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ノラ猫 
【ファンタジー 官能小説】

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ノラ猫-16

●俺の意識が戻りました。
≪どうしてこんなことになってるんだろう≫ 裸でしばられ、犯されているおばさんを見下ろします。
その姿にじっと見とれてしまいます。女性の裸にいは、今まであまり縁がありませんでした。
≪だれにされたんだ≫ それから恐怖がわきます。 ≪他人は俺がしたと思うだろう≫ この状況では他に考えられません。
でも俺のものは立たないのです。≪使えないのに、こんなことできるはずがない。俺もこの人と一緒に襲われたんだろうか≫
頭がはっきりしません。周りを見回しても、他に犯人がいる気配はありませんでした。
とりあえず俺はおばさんの紐をほどいてやりました。
「さわらないで」おばさんが叫び、身を離そうとします。
「おまえは何。ほんとうに化け物だったの。 おまえは、猫? 黒ヒョウ?」服を抱えてうずくまっています。
「え?」 窓を見ます。
その反射で意味がわかりました。部屋の中には見慣れない黒い猫が座っていました。
見下ろす自分の手が、黒い毛のモヤに包まれています。 ≪なんだこれは≫手を振ってもそれは消えませんでした。
その動作におばさんが身をすくめます。ひっかかれるとでも思ったのでしょう。「本当に化け物だったんだ」と繰り返すだけでした。
「何を言ってるんですか。」
「なんだか知らないけど、出て行って。 もう出て行って」部屋の隅へ逃れて小さくなっています。
「騒がないで」刺激しないように少し離れました。
「ああ、神さま。この化け物をお祓いください。お祓いください。お祓いください」ネズミのように甲高い声でとなえ続けます。
俺自身が混乱しているのに、その声は頭の中を走りまわり、さらにかき混ぜていきます。
「うるさい、俺はあなたを傷つけたりしません」

■オレは意識を取り戻した。≪くそっ、うるさいネズミだ≫ 唸り声をあげる。
追い払おうとして、そして、オレの中にいるのは走りまわるネズミばかりだ。
≪なんだこいつは≫ 「二ャアァ‥」
他には何もないのに気が付いた。
≪もうごめんだ。≫ 「ニャゴゴゴ‥」
怖くなって、オレは陰に隠れた。
もう出たくない。

●俺は部屋を出ました。
「一体何の冗談だ。神はどこまで俺で遊ぶんだ」 返事を期待したわけではありません。
神は善人じゃありません。ただ物事を楽しむだけです。
もうしばらくすると始発列車が来るでしょう。
しかし、こんな野良猫では、すべての客車が俺を拒絶するでしょう。
しかしそれは今までの生活となんら、変わりのないことでした。


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