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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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レナードの覚醒(後編)-7

「んひぃ、ああぁっ!」

蛇神の淫獄の洞窟は壁もすべて柔らかく湿っている。鍾乳洞のつららではなく、触手が這い出ていて、腕や脚に絡みつき動きを奪う。そうでなくても、立って歩くのもぐにゃりとして歩きにくい。
転倒しようが、全裸で引きずられていても、柔肌を傷つけることがない。
村娘フェミルもずるずると両脚に絡みついた触手に引きずられ、両脚を開かされて、あらわになった牝の花に触手が侵入すると、悲鳴のような声を上げた。
フェミルの牝の花に侵入した粘液まみれの蛇のような触手が、膣壁を蠢くたびに刺激する。

「あひぃ、あぁっ、んひいぃぃっ!」

村娘フェミルは恋人の逸物では感じたことのない人外の快感に、言葉にならないあえぎ声を上げて犯されていた。
膣壁が、侵入した触手を締めつけるように反応するたびに、フェミルは快感に身を震わせる。犯されるのを望んでいるわけではないのに、牝の花から愛蜜があふれる。
気絶して、もう昼か夜かも、自分の名前や恋人の名前も忘れ、虚脱しきって異界に取り込まれるか、怨霊と成り果て新たな犠牲者が来れば、自分が犯されたように凌辱し続けるか。

「そんなことは、この土地の女性にさせるわけにはいかぬ」

僧侶リーナの記憶を共有している賢者マキシミリアンやセレスティーヌは、蛇神の異界で、リーナが見て、犠牲者たちが感じていることや考えているを感じた一部始終を理解している。
辺境の森に引き続き、ストラウク伯爵領のスヤブ湖を中心にした地域に、蛇神の異界へ女性を拐う門を生成されたら、マリカの暮らしていた村も、他の集落からも犠牲者が出る。
マリカはセレスティーヌから、蛇神の異界の記憶を共有してもらった。
ストラウク伯爵も賢者マキシミリアンと伝心の法術を使い、蛇神の異界で何が行われているのか知った。

「リーナというお嬢さんが、レナードと婚姻しなければターレン王国やゼルキス王国だけでなく、大陸で障気に穢れた地に門があらわれるというのもわかりましたぞ。なんとおぞましい。辺境の森で暮らす人々は今、そのようなひどい目に合わされているのですな」
「公爵様、蛇神の異界に連れ去られた人たちを救い出す方法はないのですか?」

マリカの質問にマキシミリアンは、僧侶リーナや聖騎士の試練で生還した参謀官マルティナの姉エルヴィールの例は特殊で、連れ去られたら救い出す手段は今のところわからないと、とても悔しそうに答えた。

「神聖教団の神官たちが、辺境の森やこのスヤブ湖に蛇神ナーガの異界の門が開くことがあると察知することが占術によって予知できていたとしても、異変への対策が見つけられなかったのかもしれません」

セレスティーヌは居間で集まっているレナードをふくめた全員に言った。

「それがわかっていて、神聖教団は俺だけでなく、リーナも辺境やターレン王国の国境地域に派遣したんだとしたら、何を考えていたんだろう?」
「レナード、神聖教団は聖騎士の試練で異界から夜の女王ノクティスを召喚しようとしていなかったんじゃないかと、僕は思っているんだ。本当に召喚したかったのは、自分たちが信仰している愛と豊穣の女神ラーナだったんじゃないかと思うんだ。そのために蛇神ナーガの異界の門が開くとしても、あえて容認して占いに従って計画を立て実行したとすれば、つじつまが合う」
「リーナがどんな目に合うかわかっていていたってこと?」
「アルテリス、神聖教団の命令でシャンリーが辺境の村を傭兵に襲撃させたのかはわからない。ただ、神聖教団は教祖ヴァルハザードを討伐してからは、女神降臨を目指していたと考えられる。そのために聖騎士の試練で今まで何人の犠牲者が出ても、ミレイユが聖騎士になるまで続けてきた。リーナちゃんは神聖教団の僧侶で、レナードは神聖教団の協力者。目的のために、このふたりを犠牲にすることぐらい教団はするだろう」

アルテリスもセレスティーヌから、蛇神の異界の記憶を伝えてもらった。アルテリスも、蛇神ナーガの異界の記憶に衝撃を受けていた。
蛇神ナーガの異界がどのようなものか、
マルティナの姉エルヴィールからの情報で、神聖教団はつかんでいる。

「レナードやリーナがどのような目に合うのかまでは、神聖教団は把握していなかったと思われます。私たちは、レナードやリーナを派遣した理由を神聖教団の神官たちに聞き出すよりも先に、この地を浄化して、異界の門が生成されないようにしなければなりません」

セレスティーヌは、レナードやリーナのことを思いやり、興奮気味なアルテリスに言った。

「そうだね。リーナが連れて行かれたみたいに、気持ち悪いうにょうにょしたものが出てきたら困るもんな!」

テスティーノ伯爵もアルテリスに同意してうなずいた。見た事がない形状の生物が明らかに女性を犯すために襲いかかっていた。抵抗する力がない者を凌辱する悪意を感じた。
どこが急所なのか、まったくわからないのが不気味だった。寸断して身を守るしかなさそうだが、数が多く、出現してきて引きずり込もうとするところが異界の門だとわかるが、急所の本体がむこう側だとすれば、撃退するには消滅させるしかない。しかし、女性の身体にまとわりついていたら、とても困る。女性の身体を異形のものと一緒に消滅させるわけにはいかない。
アルテリスの言いかたなら、気持ち悪いうにょうにょしたものは、かなりの難敵だとテスティーノ伯爵は思った。

「言い伝えの昔話で、女性が神隠しに合うものがありますが、蛇神にかどわかされたのかもしれないですな」
「神隠しとはなんですか?」
「突然、人が消えてしまうそうです。このあたりの昔話ではそれを神隠しと呼んでいます。祟りとして考えられ、神を祀り生贄を捧げることも行われていたと思われます」

ストラウク伯爵は、セレスティーヌに神隠しと呼ばれるものについて説明した。セレスティーヌは聞き慣れない神隠しという言葉と言い伝えを知った。


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