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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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砂ぼこり-1

 最近、オナニーをしても、なんだか前よりも感度が鈍くなってきたような気がする…そんなことをしばらく思っていました。

 寝息を立てている夫の横で、声を押し殺してしていた頃はそんなこともなかったのに、家で一人でいるときにリビングであられもない格好をして指を使っていても、最後は絶頂には達して終わるのですが、それまでの時間がかかったり、途中で気持ちが萎えてしまったりもして。(途中でダメになっちゃうなんてまるであの人みたいじゃないの…でもこれが年を取るということなのかしら…)なんて自嘲したりもしていました。

 でも今日は久しぶりに、なんていうか燃えてしまいました…というか没頭することができた…という方が近いでしょうか。

 今日は強い風が吹いていたのですが、お買い物に行ったときにいちばんお天気が荒れていたみたいで、学校の校庭の横を通りかかったときに急にいちだんと強い風が吹いて、砂ぼこりがもうもうと立ち上がって、思いきりその中に入ってしまったのです。目にも砂粒が入ったみたいで涙があふれてくるし、ホウホウのていで家にたどり着きました。

 お隣の車も黒い車体にうっすらと砂が積もっているようです。買ってきた食材を冷蔵庫にとりあえず放り込んでシャワーを浴びてサッパリすることにしました。ほこりを洗い流して、ボディーソープで全身も洗いました。そのときにどういう訳かしばらく前に男と逢ったときのことが頭の中に甦ったんです。

 男と逢ったときのことが甦ったといっても、男とのセックスのことではなく、事を終えた後ベッドから男とぼんやり眺めていたアダルトビデオの一場面でした。キッチンで男女が交わっているのですが、体位はいわゆる立ちバック…というのでしょうか。シンクの縁に両手をついている女の人を男の人が後ろから責め立てているような構図でした。

 わたしはふと浴槽の縁に手をついてみました。そしてビデオの光景をイメージして感じるところに手を伸ばしてみました。片手を浴槽の縁においてもう片方の手で刺激してみるとちょっとだけいつもと違う感覚を覚えました。でもビデオのように後ろから男の人を受け容れるような体勢には程遠いもので、こんな腰の位置と角度ではつながろうにもつながれないと思いました。

 わたしはシャワーで石鹸を洗い流して浴室を出て、バスタオルで水気を拭きとると裸のままでキッチンに向かいました。家の中を裸で歩くことなどないので、何をやっているのかしら、わたしは…という気持ちとともに妙な高揚感を覚えました。そしてキッチンの縁に両手をついて、ビデオの女の人の姿勢を思い浮かべながら同じ姿勢をとろうとしてみました。

 後ろから突き入れられている女の人は、背中がほとんど床と水平だったようなので同じようにしてみますが、両手両ひざを床につくふつうのバックではなく立ちバックになると、背中を水平にするにはかなり意識してお尻を突き出さないとだめでした。まるで器械体操をしているみたいで思わず『アア〜』と呻き声を漏らしてしまいました。

 足の幅もちょっと開くぐらいでは到底あの姿勢と同じにすることはできず、じりじりと足幅を広げていくとなんとも恥ずかしい姿勢になってしまいました。下半身はまったくの無防備…まさに男の人を受け容れるためだけのはしたない姿勢のようでした。秘部もお尻の穴もまさに丸見えです。シンクの縁につかまっているのが精いっぱいで、とても秘部を愛撫するために手を伸ばすことも、隠すことすらもできません。

 もちろん恥ずかしいからと顔を隠すこともできません。大げさに言えば息をするだけが精いっぱいで、はしたない格好をしながら『ハァ…ハァ…』と息を漏らしてしまいました。窮屈な姿勢から漏らした息でしたが、思いがけずあたかも性感が高まってきたときの息遣いのようで、このまま男の人に後ろから突かれてたい…と思ってしまいました。

 姿勢を解いて秘部に指で触れてみると『え…こんなに?』と思うぐらい濡れていました。身体の中も熱くなっているような感覚になっていました。とは言えあの姿勢のままで自分を慰めるのは難しいので、そのままリビングのソファに移動していつものようにオナニーをしました。それでも頭の中ではシンクにつかまって立ちバックで繋がっているというイメージを保って、ハァ…ハァ…という息遣いも意識して続けていました。するといつもよりもずっとはやく快楽の波が極まってきて絶頂に達してしまいました。

 ビデオの女の人も気持ちよさそうにしており、それはビデオだからそういう演技をしているにしても、気持ちよくなるにはビデオを真似てみるのも間違いではないのかも…なんて思ってしまいました。ビデオでの体位や性戯はビデオ向けのものに過ぎないのだからと、現実のセックスで求める男の人を内心ちょっと蔑んでもいましたが、必ずしもそうでもないのかも…なんて思ってしまいました。

 そんなことを思っているうちに夕方も時間が進んでいます。わたしは慌てて身支度を整えました。

 「今日は風が強くて電車が遅れてさ…」
 「あらそうだったの、大変だったわね」

 シンクの前でごはんの仕度をしていると背中で夫がぼやいています。

 (このままわたしがおもむろにあの姿勢をとったら、この人そんな気になったりするのかしら?)

 「ごはんできるまでちょっとかかるからシャワーでも浴びてきたら?」
 「そうするか。あした退屈な会議があるから居眠りしないようにさっさと寝るよ」

 (さっさと寝るのはいつものことでしょ…)と心の中で毒づいてみるものの、その方がわたしの罪悪感も軽くなります。夫が会議室で睡魔と闘っている頃、わたしは夫以外の男とセックスしているのですから…。

 (今までふつうのバックしかしたことがなかったけど『立ちバック』…いいかも…)


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