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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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レナードの覚醒(後編)-9

昔話として伝えられてきた内容から、過去に何度も蛇神ナーガが何度も異界の門を開いてきたことや、女性が淫獄へ拉致されてきた事実を読み解くことができると、賢者マキシミリアンとストラウク伯爵の見解は一致した。
また蛇神の祟りに、その時代の人たちがどのように対応してきたかを知ることができた。
蛇神ナーガの祟りを受け入れ、贄として人を捧げさせる者がいた。

「大陸の各地に語り継がれた物語からも蛇神の祟りの隠されてきた歴史があったことがわかる。その時には必ず蛇神ナーガの加護を信じている者が存在した」

蛇神ナーガが祟り神、信仰しても加護による恩恵は得られない。

「ただし、人を恐怖で支配するために、蛇神ナーガの祟りを人は利用してきた。その歴史が、またこのターレン王国から始まって、繰り返されようとしているのだろう」

神聖教団の教祖ヴァルハザード。蛇神の都の女神官たちやスヤブ湖の女神官。

「蛇神ナーガを滅ぼすことや、穢れから開く異界の門が無くなることはない。蛇神ナーガも神だからだ」
「今まで蛇神ナーガは、花嫁を捕獲することに失敗してきたということですね」
「そう、テスティーノ伯爵。過去に異界の門が存在したした時代の人たちも、愛と豊穣の女神の化身である花嫁を蛇神ナーガに渡すことだけは阻止してきた。スヤブ湖の昔話でも、腹ちがいの妹は山へ逃げ込んだ」
「しかし、繰り返し蛇神ナーガが花嫁を狙うということは、花嫁はまだ婚姻していないということなのでは」
「そうかもしれない。スヤブ湖の昔話では、腹ちがいの姉は湖で妹の身代わりで贄になった。レナードの変化を見て、贄になった腹ちがいの姉が婚姻の相手だったとわかります」
「女神ラーナの化身である花嫁の妹を逃がすことはできたけれど、婚姻の相手の姉の命は奪われた。そして、障気の穢れが少ない地へ、女神ラーナの化身の娘は逃げた。たしかにエルフの王国の世界樹は障気を浄化する力がある。リーナちゃんがダンジョンで世界樹の精霊のドライアドになったのは、偶然じゃないってことだ」
「公爵様、スヤブ湖に異界の門が開こうとしているのは、レナードを狙っているということですかな?」
「虚脱したレナードがストラウク伯爵領へアルテリスと護りの精霊に連れられて来る前に、兆候があらわれていた。さすが蛇神ナーガといった感じはする。レナードが亡くなっていたら、次はマリカのような巫女が女神ラーナの化身の婚姻者となるはずだったのかも」

マキシミリアンは、蛇神ナーガが異界の門を開いてきたと思われる場所をいくつか語り、特徴があることを説明した。

「辺境の森のそばには、ニアキス丘陵のダンジョンがある。辺境の森で開いている異界の障気の影響をダンジョンは受けていない。たぶん吸収して養分にしているのかもしれない。平原地帯のそばには大樹海に囲まれたエルフの王国と世界樹がある。平原地帯を中心として広範囲を支配したユゥ・ルー帝国という国があったが滅亡している。この帝国の滅亡も、蛇神の祟りだと僕は思っている。歴史から考えると、商人の都ルヒャンだってそうだ。神聖教団の本拠地ハユウに近く、奴隷として連れて来られた人たちが混乱のあと独立して自治する都にした。ストラウク伯爵領にも、双子の山の山岳地帯と盆地の底にスヤブ湖がある。双子の山へ昔話の生贄の巫女は逃げ込んだ。障気の影響を受けにくい場所の近くに、異界の門が開く傾向がある。そう考えるとストラウク伯爵領は、条件の特徴として一致する」

ユゥール帝国は女帝ルォリーファと宰相ヴァルハザードが幼帝の後見人として権勢を握ったが、神聖教団の神官の先導する各地の反乱で、宰相ヴァルハザードが討たれ、女帝ルォリーファは幼帝と自害したとされている。

「障気を受け入れない場所を破壊させるためには、蛇神ナーガ自身は異界にいて手が出せないから、人の心につけ込み動かすしかない。護りの力がある土地の近くで、人が集まる土地や他の地域に影響力かある土地に異界の門が開く傾向がある」
「マキシミリアン、じゃあゼルキス王国ではなく、ニアキス丘陵のダンジョンが本当は狙われているってこと?」

ダンジョンの管理をしているハンターギルドの責任者はクリフトフ。ギルドがなければ、ダンジョンは管理者がいない遺跡にすぎない。ハンターギルドの後継者は、子であるプレイヤーとレナード。クリフトフの子たちが呪われた。

「蛇神にとってダンジョンやエルフの王国、双子の山の聖地、大山脈の高地にある神聖教団の本拠地ハユウは、潰しておきたい土地なのかもしれない」
「潰す?」
「レナード、人の住まない忌み地にしてしまうということだ。悪い噂が流れていたり、人が多く亡くなった土地になればその土地の力を引き出す者が近づかないし、護りの力があることに気づかない」

セレスティーヌは大樹海の中で人から忘れ去られた誰もいない、世界樹も焼かれた廃墟のエルフの王国を想像してぞっとした。

学者のモンテサンドは、王都トルネリカが蛇神を信仰する神官たちに支配されていた都であった歴史を知っている。
賢者マキシミリアンが異界の門が開きやすい土地には特徴があるという仮説を聞けば、パルタの都がある土地を隠すために蛇神の都があったと考えただろう。

「スヤブ湖を越えて双子の山に人が来ないようにするつもりということですな。ならば、双子の山に宿る力を引き出せれば、異界の門が開かれる前に祓えることもわかります」
「スト様、なんか、スズメ蜂の巣を家のそばに作られかけてるから、巣を壊して追い払う感じみたいだね」
「セレスティーヌ、僕はアルテリスが説明上手で、すごいと思う時がある」
「ええ、マキシミリアン、私もそう思いますわ」

マリカとレナードは、そうかな、なんかちがうと思って、顔を見合せていた。
レナードは精霊たちの記憶を引き継いでいる。アルテリスやマリカが、虚脱していた自分の介護をしてくれていた事を知っていた。


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