阪井泰斗/二度目のマッサージ-5
冴子は左手で、泰斗の体をなぞる。
「今までエッチなこと思ったこと無かったって言ってたけど、あの時はどうしちゃったの？あんなに乱暴なことして」
冴子はそう言いながら泰斗のシャツのボタンに手をかける。
泰斗は何も言うことができず、冴子の行動に身を任せることしかできなかった。
「あたしのせいだ、とか言ってなかった？」
シャツのボタンを外し終え、冴子はシャツを脱がせると、泰斗が身につけている黒のタンクトップをたくしあげる。
「ーーんんっ」
胸板に唇が押し当てられる。
泰斗は胸元に甘い弾力を感じて、腰にビリビリと電流が走る。
「勝手にムラムラしたのに、客にそんなこと言っていいわけ？」
「ん、んん、ダメ…です……」
ぽってりとした唇が押し当てられる度に、泰斗の体がそれ以上の刺激を求めて震える。
「でしょう？乱暴なのじゃなくて、こうやって、ゆっくりエッチなことした方が楽しいと思わない…？泰斗くんのここ、あたしからたくさん触ってあげるのに」
胸板を唇でなぞりながら、冴子はそっとチノパンの上から泰斗の股間に触れる。
「ひっ…ぅ」
泰斗は思わず、ただ触れられただけにもかかわらず、強く、甘い刺激にしゃっくりのような声を出す。
「おっきくなってる」
冴子は泰斗にタンクトップを脱ぐよう促すと、股間に手を添えながら、泰斗の胸板に舌を這わせる。
唇の刺激だけでも強烈だったのに、その舌は凶器のように、泰斗を責め立てる。
もしもこれで、自らのペニスを舐められたらーー
それを想像しただけで、さらに股間に熱が集中した。
恥ずかしくなり、泰斗は右手で顔を覆う。
「かぁいい。泰斗くん、顔真っ赤だよ」
「は、ぁっ」
ちろっと舌先が泰斗の乳輪を捉える。
ねっとりと唾液を含ませた舌の腹が、的確にいいところを責め立ててくる。
「ぅあっ…」
「乳首好きなの？」
「ごめ、なさ……僕、あんまり……経験多く、なくって……ここ、舐められたことほとんど……」
冴子は意外だと思った。
こんなにも清潔感があって、モテそうな男なのに。
やはり彼が言った通り、先日のような行為は初めてだったのだろう、冴子はそう思った。
冴子は唇を離して、泰斗の目をじっと見つめる。
「恥ずかしい？」
「恥ずか……しいです」
「泰斗くん。あなた、強引にあたしにも同じことしたんだよ？」
「ほん……と、ごめんなさ……い」
泰斗の目が潤んでいる。まるで、震えるチワワのようだ。
冴子の胸が、子宮が、きゅん、と疼くのがわかった。
「そんなに戸惑ってるのに、ここは固くなったままなの、やらしーね」
クスッと笑って、冴子はズボンに手をかける。
丁寧に全ての服を脱がせて、泰斗の体をゆっくりと押し倒した。