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医師テレスポロス
【ファンタジー 官能小説】

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医師テレスポロス-5

先生は、体の隠してあった所の近くから、器具の入ったかばんを取って来させた。
「お前の指は女をいじるだけでは惜しい、医学を勉強しないか、後で役に立つわよ」
それで僕は薬品を覚え、薬草を取りに行き、先生と一緒に小動物の解剖をした。
姉ちゃんは町の事や、そこでの生活のことをいろいろ聞いていた。僕たちは時々行った村以外を知らなかったのだ。
糸つむぎや、裁縫も上手だった。いっぱいの手術をしてきた手は細いが、繊細な動きから、そこそこの力技までこなせる人だった。
「先生は何でもできるんだね」ほめるとシトリーは僕をにらむ。
「どうしたの」と聞くと、頭を叩かれた。
「誰が母親から助けてあげてたの」
「そんなの、姉ちゃんに決まってるじゃないか」
「誰が火から助けてあげたの」
「姉ちゃんだよ」
「本当に分かってるの」
「あたりまえじゃないか」
「じゃあ今度、セーターを編んであげるね」
「ありがとう」抱きついた。こんなシトリーは大好きだ。
でも、僕が先生と仲良くなるほどに、姉ちゃんは先生に意地悪になった。
医学の勉強はどんどん高度になり、先生の研究を手伝うようになると、より親密になっていく。
寒い夜はシトリーではなく、先生と体を寄せ合って勉強を続けた。

三年も近くなると、大きな動物の解剖がしたくなる。実を言うと、僕は動物でないものを解剖したかった。
「人を治療するためには、人を知らなきゃ」
「待ちなさい、そんなに簡単に用意できるものではありませんよ」
「その女を解剖させてやるわ」姉ちゃんは僕がずっと先生といるのを嫌がっていた。
「どうして喧嘩ばっかりするの。いい人じゃないか」
「いつも触らせてくれるからでしょ。あんたはそうやってその年増に飼いならされてるのがわからないの」
僕がそのことで暗くなっていると、先生はブラジャーの中に手を入れさせてくれた。
「さあおっぱいを触らせてあげる。いっぱい揉んでいいのよ。それで元気を出しなさい」
僕はこの人のおっぱいがあれば、なんでも乗り越えられそうな気になってくる。
「元気を出して。そうだ、あなたにだけ、大いなる魔術を見せてあげましょう」そのための道具を用意させ、シトリーが町まで買い物に行く日を待った。
そしてその日、部屋の真ん中に大きく円を描き、そこへ五芒星を描きたしていった。
「線は少しくらいゆがんでもいいのよ」
それより書き忘れと書き間違いの方が恐ろしい。
召喚を魔法円の中に行うか、外かで内容が変わり、呪文が変わる。
「何も召喚できなければ、それはまだ救われたようなものよ」
線の途切れ。これは一番ある事で、一番致命的となる。
そんなときに敵意を持った魔を召還すると、その隙間を伝ってこられて、簡単に殺される。
そうでなくても、それを脅しに、向こうに有利な契約を結ばされる。
召喚は猛獣使いが初めて会う虎を相手にするようなものだ。
ただし、へたをすると、その虎は猛獣使いより賢い。
だから檻に入れ、先に契約を交わすのだ。
「魔の召喚をします。生贄には実験用の動物が、かごに入ってるでしょう。それを使います」
それを用意させ。準備がととのう。
「では、裸になって、体を清めなさい」
手桶の水で体を洗う。
裸のまま、魔法円の中にいけにえの猫の入ったかごを置いた。
「今回は試しです、中に召喚します。魔法円に納まりきらない仕事をするのでなければ、このほうが力がいりません」
先生が呪文を唱え始めた。
ぼくは緊張に体を震わせ。昼光のなか、暗く陰っていく魔法円の中を見つめていた。
雷鳴が轟く訳でもなく、一陣のそよ風を感じたような気がした時にはもう、それが円の中央にいた。
猫がしなびていく。
先生が、いや、魔女が「我が名はテレスマニア、聖なるテトラグラマトンの流れを汲みし魔女。名乗れ」
「我が名は[無意味]、ストラスの流れをくむもの」
「まだ、こちらでの名がないのか。では、ヤンシュフと呼ぼう」
「然り」


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