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先輩のセカンドバージンは僕のもの
【熟女/人妻 官能小説】

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匂い立つ色香-2

(お詫びって何。誕生日昨日だったの?!僕、知らなかったし)


理央は立ち上がり、財布を持って室外へと出る。
機嫌悪そうに廊下を歩いて、長椅子が二つほど並列に置いてある休憩スペースに向かう。
自販機でエナジードリンクを買うと、その長椅子に腰掛けてプルトップを開けた。
しばらくして、少しばかり息を速めた加奈子が、そのスペースの中に入ってきた。
恐る恐る、と言った感じで横に座る。

「ごめん、怒ってるよね」

加奈子が理央の右肩に手を触れる。
いつもの癖で「むぅ」と子供っぽく言いながら、口を尖らせる。
四十を前にする男のしぐさとは思えない。
険悪なムードなのにもかかわらず、加奈子にとっては可愛く思えて、肩から手を滑らせ、くせっ毛のふわふわした髪の毛を撫でる。

「子供っぽいと思ってるんでしょ」

「思っちゃダメなの?佐藤くんは可愛いもの」

理央は脚を肩幅ほどに開き、缶を持ちつつも手を長椅子の後ろについて脚をバタバタさせている。

「ごめん、謝るのは僕のほう。八つ当たりしちゃったし、そのタイミングで昨日誕生日だったって知ってムカついた」

「何で八つ当たりしたの」

髪を撫でる加奈子に聞かれる。
だが、理央は頬を膨らませて、加奈子の方を見ようとせず子供っぽい態度を顕にしていた。

「ごめん、無理に言わせようとするのは良くないね。今日は休戦しましょう」

理央の横で加奈子が立ち上がるから、ふわり、と香水の匂いが香る。
ぽんぽん、と再び頭を撫でられた。
そんな風に大人な態度を取られてーー

理央は硬い長椅子の上に缶を置くと、目の前を通り過ぎようとする加奈子を抱きしめる。

「……こら、どうしたの。こんなところ、見られたら恥ずかしいじゃない」

「僕と付き合ってるのが恥ずかしいの?」

ぎゅうっと加奈子の胸元に顔を押し当てる。
加奈子は腕をゆっくりと解くと、理央の右隣に腰掛ける。
そして、誰もいないのを確認すると理央の右頬に唇を押し当てた。

「何で佐藤くんと付き合うことが恥ずかしいの。そんなわけないでしょ。素敵なことだよ。そんな風に思わないで」

真面目な彼女にとっては大胆な行動をしたあと、恥ずかしそうに顔を背けて言う。

「加奈子、今日の夜は何してるの」

「今日はね、亨くんとか、仲がいいメンバーと会社の近くでご飯なの。柚木も連れてくんだけど、誕生日お祝いしてくれるって……仕事終わってから柚木を家にピックアップしに行こうと思ってるんだけど」

「そっか。じゃあ僕、迎えに行くよ。僕が加奈子の車運転するから、柚木くん迎えに行ったら、店じゃなくて会社の駐車場に車置いておきなよ。誰かが迎えに来てくれるってみんなには言ってさ。そしたらお酒も飲めるでしょ?」

ーー亨は、逆に気を利かせてくれたのだろう。
納会など会社の公式コンパなどでない限り、女性が参加する飲み会にはほとんど顔を出さない理央が、珍しく参加するとなれば驚かれてしまう。
それに柚木がいるなら、家に出入りをしていることも露呈してしまうだろう。
すると、その状況で誕生日どころではなくなるのかもしれなかった。


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