藁の匂いに惹かれて第2話-18
「あの時、あの雨の中で・・・・あの藁の香りの中で貴方に抱かれた時、
私は初めて“本当の絶頂"を感じたの・・・・・」
ティファはそう言いながら唇をウィンセントの胸板に押し付ける。
「・・・クラウドについて気にしていないと言えば嘘になるけど・・・・・
でも貴方も私にとっては大事な人・・・・。
身勝手な考えだけど・・・・クラウドにはクラウドへの、貴方には貴方への愛をそれぞれ私は貫いていきたいの・・・・」
「ティファ・・・・」
胸板から顔を上げたティファの顔がウィンセントの両手に包まれる。
今までにないくらいの深い深い口づけ。
互いの舌がまるで相手の口の中に吸い込まれていくかのように混じり合う。
―――――――クチュ・・・ンチュ・・・ヌチャ・・・・・
「ティファ・・・これからもティファを」
「んん・・・愛して、貴方が望む限り私を愛して・・・・・ァァア」
初めて交わす互いの想いが今この場で迸るかのような情景だった。
いつしか夜も更け、
暖炉の中で燃えていた炎も小さなものになっていき、
部屋を煌々と照らしていた明るさもいつしか薄暗く影のあるものになっていった。
その暗闇の中でも、ベットの上の2つの影はいつしか形を変え、
内なる欲望の炎を最後まで燃え立たせようとしていた。
顔の輪郭すら暗闇に沈み込む中で聞こえてくるのは、2人の声と生々しい音。