投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

パンドラの箱
【ファンタジー 官能小説】

パンドラの箱の最初へ パンドラの箱 17 パンドラの箱 19 パンドラの箱の最後へ

パンドラの箱-18

≪あたしのせいじゃないんだよ。  えっ、 この子の名は。パンドーラ≫
あけてはいけない蓋を開けてしまったような気がします。
≪ノラの、そしてノラを愛した女?≫
≪ただ、猫さんのことをノラだとはわかっていない。どうする≫
「あんた、ノラと一緒だったんだ」何も考えずに言ってしまいます。 ≪あん、口のばか≫
「どういうことですか」
≪言うんじゃなかった≫ 「あんたがドラでなくパンドーラだというのとのと同じに、彼は猫でなく、 えっと、猫だけどエッチなノラなの」
「エッチ?」
「あんた知ってるんでしょ」あたしはあきらめました。面白くて、黙ってられません。愛していたのはもう見てしまいました。いまだに忘れられないのです。「今でも面と向かう勇気はある?」
「分かりません。昔、何を言うまもなくノラが消えてしまいました。女のもとへ帰ると聞きました」
「それってレイのことだ」
「去年亡くなった人ですか」
「そうだよ、それも含めてノラに聞けば。彼はいるんだから」
「できません。あの人は裏切りました」顔を真っ赤にしています。
「猫さんは馬鹿でエッチだけど、裏切るようなことはしないよ、そうしかけることはあるけど」
「姐さんは正直ですね。でも聞けません」
「何言ってんの。 あたしはあんたとノラのことを知りたいの。そのうえで裏切り者だと言うなら、あたしはノラをやっつけてやる」
「そんなこと無理でしょ」
「あたしはノラの半分を持ってるの。それを切り分けてよこせといってやる」
「それって、どうなるんです」
「さあね、でも猫さんは死んででも半分をくれると思う」
「すごい。俺のもあげます」
「だめ、これは魔法の扱いの中でそうなってしまったのであって、ただ、『あげる、もらう』じゃないの。自分の運命は自分で決めなさい」 いくらあたしでも、猫さんがエッチなことをした罰だとは言いません。
「でも俺は姐さんに捧げると自分で決めました」
「わかったじゃあもらうよ。では私が何をしてもいいわけだね」
「全て任せます」

ノラを呼び出します。ドラは隣の部屋に待たせておきました。
「実は紹介したい人がいるの。来て。その子はあなたに会いに来たの」
「会えと言うなら」ノラがついてきます。
真っ暗な部屋に連れて入ります。
「久しぶりの挨拶よ。ハグして」
「マイ、まさか君が抱いてくれるんですか」猫さんはやっぱりエッチです。
「ばか」そのまま手探りで、椅子に座るドラを立たせました。
ふたりはハグして‥ と、思いますが、黙ったままです。
やがて、「ノラ? ノラ」 ドラの声が聞こえます。「ノラだったの」
≪やだ。こんなに女らしい声出すなんて≫ あたしはドラを始めて見た時よりびっくりしました。
ノラが猫なのは見た目だけです。だから暗闇でさわると、人間のノラしか感じられないのです。
「パンドーラ」
「どうして黙っていたの。この子がパンドーラだということはわかっていたんでしょう」あたしはせめてやります。
もちろん悪魔メイクを落とせばですが、こんな可愛らしい子をほっておくなんて、猫さんらしくありません。
「長老に止められていました。この子の将来をふさぐんじゃないと。それにおれもパンドーラかレイか。どちらを取るのか、ふたつにちぎれそうでした」
「えっ、あたしは入ってないの」
「あなたが嫌でしょう?」
「愛してあげられなくても、愛してくれていいんだよ」
「はいはい、心は好きですよ」
「もうレイはいないんだよ。そしてあなたの幸せを望んでるの」
「そんなこと。それではおれの都合ばかり良すぎます。 パンドーラは傷ついてきただろうに」
「ほら猫さんだって成長する。人を思いやれるようになったんだ。あんたの弟子としては嬉しいよ」臭い芝居になってしまいます。
こんなのは苦手です。もう勝手にやらせることにしました。
「ドラ、何か言ってやりな。そうでないならキスでも何でも好きにして」
ドラは泣きだして、でも、真っ暗で何をしているのかは見えません。
あたしは部屋を出ました。≪殴り合いをしなきゃいいんだけど≫
光が入った一瞬、二人の抱き合っているのが見えました。
≪なら、よかった≫
「あたしは練習に行くよ。それから今日は帰らないから」またくさい言葉です。
自分に腹を立ててギターをつかむと、≪あとはふたりで解決してよね≫ 外へ飛び出しました。
あたしは心を探って、パンドーラの中に残っていたものを見てしまいました。
≪どんなことが起こるんだろう≫
自分が何をしたのか、考えていませんでした。

≪ま、いいか≫ 何かは変わるでしょう。


パンドラの箱の最初へ パンドラの箱 17 パンドラの箱 19 パンドラの箱の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前