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王女と王妃を調教する:呪われた王宮〜宿命(さだめ)を負う聖少女の物語
【ファンタジー 官能小説】

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第三十章 呪われた王宮-1

「女王様、バンザーイ・・・」
「アキシニス王国、バンザーイ・・・」

「ディオン殿下、バンザーイ・・・」
「ルナ女王様、バンザーイ・・・」

王宮のバルコニーに二人が立っている。
手を振るルナにディオンは笑顔を見せる。

ルナも天使の微笑みで応えている。
昨日は「過ぎ越し祭りの日」だった。

王国の民衆が熱狂的に声援を送っている。
城の衛兵達も誇らしげな顔で立っている。

あれから五年の月日が流れていた。

アキシニス王国は周辺の国の中でも部類の豊かで強い国になっていた。
穀物は毎年豊かに実り、兵は勇気があって強かった。

悪事を働く者も少なく、民衆の一人一人が王国に対して忠誠心を持っていた。
いや、強いて言えばルナ女王に対する崇拝する気持ちが特に強かった。

女王を女神のように崇拝し憧れた。
それこそ死をも厭わなかった。

ルナ王女は慈しみの心を持って王国を支配し、民衆を束ねていった。
罪を憎み、人を憎まず、罪人に対してさえも優しい微笑みを投げるのであった。

一度改心した盗賊の頭などは、自分を投げ打ってまでも国の警護に努め、ルナ王女が願う平和な国にする事を手伝うのだった。

民衆の襟元を良く見ると太い金の刺繍がしてある服を着ている者が多かった。
これは月に一度行われる「過ぎ越し祭りの日」に王宮へ招待された者だけに送られる服であった。

「ルナ女王様、バンザーイ・・・」

今叫んでいるキエフもその一人であった。

相変わらずの髭だらけの顔をクシャクシャにして、女王の名を呼んでいる。

何故か女王の顔を見ているだけで身体中が熱くなり、忠誠心が涌き出てくるのであった。
そう、まるで恋をしているかのように。


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