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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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初めてのスワッピング(1)-2

 「あの…『前原さん』は。わたしたちのことは…」
 「ああ、そうですね。もちろん本当の夫婦ではないということは話してありますから、特に気になさらないでください…。もしかして『スワッピング』って夫婦交換のことなのに夫婦でなくていいのかしら…なんて思ってました?」
 「い、いえ…そういう訳では…」

 権堂に図星を当てられてしまう。

 「正直に言えば、今日みたいな感じで前原さんを訪ねるのは今までも何回かあって、お付き合いいただいた女性が本当の妻ではないこともよくご存じですから…。それぐらい、なんでもわかり合っている間柄なので大丈夫です」
 「わかりました」
 「ただ、ボクの気持ちとしては貴女はボクの世話女房です。愛する女房を土産に友人を訪ねる。そして友人の妻とセックスし、自分の妻も友人とセックスする…という訳です。貴女とお逢いしてから随分になりますが、遂に今日の日が来たんだなぁ…って思ってますよ。…あともう少しです」

 車が幹線道路から外れ住宅街に入っていく。わたしは道順を覚えてしまうのが恐いような気がして、そっと目を閉じた。

 「名残惜しくなるから僕たち、ここで失礼しますね」

 前原夫妻に送られて玄関から外に出る。ひと頃より日の入りは早くなったとは言え、外は強い西日が差していてまだ猛烈な残暑。権堂の車の助手席に身を沈めると、サングラスをかけた権堂が車を発進させる。

 「お疲れ様でしたね」
 「お疲れ様でした…」

 上司と顧客を訪ねて会社に戻ろうとしているかのような挨拶をかわす。

 「遠慮しないでどうぞ休んでくださいね」
 「ありがとうございます…」

 ちょっとだけ目をつぶってみる。身体全体は軽くはない疲労感に包まれているが、眠気につながるような感覚はない。

 「前原さんがね、是非、また遊びに来てほしいと言っていました」
 「よかったです。わたしも奥様から同じようなことを…」
 「奥様もすごく楽しそうで…いつも朗らかでお優しい方なんですが、今日は一段と楽しそうでした」
 「そうなんですか? いろいろ気を遣っていただいていたんじゃないでしょうか…」

 わたしも権堂もしばし沈黙している。それぞれ、今日の一連の出来事を反芻しているのだろう。

* * *

 前原邸に到着して権堂が呼び鈴のボタンを押す。重厚な音色のチャイムが聞こえてしばらくすると人の気配が伝わってくる。

 「開いていますからお入りになって」

 品のありそうな落ち着いた夫人と思しき女性の声がする。権堂がドアを開けると前原夫妻が並んで立っている。その姿は至って自然で、当然ながら極々普通の衣服も身に着けている。もしかしたらあられもない格好で出迎えられるのではないかと想像していた自分が恥ずかしくなった。

 リビングに通されてソファーに権堂と並んで座り、夫妻と権堂の会話を聞いている。会話の内容は、お互いの近況のようなことで、近況と言っても権堂は私とのことを話すわけでもなく、夫妻も艶っぽいことを話すでもない。ごく当たり障りのないようなことばかりだ。

 それだけに…というのも妙だが、こちらは会話に入っていくきっかけもないまま、夫人が出してくださった紅茶を口に運んでいると、夫人が声をかけてくる。

 「奥様、ほんとお綺麗で。権堂さんからお伺いはしているんですけど、お若くてびっくり…」
 「いえ、そんな…」


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