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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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レナードの覚醒(後編)-8

辺境の森で神隠しにあった村娘フェミルの子宮に、触手の先端から粘液が放たれる。蛇のようでもあり、人の逸物のようでもある。フェミルは下腹部の奥がじわりと熱くなるのを感じた。
ぬちゅりと卑猥な音をさせ、触手は子宮から逆流してきた粘液まみれのまま蠢き続ける。フェミルは泣きながら快感の荒波に、また意識が遠くなる。
犯され続ける村娘フェミルの左右の乳房の先端を、咲いた花のように先端を開き触手が吸いつく。

「あうぅっ、ひぅっ!」

村娘フェミルは、恋人に愛撫で乳首を口にふくみ吸い舐め転がされる快感を知っている。フェミルがどうすれば身体が火照るほど感じるのか、怨霊はフェミルの心を感じ取り、責め苛みなぶり尽くす。
開いた触手の内側から生えた蛇の舌のようなものが、ぴちゃぴちゃと村娘フェミルの敏感な乳首を舐めている。
気絶しているか、ひどく脱力している間に見えない障気が肌から染み込むように侵入して、触手に必要な記憶を探り出して伝えている。
どこをどのように愛撫されたら、快感を感じるのかを探り出し、じわじわと心を責め苛む。

アルテリスは感応力が強く、リーナの記憶のなかで神隠しにあった村娘フェミルが責め苛まれている姿だけでなく、フェミルが快感によって抵抗する心を崩されていくのまで感じることができた。
最後には犠牲者たちは異界の柔らかな肉のような壁面などに身体ごと埋め込まれて、快感を感じながら、溶かされて吸収されてしまう。

「ダンジョンのなかで死んだあと、ハンターの遺体が放置されると残らない。生成された魔獣に骨まで残らず食べられてしまうと思われていた。実際はダンジョンに吸収されていた。蛇神ナーガの異界では心が虚脱しきった者は、吸収されてしまうんだと思う」

アルテリスに賢者マキシミリアンは、犠牲者たちが吸収されたことについて考えたことを語った。

「異界の門が開くのは、花嫁を奪うためだけじゃない。異界をこの世界に作ってこちら側の世界を侵食しようとしているんじゃないかって気がする」

障気が流れ込んでくる力が強く、浄化する力がある土地でも浄化が追いついていないために、異界の門が開く前兆が起きている状況だと、賢者マキシミリアンはストラウク伯爵領の状況を説明した。

「この土地に蛇神の異界に通じる魔力の門ができると、せっかくセレスティーヌが作って歩いた結界の障壁が無効化されてしまう。この土地につながりがある大陸の平原地帯には、エルフの王国を盟主にした同盟国がある。大樹海と平原地帯に蛇神の祟り、つまり、異界の門が開く兆候が起こり始めると予想できる。人が多く暮らす国ほど強い影響を受けて、早く事態は進行するだろう。エルフの王国は世界樹の加護があるから無事でも、それ以外の地帯に影響が拡大してしまうだろう」
「見えない障気を、ゼルキス王国のように防ぐことはできないのですか?」
「それだとしばらくは現状維持できるかもしれないが、結界が持ちこたえられなくなったら収拾がつかなくなる。もうひとつの問題は、レナードをダンジョンに連れ帰るのが難しくなる。陸路でしか辺境の森を通過しなければニアキス丘陵のダンジョンまで帰ることができない。レナードを異界へ連れ去られたら、異界化の勢いを止める手立てがなくなる」

賢者マキシミリアンとセレスティーヌは転移の魔法陣という仕掛けを使い、ストラウク伯爵領へ来たことを明かした。
魔力障壁で結界を作ると、ダンジョンへ帰る転移の魔法陣が作れなくなる。

「僕とセレスティーヌは、レナードをダンジョンで待つリーナちゃんのために迎えに来たのかここへ来た目的です。しかし、何もせずに帰って、この土地が異界化するのを見逃すわけにはいきません。この土地を見捨てて、逃げられる場所がダンジョンかエルフの王国だけになるだけです。そうなってからでは手のほどこしようがないですから」

転移の魔法陣でストラウク伯爵領やテスティーノ伯爵領で暮らす人々を、ゼルキス王国へ移住させるにしても、ストラウク伯爵領の異界化を止めなければ、逃げ場がなくなる。

「レナードとリーナの結婚を急いで行っても、今、すでに開いた辺境の異界の門と、この土地の異界の門が開きかけている状況は解決しないでしょう。ねえ、マキシミリアン、まるでリーナの結婚を妨害されているような気になります」
「そうだね、もしかしたら、蛇神ナーガが本当に妨害しているのかもしれないけどね。僕らは、ここで諦めるわけにはいかない」

セレスティーヌは蛇神ナーガの執念深い祟りに恐ろしさを感じていた。そんな、彼女の手を握ってマキシミリアンは励ますように言った。

かつてスヤブ湖で蛇神を祀り、生贄の少女を捧げていた神官がいれば、開かれた異界の門へ女性たちを捧げ、男性たちが精力を取り戻したのは蛇神を崇拝して生贄を捧げたからだと、村人たちに宣言するだろう。
聖騎士ミレイユが見た蛇神に祟られた辺境の村人たちと同じように、満月の夜に村人たちは交わり、生まれた娘を7歳になれば、生贄として神官は捧げ続ける。
そのかわりに神官は加護を受け、触手を手なずけて、道具のように操ることができるようになる。
自分だけは、村人たちとはちがう特別な存在だと思い込むかもしれない。
女神ラーナの化身の娘が、異界へ捧げられるまで異界の門から障気は流れ出し、女性は湖に触手によって引きずり込まれて連れ去られるだろう。
神官は利用され、やがて同じ役目の者に立場を奪われて命を落とすだろう。
生き残る者とは、賢い者でも、力の強い者でもない。変わっていくことができる者である。

「人の歴史は繰り返されるばかりじゃないってことを、蛇神にわからせてやる」

異界の門が開いたとしても、蛇神ナーガは、女神ラーナを異界へ取り込み融合しない限り、追放された異界から出ることができない。
だから、こちら側に蛇神の花嫁の捕獲を補助する役目の者は必ずいる。その歴史を何度も繰り返してきた。


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