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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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ジャクリーヌ婦人と4人のメイド-8

「自分のために村人たちに犯された母のことを、父は他の男に抱かれても盛りのついた獣のように快感を求めた淫乱な女だと罵り、抱こうとはしませんでした。抵抗もできず、受け入れるしかない屈辱に耐えるには、快感に身を任せるしかなかった。慰めて欲しかった母を拒絶した父とロイドはちがいます。私たちを慰めるように求めてくれました」
「私たちはもう汚れきっているから、男たちに何をされても、お金さえもらえるならそれでいいとさえ思っていました。私たちがたとえ汚されきっているとしても、ロイドは興奮して求めてくれて、お金も払ってくれました。こんな人は他にいないと思いました」

姉妹は義父のジェネジオに犯されて、汚された気持ちから、男性は交わってもそれはその場限りの快感を求めているだけで、自分たちでなくても誰でもいいのだと冷めた気持ちで娼婦をしていた。
ロイドは交わりながら姉妹の名前をたずねてくれた。そして、恍惚として眠りに落ちかけていたふたりの枕元に金貨の入った小袋を置いて、ロイドは話しかけて去っていった。

「リュシー、リータ、他の連中まで気持ち良くしてくれてありがとうな。これで腹いっぱい好きなものを食べてくれ」

姉妹は返事ができないぐらい疲れていたし、眠気でまぶたも開けられなかったけれど、ロイドが感謝の気持ちを口にしたのに心がときめいた。
ふたりは義父ジェネジオから感謝されたことはなかった。また客たちは俺たちは金を払うのだから、娼婦はそれだけの奉仕をするのが当然という態度で、姉妹は交わった相手から感謝されていると感じたことがなかった。
目を覚まして金貨の入った小袋を姉妹は見つけて、顔を見合せた。
ロイドの手下たちに次々と犯されている時は、嫌々だった。義父ジェネジオに犯されている時と同じで、早く終われとしか思ってなかった。
ロイドから犯されていても自分勝手に快感に溺れていただけで、ロイドの手下やロイドを気持ち良くしようと考えてはいなかった。

「メイドになって、ロイドのお世話をするほうが、娼婦として働くよりもやりがいを感じます」
「ほめられたことがなかったので、ロイドに惚れてしまいました。ロイドが、また私や妹を抱いてくれるかはわかりませんが、きっと身のまわりのお世話をしていたら、ロイドは私たちにありがとうって思ってくれる気がします。ジャクリーヌ様、私たちにメイドのお仕事をさせてもらえたらうれしいです」
「貴女たちは、私のメイドになるのではなく、ロイドの召し使いになりたくてここに来たのですね。マーサやミーナもすでにロイドの召し使いです。私のメイドも、ひとりぐらい欲しいものです」

リュシーとリータがフェルベーク伯爵領では義父殺しの罪人だと告白しても、ジャクリーヌ婦人は追及したり、騒ぎ立て咎めたりなどまったくしなかった。
リュシーとリータは捕らえられてフェルベーク伯爵領へ引き渡される事も覚悟して、ロイドに会いに来たのである。

「貴女たちをフェルベーク伯爵に引き渡して、私やロイドに何か得になることがありますか?」

ジャクリーヌ婦人は、姉妹の顔をまっすぐ見つめて質問した。姉妹の目から涙があふれた。

「もう逃げ続ける必要はありません」

ジャクリーヌ婦人はそう言ったあとは黙って姉妹が泣き止むのを待っていた。姉妹が落ち着くと、マーサとミーナを応接間へ呼び、姉妹にメイドの服でちょうどよいものがあるか衣装部屋で試着させるように命じた。
こうして、食堂で行われていたロイド窃盗団の会議に、メイド服姿のリュシーとリータが姿をあらわすことになった。

「あっ、なんだ、リュシーとリータじゃないか!」

ロイドが自分たちの名前を忘れずに呼んでくれたのが、とてもうれしかった。

ロイドが大伯爵として邸宅の主になり、ジャクリーヌ婦人の伴侶となった。
マーサやミーナともよく話し合い、姉妹もロイドと交わっても良いとジャクリーヌ婦人から言われて驚いた。
自分の夫が他の女性にも交わっても、ジャクリーヌ婦人は嫉妬しないのか心配になった。

「ロイドは、女伯爵シャンリーによって逸物につけられたリングに呪われているのです」

ジャクリーヌ婦人から、牡のリングの効果でロイドが肉欲を我慢し続けると、理性を失う可能性があると聞かされた。

「私とメイドのマーサとミーナだけではロイドの事が心配です。貴女たちは、父親との事があるのでロイドの肉欲を受け入れるのはつらいかもしれないけれど」
「ジャクリーヌ様、私はロイド様が相手ならよろこんでお引き受けいたします」
「私もお引き受けいたします。しかし、ジャクリーヌ様は、その、私たちと伴侶のロイド様が交わるのは、本当は嫌ではないのですか?」

妹のリータが、ジャクリーヌ婦人におずおずと質問した。

「貴女たちのほうがロイドに愛されているかもしれないと思うことはあります。ロイドはメイドの貴女たちを使用人とは思っていないところがあります。まるで自分には妻が5人いると思っている気がするのです。リータ、貴女が体調を崩して寝込んでいるとしたら、ロイドは貴女の様子を気になって何度も部屋へのぞきに行くでしょう。使用人のメイドが寝込んでも、貴族の主人というものは他のメイドに寝込んだメイドの様子を聞くだけでも、情け深い人物と他人には思われるものなのですよ」

姉のリュシーは、小貴族と思われる客を相手にした時のことを思い出した。射精が済んだら、素っ気ない態度に変わる。抱くまではちやほやしていたのが、ころっと変わる。ロイドは貴族になっても、そんな貴族らしいことは苦手なのだと、思わず口元がほころんでしまう。

ロイドを禁欲させるのではなく、5人でたっぷり相手をすれば、ロイドの見えない力が強まるのだろうとジャクリーヌ婦人は狙っていた。
メイドたちが愛情たっぶりにいくら交わってもロイドとの子を孕むことがないということを、ジャクリーヌ婦人はわざと隠しておいた。


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