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インクブス・ゲーム 
【ファンタジー 官能小説】

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インクブス・ゲーム-12

薄暗い中、誰も来ないとみると、ヒカリにのしかかっていった。
そして思いを遂げた。嬉しそうに腰を振っている。
≪うまくやったな≫ 思った時、珍客が現れた。泥人間だ。走り込んでくると、二人につまずいてこけた。
さすがにこれにはヒカリも眠りから覚めて、起きると、目の前のADに犯されているのに気が付く。叫びながら逃げ出した。
ADも叫び声にパニックになって、泥人間から逃げ出した。
俺はもう我慢ができなかった、涙が出るほど笑って、苦しくて息ができない。
≪ああ、いいぞ。最後の日にこんなに楽しませてくれるなんて、神はなんて寛大なんだ≫
逃げた二人を追って休憩室に向かった。
プロデューサーはまだメイク嬢に股間のものをさわられていた。
そこへ泥をつけた裸のマネージャーとADが駆け込んでくる。
そして、アミも休憩室に逃げ戻ってきた。足首には、見せないはずのショーツがぶら下がっていた。そして。部屋の中を見るとさらに悲鳴を上げた。
そこへ撮影が済んで帰ってきた3人が何事かと走ってくる。
カメラマンは部屋に戻ると、ののしりながらプロデューサーをメイク嬢から引き離した。
アミはマネージャーと抱き合って、司会者とADに襲われたと音響マンに助けを求めた。
ADは自分の犯した罪より、化け物が出たと騒いだ。マネージャーまで「見たような気がする」と言い出す。
コーディネーターの男は部屋の隅にうずくまって恐ろしい顔で神に祈っていた。
「インクブスがでた」民間伝承の迷信だと思っていたことが、目の前で起こっているのだ。
もうこの者たちへの興味はなくなった。
あとは珍客の泥人間だ。 なぜかはわかっている。知りたかったのは、誰かと言うことだ。
浴室に行った。
小男が入っていた。
≪ああ、マイの連れてきた子だ。狂暴な狼のような子で、狼ほど馬鹿な子だ。 入り口で落ちたな≫
時々いるのだ。城門の前にかかる短い橋の欄干は高くはない。足を踏み外すと、今は水の少ない時期なので、下は泥沼なのだ。
俺には気がついていないようだった。
泥だらけの服をシャワーで流して、泥を落としている。
やせている割にしっかりした筋肉がついていた。
興味をなくして出ていこうとした時、後ろ姿に感覚が動いた。
≪俺としたことがなんてことだ。 この腰つき、こいつは女だ≫
女はボクサーパンツを脱ぐと、頭を洗い始めた。
胸は小さなふくらみがあるといえばあるようだが、はっきりしない。
それだけでどっちだと聞かれたら男と即答していただろう。しかし下は、男のものはついていなかった。
びっくりしたのは、病気で死にそうな狼といった風の顔が、結構血色のいい子だったことだ。
恐ろしい顔はほとんどがメイクで、それが流れた今は、ボーイッシュなショートボブの女の子だった。
≪ああ、ごめんね。女の子なんだ≫ お詫びに抱いてやることにする。
 たのしませてくれたお礼でもあるし、ここでのおれの生活を台無しにしたマイへの警告だ。機会さえあれば必ず害してやる。
 俺は服を脱ぎながら、小さな声で愛の言葉をとなえた。徐々に大きな声にして、聞こえたと思ったころにはもう心は俺のものだ。


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