投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

パンドラの箱
【ファンタジー 官能小説】

パンドラの箱の最初へ パンドラの箱 4 パンドラの箱 6 パンドラの箱の最後へ

パンドラの箱-5

三日後。
伝授の儀式にはパンドーラの母親と、その姉弟子のアドも来てくれた。
わしが司祭となる。全員服を脱ぎ、儀式が始まった。儀式の正装は肌のみだ。
式も問題なく終わり、最後の神への献上の舞いも、全員で踊った。
全てが終わると母親はパンドーラを寝かせに行った。
わしは息をするのがやっとだった。もう弟子を取るのも踊りも体力の限界だろう。横で美しい女たちが体をくねらせるのをみているほうがいい。
よろけて座り込むと、アドが支えに来て、ベッドまで運んでくれた。
「マキナ老、ご苦労様」そういうって額にキスしてくれる。
「わしはまだ若いぞ」 目の前に垂れる褐色の乳房を揉んでやる。しっとり柔らかい、いい乳だ。
「私がいない間どうしてたの」アドは笑って胸をゆすった。
「ずっとおまえを思っておったよ」横になったまま、下腹の黒い茂みの中に手を入れると、その奥に指を沈めてやる。
「あらまあ、息も絶え絶えなのに、そんな力が残ってるんですか」
そこへパンドーラの母親が入ってきた。 「心臓まひになりますよ。姉さんはすごいから」アドは姉弟子なのだ
「馬鹿者。わしの力をみくびりおって」
「娘を見ていただかないといけないのに、天にいってしまわないでくださいね」
「そう怒るな」
「いいえ今日は私の娘のお祝いです。姉さん代わって、師匠に話があるんです」
今日は強気だ。びっくりする姉弟子をどかせてしまった。
「また何かおねだりか。もうなにも出んよ」
「うそ、半年前には抱いてくださったのに。 昔、私はいつも横でした。あの頃はまだ誰も知らなくて、姉さんがうらやましかった。放っておいた師匠のことも恨みました」
「そうだな。 だが、あの頃おまえはまだパンドーラくらいの歳だったじゃないか」
「でも、私だってできました」
「怖いアドがいたからな」十五も年上の、やきもちやきの姉弟子だ。「昔のようだな」
≪ああ、そうだ≫ 昔を思い出して、身を任せていた。うかつなことにこの後、眠ってしまった。昔にはなかったことだ。年寄りはいやだ。
目を覚ました時にはもうきちんと布団をきて、ひとりで寝ていた。
と、ひじが当たる。
≪まだいてくれたのか≫
尻に一物を押し付け、乳房に触れ、まだ弾力の残る肌をなでてやる。
そうしていると目を覚まして、抱きついてきた。
「アドはどうした」
昨日遅くに帰りました。
そうか、ではおまえとゆっくりできるな。
「あんな難しい子を引き受けてくださってありがとうございます」
「なに、おまえだからだよ。おまえだけだ」そっと挿入した。

≪最後の弟子だ、抜かりなく≫ そう思って修行させるのだが、若い子には不満のようだった。年寄りのスピードが遅すぎると思っているのだ。
自分の理解力なのだとはまだ考えられない。
未熟なのに、未熟なせいでそれがわからない。満たされない心。終わりのない修行。その狭間で苦悩していたようだ。
学校では女神のように扱われていた。
みんなにちやほやされ有頂天になっていた。
気に入らない者がいたら、「あの子いやね」のひと言で、みんながその子をのけ者にする。だから周りのものはみんなパンドーラの機嫌をとった。
そしてこの子はよく人に触りたがった。問題なのは、気があるからそうするわけではない、ということだ。
ほとんどの男がそれで勘違いをしてしまう。そこでへたに言い寄りでもしたら、痛い目にあう。
「あの人、気味が悪い。私に付きまとうの」
この一言で、周りの者はその男に集中砲火を浴びせ、ほとんどの場合はそれで終わった。
これは、取り巻き同士にも、さらにけん制し合う空気を作る。
争いや小競り合いは起こるのだが、嫌われたくないのでパンドーラの前では何もないふりをする。
争いに気がつくとパンドーラはその人間には近づかなくなるのだ。
周りには人知れず傷つくものが増えていった。そうするとパンドーラはいつのまにか別の場所へ行ってしまうのだ。
バンドーラは気づいていないのか、知らないふりをしているのか、台風のような子だった。近付くものは振り回され傷つく。中心のこの子だけが穏やかでいたのだ。
そんなある日、久しぶりに母親と二人で町まで買い物に行った後、高い熱を出して寝込んでしまった。
熱は一週間続き、それからも頻繁に熱を出し、学校にも行けない状況になった。
ふっくらしたかわいい女の子から脂肪がなくなり、干からびていく。その五日目。パンドーラが口を開いた。
「したいことをするための魔法なのに、なにもできない修行ばかり」
「その向こうにあるんだよ。苦労して山を登るから、広い世界が見えるようになるんだよ。低い所から見えるものは幻だ」
「私の魔法は神に祈る。そのために自分を高めなければならないのに、そうしても、なにも返ってこない。黒い魔法は悪魔に祈れば何でもかなえてくれる」
「何があった」 優しく聞いてやる。この子は言いたいことのきっかけを探しているのだ。
パンドーラが話し始めた。


パンドラの箱の最初へ パンドラの箱 4 パンドラの箱 6 パンドラの箱の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前