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女子中学生 入試面接の恥辱〜続『恥ずかしの高校ミスコン』〜
【学園物 官能小説】

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千・載・一・遇-2

 ことは昨年の秋に遡る。

 それは、文化祭明けの城富中学校の3年B組の教室だった。

「あたし、聖栄女学院行きたいなー。制服めっちゃ可愛いもん」
「佐登美、あそこ結構難しいのよ。あんたの偏差値で入れるの?」
 公立中学の3年生の秋ともなれば、部活をやっていた生徒たちもみな完全引退し、すっかり高校受験ムードに突入する時期だ。文化祭という一大行事が終わってからはなおさらだ。

 それに相応しい会話が級友たちの間で交わされるのを、園原紗雪は少し寂しげな様子で耳にしていた。制服で学校を選ぼうなんて贅沢な話をできるのが、羨ましくも思える。

 その日、夏休み後すぐに受けた実力テストの総合成績が通知されたが、彼女は今度も学年首席。それどころか、全国模試で成績上位者に名を連ねたこともある優等生だ。学力的にはいくらでも志望高校を選べるはずだし、そもそも公立中に通っているのが勿体無いぐらいの出来なのだが、家庭の経済事情がそれを許さない。

 紗雪は母の慧子との2人暮らしだ。かつて父の正盛は母の反対にもかかわらず独立起業に踏み切ったのが無残に失敗。これ以上妻子は巻き込めないと多額の借金を背負ったまま6年前に離婚を申し出た。今も借金返済と自身の生活で手一杯の様子だ。慧子の側に借金は残らなかったとはいえ、長らく専業主婦だったから困窮することは避けられなかった。

 悪いことに、母はそこそこ資産のある実家から結婚時にほぼ絶縁されていた。祖父母、特に祖母は今の時代は女性も結婚しても子供が出来ても仕事を続けるべきだと忠告したが、母がそれを突っぱね、父の要望に従って家庭に入る道を選んだ結果だ。それが完全に裏目に出た。離婚に至っても、言わぬことではない、仕事を続けていればこんなことにはならなかった、何のために有名大学まで行かせたのだと突き放され、実家に出戻ることはおろか、ほぼ一切の援助も拒否された。なお、この理由から離婚時にも旧姓に戻しておらず、「園原」は元夫の名字を名乗り続けているものだ。

 母はどうにか雇ってもらえた地元の食品メーカーの事務職として懸命に働いているものの、至って薄給だ。母子家庭手当も出ているし、一人っ子ということもあってさすがに食うに困るほどの貧しさではないが、なんとか生活できているというしかない。今の中学生には必需品だろうと、PCとスマホを持たせてもらっているのが紗雪には申し訳なく思えていた。母からすれば、自分のせいで娘を苦労させているのであり、このぐらいは当然という認識だったが。

 こんな事情では、学費のかかる私立高など入るのは困難だ。進学先は公立しか選択肢がなかった。紗雪の住んでいる地域には、家から通える公立高校では目ぼしいところがない。彼女が受験するつもりの一番偏差値の高いところだって、よくて地方国公立大への進学者しかいないレベルだ。
 本来なら彼女ほどの優等生にはまるで釣り合わない。しかも彼女はこの経済事情だから塾通いも全くせず、学校の授業以外は自学でやってきてこの成績なのだ。もっとも、親の期待のもとで勉強を強制されない環境が、知的好奇心で自発的に学べる彼女の才能をむしろ伸ばしたのも一面の事実ではある。

 子どもの頃から科学少女だった紗雪には、生物学の研究者になる夢がある。その夢に向けて、大変な道になるだろうがそれでも頑張っていくつもりだった。

 母とは絶縁している祖父母だが、孫に罪はないからと、大学に入って母のもとを離れたら援助を考えてもいいという話を聞かされたことはある。2年前、このときばかりは母と一緒に参列した伯父の葬儀の場でのことだ。だが、それをあてにしていいかどうかは覚束無い。少なくとも母自身には祖父母は絶対に援助しないつもりらしく、仮に紗雪が祖父母の援助を受けるとしたら、それは母との縁を切ることを意味しかねない。だからこの件はまだ母には話していない。

 そんな思いを噛み締めつつも、当番だった掃除を終えて帰り支度をしようとした紗雪だったが、担任の理科教師・山竹俊恵に呼び止められた。


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