藁の匂いに惹かれて第2話-17
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『え〜〜、やっぱり今日は帰ってこないの〜〜?』
「ごめんねマリン。明日の朝には必ず帰るから。開店には間に合うようにするからね」
『もぉ〜〜、全くぅ〜・・・・・』
仰向けになったまま、使い慣れた携帯電話越しにマリンと話すティファ。
体の節々に先程の絶頂の余韻が残る中、ティファの言葉の端々に艶やかさというか女らしさが滲んでいるかのようだ。
そんなティファが背中を預けて横たわっているのは、
ベットの上に横たわるウィンセントの胸板の上。
ティファが苦笑混じりに電話する最中でも、
鼻先にあたるティファの艶のある黒髪に顔を押し付け香りを堪能する。
左手を彼女の腰と下腹部に回し、
右手の指は今だ硬いままの乳首の先端をいじっている。
ティファは電話は続けながらも、
ウィンセントが与えてくる刺激には素直に反応し思わず口許を緩めていた。
ウィンセントの顔は相変わらずの無表情。
しかし紅い瞳には普段の冷たさよりも、
“人間的な”欲望が浮かび上がっていた。
「うん・・・うん、じゃあデンゼルにもよろしく。 お留守番お願いね、 おやすみ〜〜」
――――――ピッ・・・・・
「・・・話は終わったか?」
「まぁ、ね・・・もうウィンセントったら。電話中に変なことしないで」
手にした電話を枕元に放り投げると、 ティファは身体を90度反転させた。
ティファの顔とウィンセントの顔が間近になる。
ウィンセントは唇を近づけ、ティファのピンク色の唇を覆う。
「ん・・・ン・・・・・」
ゆっくりと唇が離れた時、再び2人の視線が絡みあう。
「・・・ここまで欲しいと思ったのは初めてだった。長い長い時間の中で・・・・。
だから私からティファを誘った・・・・。
ティファが来てくれて、本当に嬉しかった・・・。」
真っ直ぐティファを見つめながらのウィンセントの告白。
ティファは恥ずかしさのせいか自分の頬がほんのり赤くなるのを感じる。
ウィンセントはティファの背中に回した両腕に力を込め、
ティファも自分の両腕を動かしてこれに応えた。
「・・・正直クラウドには本当に悪いと「言わないで」
思わず漏らしたウィンセントの言葉を遮るように、ティファは声を上げていた。