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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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リーフェンシュタールの結婚(後編)-5

ザイフェルトとフリーデは、街にリヒター伯爵が夫婦のために家を用意するまでの間、ひとつの仕用人部屋をリヒター伯爵の邸宅で使い滞在することになった。
人妻フリーデは、エマと一緒にしばらくリヒター伯爵の邸宅のメイドとして働かせてもらうことになった。

ザイフェルトは、リーフェンシュタールのために衛兵たちを訓練する将兵としてリヒター伯爵に仕えることになった。

のちにリヒター伯爵は、隠居してリーフェンシュタールに伯爵の地位や領地を譲った。隠居したリヒター伯爵はフリーデの産んだ3姉妹を「私の孫娘たち」と呼んだ。
リーフェンシュタールがあきれるほど、3姉妹に甘いリヒター元伯爵の側には、いつもエマがいた。リヒター伯爵が隠居したのはエマを妻に迎えるためだった。

「これで私は、身分がない暮らしを満喫できる。ところでエマ、これからは私の妻になってみないか?」
「伯爵様、このままメイドとしてお仕えするのでは御不満なのですか?」
「エマ、もう私は伯爵様ではない」
「では、なんとお呼びすればよろしいのですか?」
「妻になって、リヒターと名前で呼んでくれないか?」
「……リヒター様?」
「そんなに照れなくても、あっ、なぜ泣くのだ」
「伯爵様から、妻と呼ばれる日がくるなんて……私、うれしくて」

3姉妹から「エマおばあちゃん」と呼ばれた未亡人エマは、リヒター元伯爵以外と再婚することはなかった。

人妻フリーデとザイフェルトを客室で二人っきりで話し合いさせることにしたリーフェンシュタールは、カルヴィーノにヘレーネからあずけられた手紙を手渡した。テスティーノ伯爵とストラウク伯爵からの手紙である。
カルヴィーノがリーフェンシュタールの目の前で、手紙を開封して読み始めた。
リーフェンシュタールとカルヴィーノの前世についてヘレーネが気づいていることを、リーフェンシュタールはまたカルヴィーノに話し出せずにいた。

ザイフェルトの滞在している客室では、人妻フリーデが目をとろんとさせて、ベッドの上で全裸になって座りこみ、艶っぽく相貌を傾けている。
ちゅ……はむっ……むちゅ。上唇と下唇を交互についばんでから、隙間をこじ開けるようにザイフェルトは舌を差し入れる。フリーデは拒絶せず、れろれろとザイフェルトが舌を絡めると、フリーデの唾液とザイフェルトの唾液がとろりと滴り落ちた。

「はぁ……ザイフェルト……あっ……ん」

滴り落ちた唾液がフリーデの乳房についているのを、興奮しているザイフェルトが手をのばし、柔肌になじませるような動きで揉みしだく。

(この揉みかた、手のひらのつつみ込む感じ……私はこれがほしかった。すごくいい)

フリーデをそのまま押し倒して、ザイフェルトは夢中で柔肌を貪るように、舌と唇を這わせていく。
フリーデの感じやすいところはどこかを知り尽くしているザイフェルトの愛撫。首筋、鎖骨の硬いところ、脇の下……どこもザイフェルトの愛撫に敏感に快感が走る。
ザイフェルトは敏感な乳首にはなかなか吸いつかず、へその小さなくぼみまで舐める。
それがたまらない。
15歳のシュレーゲルは、フリーデの感じやすいところをじわじわと広げていくような愛撫をする余裕はなかった。ザイフェルトは興奮して下半身のものを屹立させていても、フリーデが快感に反応する様子をじっくりと確かめていくように愛撫を続ける。
ザイフェルトが女性との交わりをおぼえたはかりの頃は、今のような愛撫はできなかっただろう。シュレーゲルは、フリーデから愛撫されることに慣れてしまっているので、ザイフェルトのように手のひらで内腿を撫でまわして、じわじわとと迫るような愛撫はおぼえられないかもしれない。そんなことをフリーデは頭の片隅で考えていた。

「あ……くっ………んんっ!」

ザイフェルトが、乳首をいきなり甘噛みした。フリーデの頭の中で火花のように快感が弾け、もう快感のことだけしか考えられなくされていた。
ザイフェルトは久しぶりに抱いたフリーデの快感に震える嬌声に、興奮が止まらない。乳首を甘噛みした瞬間、弓なりに背中を反らして、びくっと丸く張りのある乳房が震えた。フリーデの乳首から唇を離すと、フリーデにザイフェルトは頭を抱えこまれた。
フリーデの柔肌がしっとりと汗ばみ、撫でると手になじむような心地良さをザイフェルトは感じていた。
フリーデは敏感なわれめの淫核をザイフェルトに撫でられ、刺激が強すぎるのか腰をよじらせる。ベッドの敷布にしわが寄るほど身をくねらせているフリーデにザイフェルトは笑いかけながら、淫核をさらに追いかけるように愛撫し続ける。
鼻にかかった甘えるようなあえぎ声を洩らすフリーデの唇を、ザイフェルトは唇を重ねて塞ぎながら、淫核を指先でこねるようにさらに刺激を強めた。
絡め合う舌先と指先の円を描くような小さな動きが重なり合った瞬間、自分の膣がきゅっと締まって、さらに愛蜜があふれ出したのがわかった。また、ザイフェルトの愛撫で達する瞬間が間近に迫っているのが、フリーデにはわかった。そこで、ザイフェルトの唇が離れ、見つめているザイフェルトの瞳には、自分の淫らに緩みきった表情の顔が浮かんでいる。ザイフェルトに見つめられながら、フリーデはもう、快感の連続に溺れることしかできない。

「ザイフェルト、あぁっ、もう……あっ、ふうぅっ、んんんっ!」

シュレーゲルとの交わりや愛撫ではフリーデは、シュレーゲルの快感の昴ぶりを確かめる必要があった。フリーデは、今は、ただザイフェルトの愛撫に身をゆだねているだけでいい。身も心も、すべてをザイフェルトにゆだねていられる。
フリーデの全身が火照り、柔肌がぞわぞわと粟立つ。

リヒター伯爵の邸宅から、とぼとぼとメイドのエマに見送られて肩を落としながら、子爵シュレーゲルは宿屋に向かって歩いていた。
応接間でフリーデは、夫のザイフェルトを熱く見つめているばかりだった。


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