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何かが来る
【ファンタジー 官能小説】

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何かが来る-1

中等部へ進学してしばらくしたころのことです。学校帰りでした。初めてそのビルのトイレへ走るように入りました。
ショーツをずらして便座にすわると、ため息をついて足元を見ます。
静かすぎる中におしっこの水を打つ音がひびきます。
≪音、しすぎじゃない?≫ 力が入って、一瞬止まってしまいます。
耳を澄ませます。何もきこえませんが、だれかが聞いているような感じは消えませんでした。
≪いるなら、入ったときにわかるよね≫
「いるの?」
息をひそめて、あたしに耳を澄ませてる? それともトイレを出るのを待ってるの。
戸を開けた途端、はがい絞めにされたら、救けを呼んでも、だれも来てくれなかったら‥
何の音もしません。が、逆に静か過ぎるのが気になるのでした。
様子を感じ取ろうとしてみても何もありません。 それが普通なのです。きっと意識しすぎです。
のぞけるような足元の隙間にも、何の気配もありません。
≪ただの思い過ごし≫ あたしは我慢しきれずに、身を任せます。
ここにたどり着くまでに、ちょっと我慢していたのです。
もう一度ため息をつきます。体をひざの方へ折り曲げると、ドアの下の小さな隙間を見ていました。
我慢していたせいで気持ちよくなっているんだと思っていました。
≪でも‥ ああ、やっぱりのぞかれてる≫
おしりをそっとさわられている気がします。≪便座はおしりでふさがってるのに?≫
その感じが強くなって、 「あん?」変な声が出て、おしっこが途切れそうになりました。
≪どういうこと≫ 訳が分かりません。
≪意識しちゃだめ≫ なのに神経は集中していきます。
≪きっと隙間風が入って来てるんだ≫
気にしないことにしました。  うん、 気にしません。
「きゃん」便座から立ち上がります。今度は確実にさわられています。
≪何≫ まるで、指を突き入れられたような気がしたのです。ただ、すごく柔らかいのです。≪ゼリーの指?≫ 考えたらそんな指はありえません。
便器の中には水が溜まっているだけです。下にも周りにも、だれもいません。一瞬止めていたおしっこが、がまんできずに流れ始め、周りに飛び散ってしまいました。
便座も濡れ、もう一度腰を下ろすことができなくなっています。
中腰でおしりを突き出して、水を打つ、いっそう大きな音を我慢しました。
≪やだ、絶対に見られてる≫ それでも、最後まで我慢しきるしかありませんでした。
ももからふくらはぎの方まで濡れてしまいます。パンストも足にへばりついています。
スカートを背中の方までたくし上げ、ストッキングを脱ぎ、ショーツを足首まで下ろすと、トイレットペーパーを手に巻いて拭いていきます。
内ももから、上へ拭いていると、何かがエッチな所にさわってきました。とろけそうに熟したバナナ?
「ひゃッ」おしりに手を当てて腰を引きました。
おかげで、前のめりにドアで頭をおもいきり打ってしまいました。
目の前が暗くなります。
きっと一瞬だと思います、痛む頭を抱えて、周りを見回しました。
なにかにエッチな所をつつかれたような気がします。
≪だれもいるわけ、ないんだって≫ 言い聞かせ、ぬいだパンストを丸めると捨てました。


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