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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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電話遊びの日々-1

 ある冬の日、娘から、バイト先のお店のご夫婦に大変お世話になっているとの話を聞いて、お礼に何か送ろうとデパートに行った。

 デパ地下を入念に見て回ったが、結局、名の知れたお店のお菓子の詰め合わせに決めた。発送の手続きをして、家に帰るべく駅に向かって歩いていく。

 『すいません、すいません…』と言いながら道行く人にポケットティッシュを配っている人が並んで立っている。

 (うっとうしいわね…)と思いながら、足早に通り過ぎようとしたが、ポケットティッシュを左右から突き出されれば、何個か受け取ってしまう。

 手を出せば、早くノルマを終わらせようというのか、ここぞとばかり2個も3個も渡そうとしてくる。寒空の中の仕事にいくらか同情もしてしまう。

 帰宅して、数個のポケットティッシュを眺める。

 『おばさんとエッチし放題』、『年増の女ならすぐヤレる』、『熟女はすぐヤレる SEXしたい方必見』…。

 ポケットティッシュとは言いながら、こんないかがわしいものを、行く手に突き出されたぐらいで、安易に受け取ってしまってよかったのかと思う。

 ポケットティッシュに挟み込まれた紙の小片には、いわゆる『熟女』のしどけないポーズの写真に陳腐なコピーが添えられており、電話番号が男性向けと女性向けに分けて記載されている。
 
 若い女の子ならともかく、年かさの女にもここまで引く手があるのだろうか…。ティッシュを配っている人は、いちいち相手を見定めているようには見えなかったけれど、もし、そうではなく、ある程度狙いを絞ってティッシュを配っているのだとしたら…と思うと、なぜか満更でもない気分にもなってしまう。

 ティッシュのコピーからすれば、『熟女』なるものは、安易にそういう関係になれるという位置づけではあるのだけれど…。

 でも、そんな位置づけが的外れかと言えば…。記載されている番号に電話すれば『熟女』と関係したい男と回線がつながるというシステムを前にして、あれこれ思案している自分がいる…。

 わたしはポケットティッシュをランジェリーをしまっている箪笥の奥にしまい込んだ。間違っても夫の目に触れることのないように。

 数日後、身体の疼きは自慰でなだめたつもりが、あのポケットティッシュのことが頭にチラついている。意を決して記載されている番号に電話してみた。

 『お電話ありがとうございます…ただいまお相手とおつなぎして…』

 流れてきたのは自動音声だったが、そのうち見知らぬ相手と繋がれてしまうと思うと、慌てて受話器を置いた。

 そんなことを何度か繰り返しているうちに不意に本当に相手と繋がってしまった。

 「もしもし?」
 「…あ、ご、ごめんなさいっ」

 男の肉声が聞こえて今度も受話器を置いてしまった…。でも、いざ肉声を聞いてしまうと、受話器を置いてしまったことが申し訳ない気持ちになってしまう。

 「もしもし?」
 「もしもし」
 「こんにちは。初めまして」
 「こんにちは…」

 数日も経たぬ間に、会話のコツも覚えてきた。わたしは受話器を握りながら、当たり前のようにショーツの中へ手を潜り込ませ、ぬめり切ったアソコを弄っている。受話器からはクンニリングスを模したようなピチャピチャという音…。

 『気持ちいいですか? 奥さん…』
 『気持ちいいです…』
 『欲しいですか…?』
 『欲しいわ…』
 『じゃあ、挿れてください…って言ってください』
 『挿れて…ください…』
 『…何を?』
 『…お…おちんちん…』
 『…『チンポ』って言ってください』
 『…チンポ…挿れて…ください…』

 オウム返しのような会話をしているだけで興奮が高まっていく。普段絶対に口しない卑猥な単語を口すればなおさらだ。単調な会話しかできない男とは、通話を一方的に打ち切るのも快感だったりもした。

 相手が求めてくれば、受話器を股間に近付け、卑猥な水音を聞かせたりもするようになった。そのような行為が可能となるよう、ソファーに座って通話できるようにと、わざわざ家電量販店に出向いて電話機と電話線のソケットを結ぶコードを求めたりもしてしまった。

 そのうち、自分の電話番号を伝えてきて、通話してくることを求める男も何人か現れた。一人暮らしだから何時かけてきても大丈夫という男もいれば、家族と同居しているから、自分以外の者が電話を取ったらすぐに切ってほしいという男もいた。

 どちらにしても、電話をかけてやり、再び自分と通話できたときに男の歓喜ぶりには優越感をくすぐられた。こちらに通話料の負担をかけては悪いから掛けなおすなどと、こちらの電話番号を聞き出そうとする男もいたが、そのような男とはすぐに関係を断ち切れるところもよかった。妙な下心を持っているかどうかも、声の調子や言葉遣いでなんとなくわかるような気もするようになった。

 男たちは、勝手な妄想を膨らませて、上品で清楚な奥様なのに、性的には欲求不満で、このような電話に耽っている…というイメージを作って、イメージとのギャップに興奮しているようだった。わたしもそのような妄想に沿うように、上品なセレブであるかのような口調で会話をしたりもした。

 とにかくわたしは、見知らぬ男と卑猥な会話をするという行為に、のめり込んでいった。朝、8時過ぎまでに夫や子供を見送ってから、夕方5時半頃に夕食の支度を始めるまで、家にいるのが自分だけのときには、ずっと受話器を握って、見知らぬ男と喘ぎ声を出し合いながら、アソコを弄っていた。 


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