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勇者の剣
【ファンタジー 官能小説】

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勇者の剣-8

黙ったままのエルフの女王の体をまさぐった後、腰の巾着をはずして、警備隊長に放り投げました。
警備隊長はその重さを量ると、「よし、今回はこれで売ってやろう、だが、破格の値段なんだぞ、ありがたく思え」木の板を投げ落とします。
見ただけで、拾う価値すらないものだとわかります。
「その子を放せ」
「この化け物はまだ取り調べる必要がある。おまえたちは行け」町とは反対の、今来た方向を指します。
「いやん放して」うさ耳娘が暴れます。
≪われの言うことを聞かぬが故だ。さあ勇者よどうする。ここでただの小僧に戻るのかそれともこの腐りきった者どもを成敗して、真の勇者となるか≫剣が語りかけてきました。
勇者がその剣に手をかけます。
警備隊に緊張が走りました。長剣に手をかけます。間合いを取ろうとしてしかし馬が動きません。地面を通して黒いものが馬の脚に絡みついていました。それがはい登っていきます。
街道の人たちの足にも黒いものの手が忍び寄って行きます。
勇者がにやりと笑いました。「偉大なる勇者にたてつく者はどうなるか、今からたっぷり見せてやろう」真っ黒に光る剣を抜きます。
その時です。
「やめなさい」凛とした声が響きました。
白い馬に乗った女剣士です。黒髪をリボンで止め、きりっとした目で警備隊長をにらんでいます。
着ているのは皮の軽装鎧でしたが、警備隊長のものと比べても上質なのは歴然としています。
鎧の下のマイクロミニのスカートからスラっと伸びた足は、ひざ上まで編み上げたブーツに包まれていました。その騎士が近づくにつれ、黒いものが薄れていきます。
「プリンセス」 騎士たちが胸に手をやり挨拶をしました。
「街道のむこう側でゴブリンが出たと聞く。こちらに回ってくるかもしれない、側面の警備を強化しなさい」プリンセスが指示をします。
「はっ」皆が急に本業の顔になりました。
「警備隊長、そのお荷物は、私が預かりましょう」
警備隊は、うさ耳娘を下ろすと、部下の後を追いました。
「やれやれ、兵士も平和ボケしてくると、ろくでもないことを考え始める。お前たちは勇者の一団か」
「だったら何だ、また何か売りつける気か」
プリンセスは木の板に気が付きます。「やられたのか。あいつら、また浴場の番号札を盗んだな」大笑いします。
「おまえの部下だろう、何とかしろ」
「いや、悪かった」悪がっているような顔ではありません。「父の兵だ。私が金を返す義理はない、だが、代わりに仕事をしないか。私が雇ってやろう」
「おひめさんがか」
「帰ってきたあかつきには金貨50枚をやろう。それと本物の勇者の称号だ。町どころか、城にも出入りが出来るぞ」
「わかった、行こう」どれも魅力的ですし、こいつは強そうでした。
プリンセスは馬から降りると、その尻を叩いて「ほら、馬屋に戻れ」行かせます。
「さあいこう。追手が来ると面倒だ」
「さっき言ったゴブリンですか」
「ああ、あれは嘘だ」プリンセスは街道を外れていきます。
「では、追手とはだれなのでしょうか」
「父の親衛隊だよ、心配して連れ戻しに来るんだ」
「では、つかまったらプリンセスを誘拐した、大罪にならないのか」
「大丈夫、捕まらずに帰れば問題ない。逆に感謝されるよ、ほんの数日で終わるはずさ」プリンセスとは思えない速さで歩き続け、森の中に入りました。
その日も、早めに移動をやめ、野営地で火を囲似ました。


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