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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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師匠ロエル-3


この夜、セストは帰ることを止めて、弟子で奴隷や召し使いではなく、弟子で恋人になった。

「はじめてだから……緊張してるだけ……大丈夫」
「俺も、実は、その、初めてなんで」

ぎこちなくふたりで裸になって、セストも感情が高ぶって泣きながら抱きあって、キスをして、愛撫してみた。

「嫌だったら言って下さいね」

セストはロエルの乳房を、手のひらで包むように揉んでみた。
それはとても柔らかくて、乱暴にしたら潰れてしまいそうに頼りなくて、でも、とても手ざわりが良くて。

「んっ……んんっ……あっ!」

ぴくっとロエルが身を震わせたので、はっとセストは手を離してしまった。
少し息が乱れたロエルが、セストに抱きついて、唇を重ねた。ロエルの唇は柔らかくて、気持ち良さに、セストの胸は高鳴りが収まらない。

キスのあと、ロエルがセストの胸板に耳を当て、興奮に鼓動が高鳴っているのを聞いた。

「私のも聞いてみる?」

ロエルの左の乳房に耳を当て、セストはロエルの胸の高鳴りを聞いた。

恥ずかしがりながら、おたがいの股間のちがいを見比べあっていて、おずおずとさわりあってみると、セストがあわててロエルを止めた。

「お師匠様の手で撫でられたら、気持ち良すぎて、その、出ちゃいそうに」
「セストを気持ち良くしたいと思って、撫でたから。念がこもっちゃったかも」

それを聞いてセストは、ロエルを気持ち良くしたいと強く思いながら、ロエルの恥丘のあたりを撫でさせてもらった。
ロエルの股間は、セストのように陰毛が生えていなかった。

「あぅっ、んっ……へんな声、でちゃう、んっ……あぁっ……はぅぅっ……あぁん!」

セストはロエルの股間から愛蜜があふれてきて、手を離すと、濡れた指を見つめていた。

「これは何だろう?」

ロエルは恥ずかしがりながら、セストにさわられたから、気持ち良くて中からあふれて出てきたと教えた。
気持ちがいいと出てくると言われて、もしかして、射精みたいなものかもとセストは思った。

「お、お師匠、俺、うあっ!」

ロエルの手の中で、セストの勃起したものが、ぴくっぴくっと脈打ち、先端から白濁したものが放たれた。

「気持ちがいいと男の人もなにか出る」

手についた白濁したものを、ロエルは匂いを嗅いでみていた。

「私のとはちがう。ぬるぬるする」

翌日、セストは鉱石から金属の素を初めて取り出すことに成功した。

思い浮かべた一番柔らかいものは、昨夜さわったロエルの体だった。

鉱石も、含まれている金属の素も、生きているものみたいに感じられた。ロエルを愛撫したように優しい気持ちでふれていると、それにこたえてくれるように、鉱石は柔らかくなった。

「材料だと思っていたから、セストは鉱石と気持ちがふれてなかった。だから、できなかった。ドワーフ族か、人間族かは関係ない」

セストはものすごく喜んでいたが、ロエルは、自分の体を思い浮かべてセストが鉱石にふれていたのだと思うと、恥ずかしくなってしまって、少し怒ったような顔をしていた。

「どうしたんですか、お師匠様」
「な、なんでもない」

もう一度、コツを忘れないうちにやってみたいとセストが言うので、ロエルは鉱石をセストの前に置いた。

セストが柔らかくなるまで目を閉じて集中して撫でているうちに、鉱石がふにゃりと柔らかくなった。

ロエルは思わず、顔を真っ赤にして、柔らかくなった鉱石をセストから取り上げて、棚にのせてしまった。

「いや、だって、そんな感じに私の体をセストがさわっていたのかと思うと」

セストも、ロエルに恥ずかしがりながら言われると、はっと気がついて、しばらくあれこれ言い訳していた。

やらしい気持ちでさわっていたわけではない、とか、手で撫でている時は気持ちが通じたらいいと考えいるのは同じだ、とか、セストが考えて言い訳するほど、ロエルはそわそわ落ちつかなくなってしまった。

「私のことが好きなのはわかった」

ロエルが爪先立ちになり、セストの頬にふれて、顔を上げて目を閉じた。
セストが唇を重ねた。
すると、ロエルがおずおずとセストの口の中に舌を入れてきたので、セストは気持ち良さに、腰から力が抜けてしまいそうになった。

人みしりなロエルの親友に、マキシミリアン夫妻という人たちがいて、工房にお酒を持ち込み三人で飲んだことがあったらしい。
もし、恋人ができた時のために、気持ちがいいキスのやり方を教えてあげると、マキシミリアン夫妻は酒に酔っていたからか、ロエルの目の前で夫妻はキスをしてみせた。

「それがさっきのキスですか?」

恥ずかしそうにロエルにうなずかれて、セストは恋人だと思ってもらえてると実感して、これもかなりうれしかった。

細工師の一番最初の技を習得したのと、とっておきの恋人のキスをロエルがしてくれたのがひとつの思い出として、セストの心の中に大切にしまわれた。

ロエルが作業するときに黒いワンピースが汚れてしまうことがある。しかし、獣人の都ルヒャンには、服の仕立て屋がいないので、代えは一年に一回、遠出する行商人に手に入れて来てもらっているとセストは聞いた。

布を持っていた行商人から、布と糸を買うことができたので、針とボタンは、ロエルに作ってもらって、セストはひさびさに腕をふるって、師匠のために世界で一着だけの作業着を作った。

ルヒャンでは、ショートパンツが流行っていて、セストが市場ですれちがう獣人娘のお尻や脚を、それとなく見てしまっているのを、ロエルは気がついていた。

恥ずかしいけれど、セストを喜ばせたくて、ロエルは丈の長いスカートではなくショートパンツを、セストに注文した。

出来上がったのは、ショートパンツとエプロンを組み合わせたようなオーバーオールだった。


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