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ロスト・マイ
【ファンタジー 官能小説】

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ロスト・マイ-8

「それも剥いじまえよ」笑い合っています。
「こんな汚い所に女の子を寝かせるとはひどいやつらだな」怒鳴り声が聞こえます。まさか、クロの声です。
「なんだ、おっさん消えろ」
「子どもが悪ぶるんじゃない。その子はここでいいと言ったのか」
「うるせえ」タイトがとびかかっていきます。
殴られる。そう思った時、クロは上半身を横に回転させました。
こぶしは空を切り、クロの払い上げた足に当たったタイトの体も空に舞います。
まったくの大人と子供でした。喧嘩にもなりません。
二人にもその違いはわかったのでしょう、そのまま逃げて行ってしまいました。
クロが抱き起こしてくれました。「怪我はない?」胸のボタンをとめてくれます。
≪ブラを見られた≫ 顔が真っ赤になってきます。でもクロはそのことを何も言いませんでした。
「スタジオが急に空いたからどうかなって、誘おうと来たら、君がこっちに行くのが見えたんだ。迷惑かなとも思ったんだけど。来てしまった」
「迷惑なんかじゃない。助けてくれてありがとう」クロに抱きつきます。それからしがみついて泣いてしまいました。
「あいつら、変な悪魔を呼び出したんだよ」 クロがあったことを聞いてくれました。
「きみ、呪文なんか知ってたの」
「わかんない。勝手に出て来たの」
「いいか。そのことは忘れろ」怖い顔でにらみます。「その言葉は、僕が教えたんだ。悪魔を題材にした曲をやった時の歌詞に入ってたんだ。それを覚えていたんだ」
クロにハグされながら、 ≪歌詞だったんだ≫ そうだった気がしてきます。
クロはずっと抱きしめてくれていました。 何度も「ごめんよ」とささやいてくれます。
≪救けてくれたのに?≫

―――――――――――――定期報告書
宛先 トドウ
内容 マイ・********* の魔術的背景に関する調査 30

〇概要
こちらを無視して行われた判定行為に対し抗議をする
問い合わせ:判定行為に対して、あらかじめ打診がなかったことへの説明要求と改善要求

1 過去において他者による保護がある可能性を確認
・1 魔への知識を持つ。
・2 退魔の呪文への知識を持つ。
問い合わせ: マイを保護する者の特定方法の確認
2 呪文の作成と実施を確認。 類似性から、過去の曲の歌詞に入っていたものを使用した可能性もある
・1 呪文内容は低度であるが必要条件は満たしている
・2 肉体接触に対する能動的呪文は確認できず
・3 さらなる能力に関しては未定
問い合わせ: 今後の能力確認の程度と可否。
3 対象との接触を継続
問い合わせ: 立ち入った関係となる事への許可

〇別項
4 魔術確認のために惑わされた少年への処置。
・1 現在行方不明。現状放置と思われる
問い合わせ: 当該少年2名の記憶散逸の依頼または許可

〇詳細
今回の確認方法の是非についての緊急提言
こちらへの説明のないまま行われた今回の判定方法は、著しく非人道的な問題をはらみ、決して許容できるものではない。もしも‥
*********
 以上 全4枚―――――――――――――


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