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恋売り。
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恋売り。-4

遊園地の門前。
「乃乃さんですね??」とスマイル。
「ぶっ!!」
撃沈。
わ、笑われた…。
「なんであんた、ホストみたいなことしてんの??」
長嶋は涙目で問う。
「何で乃乃さんはご存知で??」
ひきつる得意のスマイル。
「その喋り方、やめろ。あと、その顔、キモイ。」
しょーっく!!
「な…。んーでさ、何で知ってんの??」
「ってか、あたしの質問に答えれ。」
「はぁ!?」
「あんた、お客になんて言葉使うの??」
「ぐぅ…。」
「とにかく、ドタキャンされた友達の代わり、付き合って。」
そぉ言って、遊園地のチケットを2枚ひらひらさせた。
俺は催眠術にかかったかの様に、それに目を奪われてた。

「あんたはぁぁぁ、この仕っ事ぉぉぉ、気にってんのぉぉぉ??」
「あぁぁぁぁ??なんでへぇぇ??」
「質問にぃぃぃ、答えろぉぉぉ、つてんのぉぉぉ!!」
「まぁぁぁぁ、そうだなぁぁっ!!」
「どっちだよぉぉぉ!?ハッキリしろぉぉぉ!!」
「気にってぇぇる、言ってんだろぉぉぉ??」
「わっかんえーだろぉぉぉ!!」
「今ぁぁぁ!!噛んだろほぉぉぉ!?」
「うるせぇぇぇぇ!!」
「ははははははー…。ぐへっ!!」
急ブレーキに体が前のめり、腹に安全バーが食い込んだ。
「ばーか。」
きつい一言。
「お前が、『ジェットコースターのりたぁいー!!』ってだだこねるから…。」
かなりオーバーに長嶋の真似をして言った。
「似てねーな。そんなんでこの仕事、大丈夫なの??」
「お前に心配されるほどでもねーよ!!」
「あっそ。」
誘ったのは長嶋なのに、素っ気無い。まじで。
「なーなー。」
顔を覗き込んだ。
「腹、減った。」
そう言って、カフェテリアにすたすた歩いていった。
「なんだよ…。」
すかさず追っかける。
「まてよー。」
「あたし、Aセット。」
「あぁ…。じゃぁ、Aセット2つ。」
「運んできて。」
ブーたれながらお金を払い、長嶋を探す。
見つからない。
「どこだよ…。」
向こうの方に植木鉢があるのが見えた。
その奥で、なにかがゆらゆら動いてる。
「いたし…。」
でも、そのまま普通に持ってくのもしゃくなので、後ろにまわった。
「ぅわぁ!!」
「ひゃぁ!!」
予想外の反応。
「ぅわ…。びびった…。」
「いや、ごめん…。」
なんだか普通に謝ってしまった。
そして、控えめにいすに座る。
「なぁ、おめー、お化け屋敷苦手だろ??」
ポテトを食べながら、頷いた。
「なんであんなの入るかわかんないんだけど。」
「スリル感がいいんじゃん??」
俺も自分のポテトをつまんで、口にほりこんだ。お、結構うまい。
「そぉ??」
「んだ。夢がねーなぁ…。」
「夢ならあるし。」
「何??」
「えー…。」
と、手をおもむろに伸ばし、俺のポテトを食いやがった!!


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