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何かが来る
【ファンタジー 官能小説】

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何かが来る-2

何も履かないのは不安です。じっとりと濡れて冷たいのを我慢してショーツを引き上げると、トイレを飛び出しました。
外は夕暮れが迫る、もうすぐ黄昏時。 すれ違う人の何人もが、振り返ってあたしを見るのに気が付きました。
あたしは肩口を振り返って見ますが、別に何かが取り付いているようでもありません。
足を速めて家に帰りました。
玄関のドアを思い切り閉めて、しばらくそのまま、息を整えます。
何事もなく帰ることはできました。
すぐに風呂の用意をしました。
バスルームには大きな鏡が壁にかかっています。
なんとなく、それを見るのが嫌でした。足元を見つめます。≪見ちゃだめだ≫
だめだと思うほど、我慢できません。振り返ってしまいました。
「あ‥」
ショーツの下にスカートが挟まっていたのです。慌てたからでしょう、おしりが見えています。
≪なんだ。みんな思い違いなんだ≫
よごれた体を洗って、湯船につかりました。
あたしは湯船派です。泡の出る発泡系の入浴剤もほうりこみます。
首までつかっていると、ほっとします。
しばらくは泡を吹き飛ばしながら遊んでいましたが、やがて浴槽の縁に首を乗せて目をつぶりました。
≪あたし、慌てて、みんなにパンツ見られちゃった≫ 笑いが出て来ます。
ひじを浴槽の縁にかけ、手のひらを動かして泡を感じます。≪ああ、気持ちいい≫
手足を広げてのびをすると、≪サービスしすぎだよね≫ 
公衆トイレでの感覚を思い出しました。≪勝手に想像を膨らませてたんだ≫ 笑ってしまいます。
こうやって考えてみると、全部が怖かったかというと、なんだか気持ちのよかったときもありました。
≪きっと、あの場所がおかしかったんだ≫ そう思いながら、気持ちのいい泡に包まれて居眠りをしてしまったようです。
変な夢を見ました。 私はトイレの個室に入っていました。帰りの、あのトイレです。
あたしが便座に座っていました。まるで幽体離脱で、過去に移動したみたいです。

―――こんなドアは開ける必要もない。いつでも出入り自由だ。
おしっこの水を打つ音がひびいている。
「いるの?」マイが周りを見て、ささやくように言った。
≪おっと、あたしがいるのがわかるというのか≫
あたしは、ドアをすり抜けると、マイの両ひざに手を掛けてしゃがんだ。
マイはあたしの気配を怖がっている。
顔を見上げ、たくし上げたスカートの下の、足から尻へとつづく曲面を眺めた。
マイはこちらを見ない。この子には気配だけしかわからないのだ。
若い子はいい、なんと言っても肌が細やかで引き締まっている。といっても、この子はまだ幼児体形からは抜けきっていない。
性的にはあと数年熟していくのを待つ方がいいのだろう。
だが、それを待つ気はなかった。


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