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上野家のある週末
【SF 官能小説】

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反撃-2

恵は、アルゥとグリィの戦闘スーツから武器や器具類を全て床に放るとブレスレットから余り長くない細い針金状の物を出して二人の手足を拘束した。

それは自動で長くなるとベガァ人達の手足に巻き付き白く発光した。先程アルゥが出したベガァの拘束具の元になった物でアルファの拘束アイテムだった。

恵は、床に放った武器や器具類に左手を向ける、ブレスレットから白い光を出ると武器や器具類をまとめる様に渦状に回り出し宙に浮く。右手を向けると赤い光が走り武器や器具類が燃え始めたかと思うと一瞬で消えた。微かな煙を残して。

正輝はそれを驚愕の思いで見つめていた。ブレスレットを装着した恵は見る見る元気を取り戻した。ブレスレットは装着者に画期的疲労回復と生体エネルギーを与える機能も備わっているからだ。

恵は正輝が自分の行う一挙一動に驚き何か言いた気にしている事に気付いていた。

「あなたが、沢山聞きたい事が有るのは分かっているわ。」
「でも、もう少しやらなきゃいけない事があるの。」
「後で全て説明するから待って頂戴。」

と恵は正輝に向き直り話した。正輝は笑顔を見せ頷き、

「分かったよ、母さん。」
「近くで母さんのやる事を見てて良いかな?」

と聞くと恵も笑みを見せ、

「ええ、もちろん。」
「次は屋根裏部屋に行くわ。」

と言い踵を返して二階への階段に向かう。その足取りはしっかりとしていてすっかり元気になっている様に見えた。正輝は後に続きながら、

(良かった、母さんは元気になった。)
(先程までとは大違いだ。)
(これも能力なのか。)

と大きなお尻が左右にプリプリ動くのを眺めていた。そのお尻も更に弾力が増した様に見える。

(母さんは、まだ服を着ないのかな?)
(それ程急ぎの用件て訳だ。)

と正輝は自分も素っ裸で二人がまだ全裸な事にその時気付く。恵は屋根裏部屋に上がると部屋の端に寄せて置いてある小さなベッドサイズの物入れから30cm四方の白い発光しているトランク見たいな物を取り出した。

恵が手をかざすとその白いトランクは表面が消えて中に大小二個ずつやはり白い箱状の物が入っていた。恵は中から大小一個ずつ取り出すと再び一階へ降りた。正輝は恵の後を付いて行きながら、

(どんな原理なのかな?)
(母さんがまたトランクに手をかざすと蓋をする様に表面が現れた。)

と先ほど思わず声を出しそうになった事を思い返していた。恵は一階に降りると台所の方に向かった。正輝も続きながらアルゥとグリィの方を見た。先程と同じ格好で動いた気配が無い。正輝が、

「まだ起きて無いね、あの二人。」

と独り言の様に呟くと、

「彼らを拘束している物は、意識を失わさせ体の運動機能を奪うの。」
「彼らは動く事は無い。」

と恵は正輝を見て説明した。正輝は納得した様に頷いた。恵は台所近くの裏口のドアを開け外に出た。正輝が慌てて、

「母さん、裸だよ。」
「何か着た方が良くない?」

と声を掛ける。恵は正輝を振り返りもせず、

「平気よ。」
「あなたは服を着たら。」

と意に介さない。正輝は苦笑いして肩をすくめる。元別荘の家の周りは広い私有地になっていて、隣人の家は全く見えない程遠い。それに道路からも離れていて来客は滅多に来ない。それでも正輝は母親の裸を誰かに見られるのを心配した。

裏口を出た左側に洗濯物を干すスペースになっていて、今も二人の衣類が重りの付いた支柱に張られた二本のロープに固定され幾つも揺れていた。正輝は自分の短パンとTシャツを取ると母親を方を見ながら身に付けていく。

恵は裏口を出た右側の空きスペースに持っていた小さな方の白い箱状の物を置くと箱の表面を操作する様に触っていた。恵が箱から離れるとその小さな白い箱は一瞬で車が2台位入る車庫の大きさになる。

恵はそれを見て頷くと裏口に行き中に戻ろうとするのを、

「母さん、これを着て。」

と正輝が恵の短パンとTシャツを差し出した。干して有った洗濯物から取って来たのだ。恵は笑いながら頷いて、

「ありがとう。」

と言うとすぐに身に付けた。そして家の中に入りながら、

「裏口のドアを開けておいて。」
「何かで固定して。」

と正輝に言う。正輝は頷き、

「分かった。」

と答えると台所のテーブルの椅子で裏口のドアを開けて固定する。居間に向かうと正輝は新たな驚きに目を見張る。恵が伸ばした両手のブレスレットから青い光を放ちグリィを宙に浮かせていた。

グリィの体に螺旋状に青い光が巻き付いて、恵が伸ばした両手の向きを変えるとその方にグリィの体も移動する。恵はグリィを裏口から先程設置した白い収納庫まで移動させると、収納庫の側面が消えた。その中にグリィを入れると再び収納庫の側面が現れグリィが見えなくなる。

アルゥも同じ様に白い収納庫の中に入れると恵は居間に戻り、テーブルにいつの間にか置いていた大きい方の白い箱を持つと玄関から外に出る。正輝も後に続いて外に出ると恵は納屋の近くから母家を見ていたかと思うと白い箱を手から離す。すると白い箱は宙に浮いた。


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