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人気少年【制約】
【学園物 官能小説】

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人気少年【制約】-2

「じゃねっ、真緒!」
「バイバイ。沖田さん」
三学年の廊下で、麻里子とわかれる。
麻理子の後ろ姿をじいっと見つめる。軽い足取りに、ポニーテールが横に揺れている。
ドキドキする。
麻理子がボクを好きだってことは随分前から気付いてはいたけど、思えばああまで露骨にボクにアプローチしてきたのは今回が初めてだ。
ボクの見たてでは麻理子はけっこう奥手だったはず。やっぱ長い期間があけば人は積極的になるものなのか?
自然と色々な妄想が頭を駆け巡る。……ボクの悪い癖だ。いや、悪くはないか。
ふと、予鈴のチャイムが響く。ボクはすぐに自分の教室へと急いだ。

「「「雪野瀬、おはよう!」」」
教室に入った瞬間、いくつかの声がした。(多分)ぜんぶ、女の子の声。
「おはよっ」
ボクは顔をあげ、少しだけ笑みを浮かべながら言った。女の子達の顔がほころぶ。
「やっぱ雪野瀬かわいー」
「ねえねえ、あたし髪型変えたんだよ、わかる?」
「夏休みどだったあ?」
いっせいに話しかけてくる女の子達。そう、これ、これだよ。長いあいだ忘れてたこの感覚。
ボクが人気者で、モテモテであることを実感する。
大抵の人は味わえないであろう幸せを、ボクはいままさに噛み締めているわけだ。優越感があふれる。
……まあ多少は恥ずかしさや鬱陶しさもあるワケだけど。
少しだけ彼女達と他愛ない話をする。ほどなく本鈴のチャイムが鳴った。
自分の席につくと、隣の女の子がボクに話しかけてきた。
「おはよさん真緒くん。」
「うん…おはよう」
彼女は雨宮春霞(あまみやはるか)。くちゃくちゃとガムを噛んでいる。ポンと肩を叩いてきた。
肩まで届くセミロングの黒髪が艶やかで、垂れる前髪は右目の近くで分けられている。
ネコのような目と分け目から見える細い眉毛、あとワケわからないぐらい綺麗な肌がとても魅力的だ。
先々月の終業式の時と何も変わってない。……相変わらず、ボクを相手にする時の目や仕草に、ボクへ対しての色めいた感情を一切感じない。
長い期間があけば人は積極的になる……この子にはどうもその例は当てはまらないみたいだ。
……幼稚園以下の頃からの馴染みだからだろうか。
担任教師が教室に入ってくる。春霞はかまわず話を続ける。
「真緒くん、きょう麻理子ちゃんと一緒にきたでしょ?」
「うん」
「いい雰囲気だったね〜。手なんか繋いじゃってさ!」
「そ、そうかな?」
春霞はいつもこうやってボクを茶化す。昔から変わっていない。
「でも麻理子ちゃんって……そういえば、真緒くんは麻理子ちゃんのあの事もう知ってるよね?」
春霞が気になるフレーズを口に出す。
「へ?あの事?」
そういえば春霞と麻理子はとても仲がよかったっけ。夏休み中に遊んでたりしてたのか?
ボクは少し思案したあと、春霞に耳打ちするように言った。
「麻理子がボクを好きだってこと?」
春霞はぷるぷると首を振った。
「確かにそれもそうだケド……あ、言ってよかったのかな今の。
まあ、いいや。とにかくそゆことじゃなくてサ、その……」
「なになに?」
「真緒くんが知らないなら…教えない方がいいのかな。」
「そんなこと言うってことは、教えたいんだ。教えたくてたまらないんでしょ?教えてよー!」
「そんなことないって!」
「はーい、みなさん静かに静かにー!!朝の会始めますよー!!」
担任教師の声が響き渡った。
「ほらほら、静かにだって。」
春霞が言う。ボクは仕方なしに黙った。


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