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女子中学生 入試面接の恥辱〜続『恥ずかしの高校ミスコン』〜
【学園物 官能小説】

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密・室・羞・慄-1

 まだ、何かあるの……?

 下着審査に加えて質問紙の恥ずかしい内容を読み上げられ、ほとんど心折れそうになっていた少女たちは、互いに顔を見つめ合いつつ不安を露わにしあった。
 土屋の言うことからするとその言葉からすると合格はほとんど確定したようにも聞こえるが、それを喜べるような状況ではなかった。

「次の会場に移りますので、皆さんついて来てください」
 土屋はそう言って、ドアを開けた。

 紗雪は次に何があるのか気になって仕方がなかったが、まずは服を着たくて足元に手を伸ばそうとした。だがそこに置かれていたはずの脱衣籠が無い。質問紙に記入している時にいつの間にか回収されたようで、ふと見やると教師たちの座るテーブルの後ろに置かれている。

「あの、服は……」
「いいですから、入学したければ最後までこちらの指示通りにすることです」
 福部に冷淡に言い渡された。このままなら下着姿で廊下に出なければならない。いくらなんでも非常識にすぎる。

「この校舎は本日関係者以外立入禁止にしてあります」
 恥じらう少女たちに、そう福部は念を押すように言った。それが本当だとしても、恥ずかしさは何も変わらない。
 とはいえ制服を入れた脱衣籠は教師たちに預かられてしまっている。あれを返してもらえなければこの場を離れることすらままならない。どうして服を着てはいけないのか全く意味不明だったが、言う通りにするしかなかった。

 こうして紗雪も他の2人も、先導する土屋に続いてこの小視聴覚室を出た。後には、脱衣籠を持った他の教師たちが続いている。
 確かに廊下にはまったく人の気配は無いとはいえ、誰かが通りかかったりしないか、気になって仕方がない。紗雪にはほとんど死の行進も同然に感じられた。
 廊下には暖房もあまり効いていないから、1月にこの恰好では寒くてたまらないはずなのだが、恥ずかしさで寒さも忘れそうなぐらいだった。

 ともかくも廊下の端まで着くと、土屋はエレベーターの上階行きのボタンを押した。これからいったいどこへ向かうのか、紗雪も不安で心臓が高鳴ってくる。
 一番上の5階に着き、エレベーターを出て案内された部屋のドアには「理事長室」と書かれたプレートが貼られていた。

 理事長室?
 プレートを見て、紗雪も驚かずにはいられない。この和天学園の理事長については、彼女は学校案内のパンフレットでその顔を見かけたことはあるし、オンラインで参加したオープンキャンパスで挨拶したのも覚えている。「三田村友常」という名前も知っていた。温厚で優しそうな人という印象だった。だが、まさか入学試験の面接を、学園のトップたる人物がわざわざ担当することなど思いもよらぬことだった。
 
「理事長、特待生入試の受験生たちです」
 そんな彼女をよそに、土屋はドアをノックして言う。
「はい、入りなさい」
 ドア越しにバリトンの声が返ってきた。それを聞くまで、紗雪は重大なことをしばし忘れていた。

 当の理事長が、紛れもなく男性であることだ。

 ということは、今こんな恰好でいるまま、男の前に立たなければいけないの?
 それに今さら思い至って、紗雪は慄然となった。これまで同性たちの前で下着姿を晒すことだって恥ずかしくてたまらなかったのに、恥ずかしさはその比ではない。

 この特待生入試がのいかがわしさはとうに感じさせられていたが、ここまでくると、もはやまともなものとは思えなくなってきた。
 これまで入学したい一心で理不尽としか言いようがない辱めに耐えてきたが、本当にこんな学校に入っていいものかどうか、疑念が深まってくる。あの恵まれ過ぎとも言える特待生の待遇だって、信じていいのかどうか。
 他の2人も当然ながら同じ思いのようで、互いを見つめ合いつつ怯えていた。

 だが土屋はドアを開け、受験者たちを部屋に通そうとしている。
「あの、服を……」
 紗雪はこの姿のまま入室するのが恐ろしく、脱衣籠を持った2人の教師に懇願した。だが教師たちは黙ったまま、それを返してくれそうな素振りすら見せなかった。
 かといってこの恰好のまま逃げ出すこともできない。どうしようもないまま、震えて立ち尽くすばかりの紗雪だった。

 もう逃れようがないと観念したのか、3人のうちで奈々美が苦渋の表情を浮かべつつ理事長室に足を踏み入れる。紗雪も理真も二の足を踏んだが、福部が2人の背中を押して、追い立てるように入室させた。
 中には、臙脂色のダブルのスーツで身を固めた、歳のほど60手前と見える男が待っていた。


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