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女子中学生 入試面接の恥辱〜続『恥ずかしの高校ミスコン』〜
【学園物 官能小説】

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千・載・一・遇-3

「園原さん、こんな話が来てるの。よかったらどう?」
 それとともに渡されたのは、学校案内のパンフレットだった。表紙写真を飾っている女子生徒があまりに綺麗な人なので、一瞬映画のパンフか何かと間違えそうだった。
 見ると、「学校法人 和天学園高等学校」とある。紗雪にとって聞いたこともない学校だ。この名称からして私立校なのは間違いない。

「私学なんて無理です、私の家の事情、先生もご存じですよね。それにこんな遠くの学校なんて……」
 見ると、所在は遠く離れた首都圏だ。家の経済事情を考えれば最初から私学は選択肢の外だったが、実家を離れて通うとなればさらにお金がかかる。

 だが俊恵はそれも織り込み済みとばかり、話を続けた。
「それが心配いらないの。あなたをこの高校の特待生枠に推薦するって話だから」
 そう言って俊恵はパンフレットとは別の、今年から導入されたという「特待生推薦入試」の書類を見せて説明する。

 それを聞いて、紗雪は息を呑んだ。
 なんでも、もしこの枠で入学できたなら、確かに特待生としての待遇は素晴らしいようだ。
 入学金や授業料、施設費、制服代や教材費は全額免除。実家から通えない場合は食事つきの寮費まで学校側が負担するという。もちろん在学中を通して優秀な成績を維持することが絶対の条件だが、そのためならいくらでも頑張れるだろう。
 そればかりか、卒業後も指定の大学に合格した場合―国内なら東大・京大クラスか、海外の名門校だが―学園で無償の奨学金を提供し、学業の継続を支援するとある。場合によっては大学院までサポートするというから、研究者志望の紗雪にとっては夢のような話だ。
 見方を変えれば、トップクラスならそういう生徒を輩出するほどの学校なのだろう。

「でも、どうして私なんかを……」
 恵まれすぎともいえる条件に、むしろ紗雪は戸惑った。
「和天高校の方からね、あなたをぜひこの学校に欲しい、推薦してもらいたいって話が来てるのよ。スカウトされたとでも思ってね」

 そう言われても、紗雪はにわかには信じられなかった。
 中学時代にスポーツで実績を挙げた生徒が、その名門とされる高校からスカウトされるという話なら聞いたことがある。けれども彼女にいったい何があるのだろう。全国模試の成績優秀者に入ったのが目に留まったのかもしれないが、あとはせいぜい、科学部の活動で、自由研究が2年生の時にコンクール入賞した実績ぐらいしかない。和天高校の科学部は名門として評判だとも聞かされたが、この程度のことでお呼びがかかるものだろうか。

「あなたほど出来る生徒が経済的な理由で公立にしか行けないなんて、もったいないじゃないの。そういう子を探して積極的に応援しようってのが、この特待生推薦の意図だっての話よ。新しい理事長になって、この制度を今年から導入したそうなの」
 そんな遠くの高校の人たちに自分がそこまで評価されていることにまだ戸惑いつつも、紗雪もいよいよこの話に興味を覚えてきた。

「家の事情で塾にも行けないあなたが自学でここまで頑張ってることは、先生もよく分かってる。塾通いで勉強させられて入ってくる生徒より、そうやって自分から学べる生徒にこそ本当の才能がある。それが家庭の事情で埋もれてしまうのは日本社会にとっても損失だって、和天高校の先生もお話しされてたわ」
 かねてから俊恵は紗雪の事情を理解してサポートしてきた。彼女には公立中の授業など物足りなさすぎるだろうと、より高度な教材を紹介したばかりか、彼女の知的関心を受けて高校の学習内容まで先取りすることまで勧めた。それで熱心な紗雪はユーチューブの無料の授業動画などを使って、高校の生物・化学をもう半分以上習得していることまで知っていた。理科については質問には高校レベルの内容でもきちんと答えてくれた俊恵を、紗雪はずっと慕っていた。

「あなたが特待生で和天に入れたら、わが校にとっても栄誉なこと。きっと後輩たちに道を開くことにもなるのよ。だから先生からもお願い。チャレンジしてみない?」
 そこまで言われて、受けない手はなかった。
「先生、貴重な話を本当にありがとうございます。私、頑張ってみます」
 紗雪はきっぱりと答え、書類を受け取った。
 この美味しすぎる話の裏に何があるか、紗雪はもとより、俊恵も思い至ってはいなかった。

 その日の晩、仕事帰りの母親を夕食を用意して迎えると、当然のように特待生推薦の話をした。この家庭事情ゆえ、平日の夕食はもっぱら、紗雪が作るようになっている。
「そうなの。良かったじゃないの」
 母の慧子は、もちろん喜んでくれた。母の方も自分のせいで娘の進学先が制限されることを申し訳なく思っていたのだから、なおさらだ。かつてキャリアを捨てて寿退職を選んだ自分の生き方は完全な失敗と認めており、娘には絶対に真似しないように言っていたぐらいなのだ。

「でも、合格したら私、寮で暮らすことになるのよ。高校でもうお母さんと離れ離れになるなんて……」
「紗雪の人生は紗雪の人生。それが紗雪の希望なら、応援するだけよ」
 母親が喜んで送り出すつもりだと言ってくれて、気になっていたことなので紗雪も安心した。


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