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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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ザイフェルトの修行と厄祓い(前編)-8

白蛇様という昔話がある。
美しい若者と村娘がひそかに恋をした。神の社で交じっているのを村娘に横恋慕している若者か覗き見すると、蛇が村娘の牝の花に頭を突っ込んでいた。急いで娘の父親に見たことを知らせると、猟師だった父親は娘と交わる白蛇の胴体を鉈で切って殺してしまった。殺された白蛇は消えてしまったが、娘の胎内に宿り、娘はその後、いろいろなことを言い当てる蛇神の巫女となり、村人たちは崇めるようになった。しかし娘が何年たっても若い娘の姿のままであったので、村人が気持ち悪がって、娘の一族の家に火を放ったが、娘は白蛇に守られ火の中からあらわれると、山へ去っていったという昔話である。

「蛇と娘が交わる話はいくつもあるが、
男性の逸物の形と蛇の姿形を似ていると思った者がいたということかもしれぬ」

マリカ、フリーデ、アルテリスが顔を見合せた。ザイフェルトは3人がそれぞれ伴侶の逸物を思い浮かべているのだろうとは察しがついたが黙っていた。

「テスティーノ、この昔話はいくつもの事実を隠して伝えられたものだと思う。おそらく美しい若者とは移民の若者だったのだろう。村娘が若者を蛇神の像を納めて拝んでいた建物にかくまってやったのだ。しかし若者は殺されてしまった。蛇の胴体を断ったとはどういうことか、私なりに考えてみたのだ」
「スト様、男の人の股間あれを、鉈でちょん切っちゃったってことじゃない?」
「アルテリス、たしかにそういうこともあったかもしれない。しかし、そのあと娘は蛇神の巫女となった。これはどういうことか、私は考えてみたのだよ。これはターレン王国の歴史の一部を伝えた伝承だろう」

ターレン王国を建国するため、移民たちは蛇神を信仰する神殿があった都、今の王都トルネリカを奪った。
これが若者が神の社に身をひそめ隠れたということにつながる。蛇神の信仰を受け入れた移民がいた。
だが、さらに領地を拡大するために、パルタの都を建造して、断ち切るように蛇神の信仰を弾圧することにして侵略を開始した。猟師と喩えられているのは当時の国王かもしれない。
しかし、蛇神の信仰は娘の胎内、スヤブ湖には残っていた。

「スヤブ湖に伝わる蛇神の神官の昔話は村人たちに、湖へ巫女を沈めさせて贄とさせるほど強い立場で支配していた。知らない知識や技術を人々に教えたりしていたのかもしれぬ。しかし、白蛇様の昔話でも恐れられ排斥される」

他の移民と原住民との戦いが起きた影響で、蛇神の信仰する神官や巫女は排斥された。ストラウク伯爵領でも、人の群れの異端者を排斥した闘争の歴史は残されていた。

「白蛇様の昔話は、蛇神を信仰していた巫女は山へ帰っていった。スヤブ湖の昔話の生きて逃げた妹の巫女も山へ逃げて話が終わる。つまり、山への信仰と蛇神の信仰は合わさって残されたのだろう」

移民たちによってバーデルの都が建造され、風葬地は失われた。蛇神に贄を捧げる風習が、スヤブ湖からも失われる。スヤブ湖に伝わる女神官や白蛇様の昔話はその歴史を伝えている。

「蛇の胴体を断つ、巫女が山へ帰るというのは、いにしえの風習が移民がやって来たことで新しい風習へ変わっていったということだろう」
「スト様、ザイフェルトとフリーデが、もう厄介事に巻き込まれないようにするにはどうすればいいんだ?」

地図をみていたアルテリスが、ストラウク伯爵に言った。

「厄祓いの儀式をする。呪詛返しとも言えるか。昔話を聞いて、ザイフェルトとフリーデは誰か思い当たる者が思い浮かんだのではないか?」
「あっ! ジャクリーヌ婦人」

ザイフェルトは首をかしげていた。
しかし、フリーデは思わず思い浮かんだ者の名前が口に出てしまった。

「なるほど、ふたりの祟りの蛇神の女神官は、ジャクリーヌ婦人ということだ。ザイフェルトは修行がまだまだ足りぬ。フリーデには、アルテリスやマリカほどではないが、力の覚醒が始まっているとみえる」
「力の覚醒ですか?」
「直感力というべきかな。アルテリスは
僧侶リーナという者に出会ったことで自分の持つ力に気づいたようだ。マリカもレナードの世話をしていて護るものを感じるようになってきておる」
「スト様、フリーデさんにも、巫女の才能があるのですか?」
「なければ、カルヴィーノやヘレーネに助けられて、この土地まて来ることはできなかっただろう。ザイフェルトもヘレーネの母親アリーダに助けられた。偶然のように思えるかもしれんが、本人たちは気づいていないだけで、運命を選ぶ機会は与えられている。厄介事だけに巻き込まれて生きているわけではない」

そう言ったストラウク伯爵自身も、ジャクリーヌ婦人にザイフェルトとフリーデの力の覚醒が行われることで厄祓いを行うことで、どんな運命の流れが始まっているのかわかっていなかった。

ジャクリーヌ婦人は知らない。強姦者ロイドは、ストラウク伯爵領で蛇神の石像を入手したことで、蛇神の呪いを受けた者である。シャンリーは、蛇神の石像を持っていてバーデルの都で行った虐殺の儀式を生き延びたロイドに興味を持って牡のリングの試作品を装着した。偶然が必然となっていくことで運命はつくられていく。
ストラウク伯爵が行うのは、水神として崇められた蛇神の信仰と、すべてに神が宿る山の神の信仰の合わさった信仰から生まれた儀式である。
蛇神は生殖の神であり、人の命を贄として奪い捧げることだけが儀式としておこなわれていたわけではなかった。蛇神の神殿では、満月の夜になると淫らに朝まて信者たちが交わる儀式を行っていた。
蛇神は怨念だけで具現化した神ではなかった。人が生殖する快感にまつわる神である。男性の精液や女性の愛蜜も水。
「ザイフェルトは私やテスティーノのように、闘いのなかで命のつながりをつかめるかもしれぬ」
「命のつながりですか?」
「そうだ。ザイフェルト、命のつながりを感じられるようになれば、すごくいいことがある」


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