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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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パルタ事変-4


この空き倉庫に運び込まれ、ベッドの上で、二人の男爵に犯された女性の数は一人や二人ではない。

モルガン男爵が別の少し離れた位置に置かれた広めのベッドで犯しているのは、17歳の娘グローリアと、37歳の母親カテリーナである。

モルガン男爵は、母親のカテリーナに、まだ処女のグローリアの体を丹念に愛撫するように命じて、二人の様子をながめて楽しんでいた。

「グローリア、ごめんね、ごめんね、ごめんね……お母さんを許して」

そう言いながら、目隠しされ手首も帯紐のようなもので拘束されて震えている娘のグローリアに唇を重ね、カテリーナはねっとりと舌を絡ませる。

モルガン男爵は、母親を娘の目の前でベルマー男爵に犯させながら、娘に自分の勃起したものを愛撫させた。

3人の女性を二人がかりで交代しながら一晩中犯した男爵たちは、満足して少し眠り、昼過ぎに女性たちを監禁していた倉庫から解放した。

この3人の被害者をザイベルトが路上で見つけ、あとでモンテサントのところへ必ず訪ねてくるように話しているのを、ソフィアは黙って見ていた。

「最低……絶対に見つけて殺してやる」

ソフィアのつぶやきには、モルガン男爵への恨みと憎しみがこもっていた。

倉庫から出てきて「大通りの食堂で食事と酒でもいかがですか?」とモルガン男爵にベルマー男爵が話しかけ、ゆったりとふたりが歩き出したところを、ソフィアとザイベルトに発見された。

「ソフィア、なぜだ?」

それが、宮廷議会の重鎮モルガン男爵の最後の言葉だった。
斬りかかったソフィアの剣の一撃で頭を割られ、モルガン男爵はソフィアに抱きついて絶命した。脳漿が傷口からこぼれていた。
ソフィアに斬られたモルガン男爵を放置して、逃げ出したベルマー男爵をザイベルトが追う。ザイベルトは、幼い頃から農作業で足腰を鍛えている。

ザイベルトはベルマー男爵が気絶するまで、馬乗りになって上から殴り続けた。顔が腫れ上がったベルマー男爵の前歯が折れて抜けていた。

「モルガンは死んだ、私が殺した」

気絶したベルマー男爵を背負ったザイベルトに、泣いているソフィアが震える声で言った。

「そうか。ベルマー男爵はどうする?」
「こいつらが、女の人を監禁してた倉庫に閉じ込めておきましょう」
「モルガン男爵の死骸も入れておこう」

遠目だが倉庫から出てくるところから、二人には見えていたので、気絶した執政官のベルマー男爵とモルガン男爵の遺体を一緒に放り込み、しっかり鍵をかけて監禁してやった。

執政官の官邸にソフィアとザイベルトは戻って来ると、モンテサントに、3人の女性のおかげで、モルガン男爵とベルマー男爵を発見したことや、モルガン男爵を暗殺したこと、ベルマー男爵はザイベルトが気絶するまでぶん殴り、遺体と倉庫に監禁したことを話した。

(そうか、ベルマー男爵が自分の地位を利用して、小貴族の女性たちを犯していたのか。それでみんな、誰に犯されているのか言えなかったのだな)

夫が王都や伯爵領へ出向して赴任中の間に、官邸や食堂や売店て働いている女性たちの中にも、ベルマー男爵の被害者の女性たちはいる。

気絶していたベルマー男爵が目を覚まして、いきなり頭を割られたモルガン男爵の遺体が薄暗い倉庫の中で目に飛び込んできて悲鳴を上げた。
かなり高い位置に換気用の小さな四角い穴があり、そこに届いたとしても、穴は小さく、そこからは外へ出ることができない。そこから光が入ってくる。昼間は陽光、夜は月明かりが差し込む。
翌日、ザイベルトが水と食糧を持ってきて、目隠しと、木の板に穴を開けた手枷をベルマー男爵にはめると、監禁が続けられた。
光が遮断され、不定期に食事を与えられると、昼夜の感覚や、時間の感覚がわからなくなってくる。
人が完全に隔離された状態で、何もすることもなく数日、数週間、数ヶ月と過ごすと心からの恐怖を味わうようになる。
監禁された者は孤独と戦うために独り言を口にし始める。
不定期に食事や水を与えるのは、ザイベルトが行った。定期的に肉体的拷問をちらつかせることで、慢性的あるいは長期的な精神的なダメージを与えることができる。また殴られるのではという恐怖をベルマー男爵には与え続けられた。
倉庫の中でモルガン男爵の遺体が腐敗していく。臭気を放つ遺体と放置され、また自分の排泄物の臭いも混ざり、そのなかで寝起きする。そこまでいくと、ベルマー男爵の理性が崩壊するまでには、さほど日数はかからなかった。

モンテサントは犯された被害者たちの恨みを晴らすために、まずベルマー男爵の理性を崩壊させた。
その後、モンテサントとソフィアは、監禁場所を衛兵隊の屯所に移送した無惨なベルマー男爵の姿を、被害者の女性たちに見せてやった。

「もうあなたたちを脅かしてきた者はいない。あなたたちの目の前にいるのは、罪の償いで無惨に壊れた憐れな者だけです」

それでも淫らな欲望は消えず、女性の声を聞けば、勃起して、よだれと涙を流している痩せ衰えた全裸のベルマー男爵の様子に、何をされたのか思い出して、吐いたり、震え出す女性が多くいた。

ベルマー男爵は許されざる罪人として、衛兵隊の屯所の敷地で、騎士ガルドの大斧で首を落とされ処刑された。
生かしておいて利用しようとガルドは考えていたが、あまりの理性の壊れっぷりにあきらめた。
このモルガン男爵とベルマー男爵の悪行と、その後の処刑も各地に知らされた。赴任先で聞いた夫たちが戻ってきて、騎士ガルドに感謝して志願兵として加わったり、配下として家族で協力する者たちもあらわれた。
地方の伯爵領へ転居していく者たちは、妻や娘がパルタの都にいると嫌なことを思い出すからという理由であった。
こうしてできた空き家に、ガルドの手下の隊長たちは、兵舎から出て暮らすことができた。ガルドとソフィアは、執政官の官邸で暮らしていた。


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