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インクブス・ゲーム 
【ファンタジー 官能小説】

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インクブス・ゲーム-1

俺が荷物を取りに城に戻ったのはまだ朝早くだった。
みんなは発作で倒れた城主のエリ卿の葬式の為に、村で泊まり込みの準備をしている。
俺としてはゆっくり高飛びの支度を整えられるので好都合だ。
ここには俺の記念品とカメラがある。それをなくすのは悲しすぎる。
城門の外のバンに荷物を詰めていると、車が一台やってきた。観光にしては時間が早すぎるし、何よりも城主の葬式の日に城なんか開くはずがない。
降りてきたのはショートボブのかわいい子だった。その子どもはテレビで何度も見たことのある、アイドルのアミだった。
水色の上下に、光が当たると薄く虹色に輝くカーディガンをはおっている。
「おはようございまふ」あいさつしてくるのだが。今まで車で寝ていたのだろう、最後の方はあくびであやふやになっている。
微かに透けて見えるデコルテが健康的に感じるが、ゆるく膨らんだ胸元の薄い布をはいでやると、下にはきっと年相応のふくらみと、まだ桜色のものがあるのだろう。
張りとつやのある生足も若者の特権のようなものだ。
スカートのしわの流れから体の線が見えてくる。Y字形の付け根にはほとんど触られた経験もないのかもしれない。動作に無防備さがにじむ。
城の取材。最初、この話があったときには、番組のホステス役がアミだったので承諾したのだ。
運転席から、もっとましな女性が下りてきた。
顔半分を覆うほどの大きなサングラスをしている。 ドアを閉めて、「おはようございます」凛とした声。
「早いですね」
「城の方ですね?  ええ、遅れないように夜中じゅう走りましたから。結局徹夜です」名刺を差し出してくる。
≪ほう、ヒカリというのか≫ アミの専属マネージャーということは、この子も結構期待されているのだろう。
今日が、撮影に来る予定日だった。もともとこの件は俺が担当していた。城主の急で、執事長は断りの連絡をしていなかったのだろう。
≪もったいないけど、今は逃げるしかない≫ あきらめた。
『あなたは蛾。女という明かりに吸い寄せられては、満たされることなく闇に散る』サヤの笑い声が頭にこだます。
やつのあざけりの言葉が耳について、手当たり次第に周りのものを壊してやりたくなる。≪俺は散りはしないぞ≫
そうしている間に、他のテレビクルーがやってきてしまった。
「エリ卿が亡くなられたとは聞きましたが、連絡もなかったので来てしまいました。撮影できますよね」ディレクターの男が心配している。
「そうですね‥」この男も食わせ者だ。本当に心配なら、きのうにでも連絡を入れればいい。
強引に話を進めたかったのだ。この城は、王女の電撃結婚の件で、一躍有名になった。そこを一番に撮りたいのだ。
≪逃げるのを遅らせても大丈夫だろう≫ どうせ城の者はみな村の教会だ、これからひと晩、追悼のドンチャン騒ぎが始まる。帰ってはこれない。
「こちらからも無理を言っている経緯もありますので、続行したいと思っています」 ≪そうだ、簡単にしっぽを巻いて逃げてやるものか≫
「そうですか。よかった」ディレクターの顔が明るくなって、準備のために出て行った。
司会役の男も来て、撮影が始まった。
ホステス役のアミは、若く、活発で、物知らずではあったが、画面の花にはなっている。
あと十年もすればもう少しましになるかもしれない。そんな子どもをうまくあやしながら、撮影は進んでいった。
昼過ぎに撮影はひと段落ついた。
彼らはこれから夕方まで湖を回って、周りの風景や村の様子を撮影する予定だった。その後、城に戻って、夕景を撮ることになっていた。
ただ、アミだけは別だった。夕方までの間、休憩をはさんで写真のモデルをしてもらうのが、城の撮影の許可に関しての条件だった。


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