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白い悪魔
【ファンタジー 官能小説】

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白い悪魔-2

ナミとアッチが昔来たことのあるその町で、異常なことが起こっていると噂が立っています。
人が消えていくのです。
そして、徐々に小柄な白い悪魔のことが囁かれるようになりました。
何の確証もありませんが、その女が現れた後に消えるらしいのです。
警察もそれを追い始めました。最初はあくまでも参考人としてでしたが、捜査を始めるうちに容疑者にかわっていきました。
被害者は、街角で乱暴を働く者。無理やり金を奪おうとする者。人を傷つけ殺しても何とも思わない者。
そのすべてが何らかの犯罪にかかわった者らしいとわかってくると、一気に不安は消えていきました。
みんなの行いが良くなって、治安が良くなっていくと、消える者もへっていきました。奇妙なバランスの上に、平和とも取れる生活が始まります。

「あそこには魔がいます。行きますよ」アッチのひと声で列車に乗りました。
行ったのはスナイパーの経験も十分になったあたし、レナ。熟練スポッターのアッチ、それと最近手が震えるという、消費期限切れのスナイパー、ナミ。 「あなたを見ると、怒りで震えが止まらないの」と言うけど、きっとお酒の飲みすぎです。
町は静かで、のんびりした空気が流れています。
この街は見るからに平和でした。ここの人たちはみんな優しい笑顔をしています。
それでもナミには物足りないようでした。
「活気がないわ。いたずらや悪乗りとまで行かなくても、激しい音楽もここにはない」
愛にあふれているのだろうけど、そのドキドキ感や不安定さが、若者の間にすら感じられませんでした。
その上、町の人はナミを見て手を握ったり感謝をしたりします。変わった人たちです。
こっそりと「ここにいちゃだめ」と心配そうに言う人もいます。不気味な人たちです。
訳が分からずにいると、パトカーが走ってきて、警部がナミに手錠をかけました。
「何の真似ですか」アッチが声をかけます。
「それは署で話す」 それ以上に言おうとしません。
≪手間が省ける≫ナミが目配せをします。そう、警察署も調べに行く上位のリストに入っていました。
あたしたちも一緒に車に乗せられました。
警察署に連れて行かれ尋問のような事情聴取が行われます。「この日どこにいた、この時間何をしていた」細かく聞かれます。
もちろんこんな街にはいませんし、私たちの町には私たちのことを証言してくれる人はたくさんいます。
手錠はかけられませんが、あたしにも聞かれました。
「あの白い変な人は、いったいどんな人だい」警部は飲み物まで持ってきてくれます。「私もここに赴任してきたところでね。教えてくれるかな」気の合いそうないい人です。
それで詳しく教えてあげました。
「ナミのお仕事はSMメイド喫茶のメイドさん
あんなに年をとっても幼く見えるから得だね。でも近くで見たら結構小じわがあるんだよ」
「そうか、そこでどんなことをしてるのかな」
「不思議でしょ、あたしもこっそり店の前まで行ってみたの。
『いらっしゃい』と、お客の尻を乗馬用の鞭でたたいて、
『基本が、言葉・コース
上級縄・コース
特別ムチ・コース
どれにします』だって。
縛って、叩いて、ののしって、なんて有罪でしょ。懲役2、3年てとこじゃないの」
「そうかい。それで、ここに来たのは初めてか」
「あたしはそうだけど、あの人は来たって聞いたよ」
「そうか、仕事に行くと言ってここに来ているのか」
「そうかもしれない、ねえ、とっておきをしりたい? 実はね、ナミってSのふりをしてけっこうMなの、お店でもお客に縛られてるんじゃないのかな」



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