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「短編集『O嬢の館』の女たち」
【SM 官能小説】

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第二話 『国会議員の妻・美沙(M225)の潮噴き』-2

 スマホを取り出して、ドキドキしながらサイトの予約状況を確かめました。2週間前に確保しておいた時間は今夜の10時から1時までの3時間です。最大が3時間までなのです。3時間のブースが予約ですべて埋まっていて欲しいと願っていたのですが……。

 愕然として、目を疑いました。
 『M225』が入る予定の部屋、No2のブースのその時間には予約がゼロなんです。普通なら当日の午後くらいから、予約が埋まってくるのです。すでに夜の9時を少し回っている時間だというのに、相手してくれる方がまだいらっしゃらないなんて……。

 熟女、フェチ、ドMの『M225』は人気が無いのでしょうか。美沙はどんなことも拒まないM熟女です。相手の男性にはいつだって大満足してもらっているという確信もあります。なのに、なんて呪わしい不運な日でしょう。

 それでも直前になって、入って来られる場合もあります。
 わたくしは悄然とする気分をなんとか奮い立たせて『O嬢の館』のNo2のキャビンに入って行ったのです。

息が詰まるような狭いカプセルのようなキャビンです。そこでひたすら待つしかなかったんです。でも悲しいかな、10時からのお相手はいなかったんです。

 わたくしは鏡に映すのが恐ろしいくらい、欲求不満の淫らな貌になっていました。あさましい身体が欲求を満たされないで悲痛な叫びを上げて疼きかえっていたんです。

 期待に胸を膨らませて館に駆けつけただけに、ショックも大きかったんです。虚しくて、涙が溢れそうになっていました。

 議員の妻がこんな処で淋しい思いをしているなんて、馬鹿もいいとこっ。そんな自虐的な気分にも苛まれていたんです。

 でも、次に東京に来られる機会は一カ月後しかないんです。更に一カ月も待つなんて、とても耐えられません。

待っていても何も始まらないのなら、行動あるのみ……わたくしは衝動的にとんでもない行動に走っていました。本当はこの館の規則に違反することなのでしょうが、一旦駅前のメインストリートに出て、お相手の男性をキャッチしに行ったのです。



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