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ノラ猫 
【ファンタジー 官能小説】

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ノラ猫-15

■オレは頭を抱えて叫んだ。「おまえら全てが屑だ。全部消えてしまえ。全て呪われてしまえ」
≪呪いたい、呪いたい≫すべてを否定して呪うことに力を注ごうとした。
「この女を生贄に捧げてやる。ほしければ悪魔でも何でも出てくるがいい」
願いが叶うという、七色に光る盗んだ石に祈り続けた。
目の隅に影ができた。
「見返りに何を望む」声だけが響いてくる。
≪こいつは妄想か、悪魔か≫ 警戒はしたが、それもどうでもいい、「この世界を変えろ。こんな汚い人間なんか消してしまえ」
「人を消してどうする」
「そうだな。ドブネズミにしろ。今度はオレがそれを喰らう猫になる。所詮、人なんか、そんなものなんだ」
「世界を変えるには生贄が小さすぎる。 よし、すべては相対的なものだ。お前が変われば世界は違ったものとなろう」
「ちょっと待て、おれを変えるな」オレは逃げ出した。

〇おれの目の前に、悪魔が見えます。それはミヤに近づいて行くと、無理やり口付けをしました。
見る間に肌が荒れ、しわが刻まれていくのがわかります。魔につかまれた張りのある乳房がしぼみ、白い肌にシミが浮き出ていきます。
「何をしてる。殺す気かやめろ」
「おまえが望んだことだ。お前はみなをドブネズミに変えたいのだろう」
≪おれが?≫ よくわかりませんが、このままではミヤが危ないことだけはわかりました。
「おれをやる。放せ」
「おまえが死のうというのか、おまえの方が猫に変えられるというのが嫌なのか」
「猫になってどうする」
「皆がネズミに見えるぞ。そんな存在なのだろう」
「もうミヤのを吸っただろう。残りは、おれのをやる。これで一人分になる。おまえだっておれの願いを変えたんだろう。変更しろ。たとえネズミであっても殺していい理由にはならない」
ミヤは何があろうと、小さいころには面倒を見てくれていた人でもあるのです。
「よし、承諾した」魔が近づいてきます。

■「待て、待て 待て」オレはびっくりした。 ≪なにを言ってる。『おれ』は、おかしくなったのか≫
「まて、こんなのはだめだ許さない、その女だけで充分だ。オレを化け物と呼び、殺そうとした女だ。オレには殺す権利があるんだ。バカな悪魔、オレの言うことを聞け」
「イキがいいな。面白い。どの『おまえ』にも自分を殺す権利がある」魔が近づいてきた。
「ばかな」オレは慌ててミヤの後ろにかくれた。 「こいつをやる。こいつのすべてをやるから。オレから離れろ」
ミヤを盾にしても、魔はミヤの中をすり抜けてやってきた。
「残念ながら話はついてしまったのだ」
「けがれた手で触れるな。やめろ」オレは魔に吸い寄せられていった。

〇おれはしばらく動けませんでした。
「どうして助けてくれたの。あなたはもう私を呪わないの?」 ミヤはおれの腕の中で身動きが取れずにいました。 「けど、私だってみんなを呪いたかった。おまえがいたから我慢できてたの」
「おれを食い物にしておいてか」
「そう、それでもおまえはいてくれたじゃない」
「バカバカしい、ただおれが弱かっただけじゃないか」
「ならどうしてすべてを言わなかったの」
「言っても信じてもらえない」
「それでも言っていたら、そしたら何かが動いたかもしれない。 みんな、見ないふりをしていただけなんだから」
「お前たちなんか守ったつもりはない」
「でも、だから私たちは生きてこられたの。それなのにだれもあなたに感謝もしなかった。感謝どころか、なかったことに消そうとした。だから怒っているんでしょう」
分からなくなってきました。「おれはそんな善人じゃない」
≪それなら、俺は、なんだ?≫


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