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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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両性具有の秘術-9

「知らない人のほうが絶対に多い気がする。話しても信じてもらえなそう」
「心や感情があるのは信じてくれないと困るね。特に愛情はね」
「優しさとやましさが、ごちゃまぜの愛情ならいらないわ」
「蛇神ラーガの世界と夜の女王ノクティスの世界。僕らの暮らすこの世界は、どちらでもない」
「今のところは、ね」
「別れてる世界がひとつになろうとしてるんだと思う。ノクティスみたいにミレイユが好きすぎてこっちに来てる気まぐれな女神もいるけど。これも合わさったひとつの世界の在り方だろう」
「蛇神ナーガも?」
「僕はそう考えてみたんだ。ここからが世界の秘密の話になる。蛇神ナーガは花嫁のリーナちゃんが欲しかった。なんで他の人間族の女の子、エルフ族、ドワーフ族、獣人族、魔物娘、たくさん世界には女性がいるのに、リーナちゃん狙いなんだろう。ノクティスがミレイユ大好きすぎだから、それも好みの問題でありえるのかと思って、僕はもう考えるのを止めた。けど、そのあとがおかしい。障気は性別、種族、関係なし。とにかくばらまいているけど、それと花嫁のリーナちゃんが欲しい、それも若い女の子の体じゃなくて、逃げられた心が欲しいのと、障気をばらまくことには、どんな関係があるのか?」
「体だけじゃ満足できない。女の子の身も心も欲しい。さみしがり屋さんなのかしら。今度はお友達がいっぱい欲しくなっちゃったから、ばらまくぞ、世界は僕のお友達でいっぱい、うれしいなって」
「そうだ」
「えええっ、神様なのに、頭悪すぎじゃないかしら!」
「世界中にお友達がいっぱいになると、世界の在り方が変わる。もともと蛇神ナーガはリーナちゃんの心が欲しかった。
お友達をいっぱいにすることが、リーナちゃんの心を支配するのと、同じ目的だとしたら?」
「目的って、こっちの世界とむこうの淫らな世界を合わせるってことよね」
「さて、特別な木の葉が世界に1枚だけあるとしま〜す」
「いきなり、どうしたの?」
「まあ、話の最後まで聞いて。特別な木の葉を隠すとしたら、どこに隠したら見つからないでしょうか?」
「すごい目立つ色をしてるとか、すごく人が乗れるぐらい大きいとか、形が特徴的とか、へんな臭いがするとか、そういう木の葉?」
「いや、いかがわしい感じはない普通っぽい見た目の木の葉だと思って。どこに隠す?」
「それは、他の木の葉がいっぱいある森の中、大樹海とか。隠して自分も見つけられなくなるかもね」
「つまり、そういうことだよ。この世界は愛と豊穣の女神ラーナが強い影響力を持つ世界と考えると、女神ノクティスは剣とミレイユに隠れているけど、女神ラーナはどこに隠れていたか。蛇神ナーガは女神ラーナが欲しかった。でも、見つけられなかったから、異界から出られないでいる。蛇神ナーガが花嫁で欲しかったのはリーナちゃんだ。そこから導き出される答えはひとつしかない。女神ラーナは、リーナちゃんなんだ」
「それ正解なら、たしかに世界の秘密……いやいやいや、それは、ありえない……こともないわね。マキシミリアン、その秘密にいつ気がついたの?」
「賢者の石の錬成でロエルが帰ってきたあたりから。女神ラーナの異界に渡るはずだったのに、こっちの世界の別の場所に行ったっぽい。それもニアキス丘陵って、ロエルが知らないはずの地名を言った。ロエルは生き残りのオークに会ってニアキス丘陵の地名を、ロエルはオークから聞いたと言っていた。つまり、この僕らの暮らす世界が女神ラーナの異界だったってことだからね」
「マキシミリアン、そこまでわかっていたのに賢者の石を使って生成したの?」
「賢者の石の錬成が成功したあたりから絶対に、新しい肉体が欲しかったんだろうね、女神ラーナとしては。リーナちゃんに女神の自覚はない。もし自覚があったら、目立っていかがわしい木の葉になってしまうから。でも、すでにいかがわしい木の葉かもしれない」
「どうして、リーナちゃんがいかがわしいの?」
「蛇神ナーガに人間族の体を奪われて恥ずかしいことをされたのが、女神様はお気に召さなかったのだろう。賢者の石を生成して肉体が召喚された時、死ぬかと思った。儀式の大広間は、リーナちゃんにボロボロにされた。明日、一緒に見に行ってみるか、すごいぞ。蛇神のしもべが具現化して襲ってきても、ノクティスみたいに疾風でバラバラにする気だ。あれじゃ、殺戮の女神ラーナとかに名前を変えたほうが……んんっ……」

全裸で仰向けに寝そべって話しているマキシミリアンの上に、セレスティーヌがかぶさるように抱きつきキスをした。

「マキシミリアン、ひとりで危ない事をしちゃダメ。わかりましたか?」

エルフの王国の姫君だった頃と同じ口調で、セレスティーヌがマキシミリアンに言った。セレスティーヌにどれだけ心配かけてきたのだろう。それでも、伴侶でいてくれるセレスティーヌにマキシミリアンは心の中で感謝して答えた。

「……はい、気をつけます」

この世界の変革の大勝負。最も重要な女神ラーナの駒は、賢者マキシミリアンが持っていた。

ロンダール伯爵は深夜、ようやくメイドのアナベルが目を覚ましたので、安心して深いため息をついた。
「僕の可愛い妹たち」とは、呪術師の一族の当主ロンダールの命を護る女性たちである。もちろん後継者を産む役目を兼ねている。

「お兄様、ステファニーは、とても残念でしたね」
「アナベルを失うよりかはましだよ」

謎の奇病が、ターレン王国では発生している。眠りに落ちて数日すると目を覚ますことなく亡くなる。
ヘレーネの母親やマリカの母親がこの奇病で死去している。
ロンダール伯爵の身代わりになっているアナベルを、この奇病から逃れさせるために、ステファニーを犠牲にした。ロンダール伯爵は、アナベルがこのまま目を覚まさないのではないかと、かなり心配していた。

「お兄様、夢をみました」

アナベルが語り始めたのは、蛇神の異界の話であった。


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