど浮かんでいるのが見えた。

「普段はステルスモードにしてるから見えないの。」

と恵が説明してくれた。正輝は宇宙船の大きさに圧倒されたし、それが透明に見える技術に驚嘆した。そしてそれを可視化するブレスレットのディスプレイ技術にも。

「こんなに大きいのに小型艦なの?」

と正輝は驚いていた。恵は、

「ええ、戦闘専門のバトルシップの大きさはキロメートル単位よ。」
「惑星の偵察用だから小型艦なの。」
「数隻が他のベガァ人達がいないか偵察してくれているわ。」
「偵察艦隊の母船と5、6隻位の偵察艦が地球の周りで待機している。」

と説明してくれた。ふと恵が微かに頷き、真剣な表情になっていた。正輝を見て、

「マザーからよ、本星から返信が有った。」
「ベガァ指導部は地球の協定違反には関与していないと回答したらしい。」
「正式に謝罪があり、あの二人のベガァ人達には処刑を含むあらゆる刑罰を受け入れるとの事。」
「本星は、私にどうするか聞いて来たわ。」

と報告した。正輝は驚いた後真剣な表情で、

「あの二人が母さんと僕にした事は許す事は出来ない。」
「でもあの二人が死ぬのを見るのは嫌だ。」

と恵を見て答えた。恵は頷き、

「私も同じ考えだわ。」

と言った。マザーに考えを伝えた後正輝を見て、

「本星にはベガァに引き渡すとマザーを通じ答えた。」

と話す。正輝はホッとした様な顔になっていた。恵は、

(やはり、正輝は優しい子だわ。)

と微笑ましい表情になる。

 
 その後居間で二人でお茶していると恵にマザーから連絡があり、ここに直接ベガァからの使者が謝罪を兼ねて虜囚の二人の受け取りに来るとの事だった。


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