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「短編集『O嬢の館』の女たち」
【SM 官能小説】

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第二話 『国会議員の妻・美沙(M225)の潮噴き』-1

(1)
 わたくし、名前は仮に美沙とだけ申しておきます。ある国会議員の妻なのです。

 夫はほとんど東京で呑気にしておりますが、議員の妻は大変な役回りをこなさなければならないんです。地元の選挙区に密着してのお守り役、地元の元締めです。各地域の後援会や各種支援団体の代表とのお付き合い、地方自治体の首長さん方との繋がり、私設秘書の管理、冠婚葬祭への代理出席などなど、家庭のことに手が回らないくらい、本当に目が回るような毎日なのです。

 それに加えて、東京に出向くことも月に数回ございます。いろいろな行事やパーティに夫と一緒に参加しなければなりません。和服の時もフォーマルなドレスの時もきっちりとしたスーツの時もございます。それに合わせて美容院にも行かなくてはならないんです。
 
しかも、いつも小綺麗にして、知性の輝きを失うことなく、だけど柔和な笑顔を作って愛想良くしていなければ、すぐにクレームが殺到するのです。こんな窮屈で損な役割なんて他に考えられません。
 地位も名誉もすべて議員である夫だけが手に入れるのです。

 少し愚痴っぽくなりましたでしょうか。そんな風に思われたなら、どうかお許し願います。

 こんなわたくしには、秘密の性癖を曝け出せて、気分転換の出来る場所がどうしても必要なんです。

 数年前までは新宿のホストクラブで気分を発散させていたのですが、大金をはたく割に満足出来なかったのです。どうしても議員の妻という意識が拭い去れないんです。名前も素性も知られてしまう危険があるからです。

 でも『O嬢の館』という絶対に匿名性が守られ、わたくしがどれだけ羽目を外して日常の鬱憤を吐き出しても安心出来るサイトの店を見つけたのです。

 上京してホテルに宿泊する日だけに限られております。今夜もある大臣の資金集めのパーティに出席して、一人でホテルに戻ったばかりです。夫の議員宿舎にわたくしは泊まりません。地元を離れて、自由な気分を一人で味わえる貴重な時間なのです。

 先生、先生と呼ばれるようになってから、夫はわたくしのことなど目もくれなくなっております。この日ばかりは東京で勝手をさせてもらえるのです。

フォーマルなイブニングを脱ぎ捨て、下着はそのままでロングコートを羽織り、大きなサングラスを掛けて、ホテルからタクシーに飛び乗るのです。

 タクシーに乗った瞬間から、わたくしは議員の奥様、議員の妻、良妻賢母の鑑ではなく、美沙という名の女になるんです。三週間ぶりにあの館で『M225』と呼ばれる下半身だけのラブドールの美沙になれるのです。

 美沙になった途端、コートの下の股間がズキズキと疼き出していました。ヒリヒリするくらい痛いんです。子宮もザワザワと騒がしくなっていました。コートの裾を割って自分で弄るのを我慢出来ないくらいです。


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