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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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ジャクリーヌ婦人と4人のメイド-7

親衛隊の隊長ギレスは、逆に凶運に踏み込んでいく行動の選択を続けていた。
バーデルの都の虐殺に関与した。その後には、生き残りの者をロイドやホリーを捕らえたように捕縛し、脅して復興の労働者にした。女伯爵シャンリーの親衛隊としてバーデルの都で人々から恐れられる立場となったことで、祟りを受ける条件が整っていく。
先祖が支配者の立場の地主だったザイフェルトでさえも祟りの影響を受けた。
さらに、女伯爵シャンリーに蛇神の像の前でギレス本人は気づいていないが、信仰を誓う儀式が行われた。
凶運を逃れた者と凶運へ踏み込んでいく者との明暗が分かれつつある。
女伯爵シャンリーを、男色家のフェルベーク伯爵と結託して排斥した青年ギレスは、バーデルの都の執政官となる。
しかし、フェルベーク伯爵と青年ギレスは、ブラウエル伯爵と子爵ヨハンネスのように愛し合う伴侶として結ばれることはなかった。

リュシーとリータの姉妹は、レルンブラエの街の裏路地で客を取って暮らしている娼婦だった。
大金を払うと見せ金につられ、ロイドの要求に従って姉妹で一緒に安宿に宿泊してロイドと交わった。娼婦が客と宿泊することはめったにない。宿泊を求めてくる客は、牝の花に挿入する交わりを求めてくる。そうなると子を孕むかもしれないので、リュシーとリータの姉妹は、客と泊まるのをできるだけ避けるようにしてきた。
疲れて眠った隙に、娼婦の姉妹は窃盗団の手下たちに輪姦された。
もしも、ロイドに騙されていなければ、やり逃げする客に刃物で刺されて、命を落とすはずの娼婦たちだった。
リュシーとリータを3ヶ月後に刺し殺すはずだったやり逃げ男は、ブラウエル伯爵領へ来ずにバーデルの都の遊郭で、遊女を殺害して逃げようとした。遊郭から逃げそびれ、親衛隊に処刑される。
娼婦のリュシーとリータではなく、遊女とやり逃げ男の命が代わりに凶運によって失われることになった。

ジャクリーヌ婦人の邸宅には、リュシーとリータを輪姦した14人の手下たちも雇われて使用人として働いていた。
14人の手下たちは、イタズラが親に見つかった子供のように、少し気まずそうな顔をしていた。
ロイドは輪姦した手下たちが去ったあとで、リュシーとリータの泊まっている部屋をもう一度訪れて犯した。
ロイドは約束通り金貨の入った小袋を、疲れて眠り込んだふたりの枕元へ置いて立ち去った。
リュシーとリータは、名前も知らないロイドと再会するために酒場に行ってみたり、路地裏の他の娼婦たちにも声をかけて探していた。股間の逸物にリングを目印にして聞き込みをしていた。
14人に次々に犯され、精液まみれにされたリュシーとリータだったが、さらにロイドと交わって、他の輪姦した男性との交わりよりも強い快感に溺れた。
ジャクリーヌ婦人の邸宅のメイドになれば、ロイドと再会できるとミーナとマーサから聞かされた。邸宅に住み込みで、姉妹で私室だけでなく衣服や食事も提供され、給金もしっかりもらえるという条件もとても良いように思えた。
貴族の邸宅のメイドなど務まるのか不安はあったが、ミーナも酒場娘だったことを聞いて、勇気を出してジャクリーヌ婦人と面談してもらうことに決めた。
娼婦の暮らしをやめて、使用人として働く生活を選んだこと。それがこの姉妹の運命の選択だった。
娼婦はのら猫と同じように、いつも空腹でも、自由気ままで誰に気兼ねすることはない。裸になれば相手が貴族か農夫も関係ない。すっきりして、男たちは金を払って去っていく。
たがいにその場限りの関係が終われば、もう見知らぬ他人と変わらない。
干渉されたり、束縛されることもない。
それが嫌だと思うことは、ロイドと出会うまでなかった。娼婦と客というその場限りの関係以上の関係を、ふたりはロイドに望んだ。

リュシーとリータがなぜ裏路地の娼婦をしていたのかと、面談したジャクリーヌ婦人は質問した。
姉妹はジャクリーヌ婦人にフェルベーク伯爵領の村から家出して来て、レルンブラエの街に流れついたことを語った。

リュシーが12歳、リータが11歳の頃に母親のロザンナは再婚したが、3年で亡くなってしまった。連れ子の姉妹と村人の農夫の義父ジェネジオの3人で暮らし始めた。
義父ジェネジオは昼間は農作業に出かけて行き、母親の連れ子の姉妹に、養ってやっているのだからと夜に欲情すると15歳になった姉のリュシーの体を求めてきた。

「私たちの初めての相手は父親でした」

姉のリュシーは思い出すのも悔しく、そう言ったあと、うつむいて唇を噛みうつむいていた。妹には手を出さない約束だったが、妹のリータが15歳になると、酒に酔ったジェネジオは姉のリュシーが熱を出して寝込んだ隙に、妹のリータを犯した。熱でふらつく姉のリュシーは、夜中に目を覚まして、ジェネジオが妹を犯しているのを扉の鍵穴から見た。妹を助けることができなかった。

「リュシーは、熱があってかわいそうだろう。だから、今夜はリータが姉さんのためにがんばらないとな」

妹のリータが、膝の上で握りしめられた姉の手にそっと手を重ねた。

「母の日記から、父が原因で母が自殺したと知った時、私たちは酔った父親の寝ている隙に家に火をつけて逃げました」

リータがジャクリーヌ婦人の顔を真っ直ぐ、涙をためた目で見つめて言った。
義父ジェネジオは他の村人たちに多額の金を借り、その返済の代わりに妻のロザンナを抱かせた。

「それでこんな遠くまで姉妹で逃げて来たのですね。ところで貴女たちは今、何歳なのですか?」
「私が25歳、先日、リータは24歳になりました」
「復讐を果たしたけれど、今でも貴女たちの憎しみは消えない。貴女たちはロイドに犯されて、憎くはないのですか?」
「父親に犯されていた私たちが、また何人もの男たちに犯された直後でも、ロイドは私や妹を抱き、興奮して求めてくれました」
「お金を払わずにごまかすこともしませんでした」


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