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恋売り。
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恋売り。-5

「長嶋!!おまっ!!」
「何??」
なにが悪いの??なんて顔をして見てくる。
「俺、このポテト、残しといたのに…。」
「好きなものは残しとくタイプ??」
「なぁんだよー。自分の食べれよ。」
「あたしのなんか、とっくにない。好きなの、すぐ食べちゃう。」
「あーそっ!!」
「ふ。」
「何笑ってんだよ。」
「なんだよ。」

その後、お化け屋敷に入らせた。
でも意外と怖がってなくて、「案外怖くないわ。」なんてぬかしやがった。
いつしか時は過ぎ…。
ってほどでもないけど、時間が過ぎて、帰ることにした。
「見てよ、後ろ。観覧車。」
「きれーじゃん。」
「『君の方が綺麗だよ。』とか、言うんでしょ。こうゆうとき。」
「まぁなぁ。」
「本心??」
「半分ぐらい。」
「ふーん。」
「乗りたい??」
「ん??うーん…。じゃぁ、最後に。」
切符を買って、乗り込んだ。
意外と人が少なくて、すんなり乗れた。
「夜景、きれー…。」
だんだん上がっていき、絶景ポイントにきたみたい。
「君の方が綺麗だよ。」
「本心??」
むっとして答えたから、ははっと笑った。
「なんだよ。」
つられて長嶋も笑った。
でも、長嶋は口は悪いが、いい女の部類だと、俺は思う。
今日だって、黒いズボンに白のTシャツという格好で、シンプルでいてお洒落だ。
「何??」
「いや。」
「なんだよ。」
あきれられて、笑われた。
「お前、今日、よく笑うんだな。」
「おもしろきゃ、笑う。当たり前。」
今日はよく笑う、ってことは、楽しかったんだな…。
嬉しくなった。
そして聞く。
「じゃぁ、学校、おもろくない??」
ビックリしてる。
「まぁ、そかな。」
寂しそうに横を向いた。
どんどん観覧車が下がってく。
いつのまにか、天辺は過ぎてた。
「なんで??友達??」
「別に。」
「授業??」
「別に。」
「行事??」
「別に??」
「じゃぁ、なに??」
「全部かも。」
「なんだよそれ。」
でも、長嶋は友達とわいわいしてることもないし、授業も寝てるし、行事もさぼる。
「別に、そんなに思い悩んではいないよ??」
一回、口を閉ざす。
「ただ…。何したいかわからないし、何していいのか、わからない。でも、何かしたい…のかな。」
「長嶋…。」
意外だった。
何に関しても無関心で、でも、自分がしたいことをしたいようにする奴だと、思ってた。


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