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【学園物 恋愛小説】

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想[12・会話]-1

1月の某日、晴れた昼下がりのファミレス前。
CDを買いに行った帰りの暁寿は誰かに後ろから蹴りを入れられ、振り返った。
「よう、暁寿!久しぶりだなっ」
「ってぇ〜…おお、望。元気してたか?」
「ばりばりだぜ!ところで、暁寿。あの、愛する彼女とはどうなった?」
「聞くのか…?」
「何か合ったんだな。別れたか?」
「オレが言う必要は無いんだな」
「そうかそうか。どうせフラれたんだろー」
「お前、びっくりするほど当たるな。当たりすぎて悲しくもねぇよ」
「まじで?悪いな、思い出させて…。まさか、好きな奴出来たなんてオチじゃねぇだろうな」
「お前はオレの守護霊か?いつでもオレを見てるのか?」
「ビンゴ!」
「喜んでんじゃねぇよっ!」
「ゴメン、つい嬉しくて。…で、なんでそうなったんだよ」
「ウキウキだな」
「人の不幸話は最高に楽しいからな!」
「…はぁ。オレが寂しい思いさせたんだよ…。オレと違って、ありのままに想ってくれる奴がいたんだとさ」
「ほぅ。暁寿、よく冷静でいられんなぁ?俺だったら絶対逆ギレしてる」
「したよ、家で」
「家で?」
「女の前で格好悪い真似出来ねぇじゃん」
「相変わらずプライド高ぇな、絶対傷付いてるくせに強がっちゃって」
「もう突っ掛かんねぇよ。その通りです」
「やった!」
「正直、相当キツかった。全部を責めて、何も認めたくなかった。けどな、それなりに主里も傷付いてんじゃないかって思ったんだよ。別れの言葉言うのだって、やっぱ勇気のいることだろ?きっと、言った後だって…。オレは、分かんねぇけどな」
「大人だなぁ、暁寿は」
「まぁな。今は大分癒えてきてるよ」
「そっ。ん、CDじゃん。お前何買ったんだよ!」
「わっ、馬鹿!勝手に開け…ちょ」
「失恋ソング全集…って…」
「見んなよ…」
「…プライド高ぁ」


同時刻、主里の部屋。
「未宇ーっ、人の机の中あさんないでよ」
「いいじゃん、いいじゃん。何が出るかな♪何が出るかな♪フフフフン」
「ちょっと、未ぃ宇ぅ」
「フフンフ…」
「未宇?何が出てきたの?」
「何も………コレが」
「…暁寿の写真」
「主里、ごめ」
「ねぇ、未宇。私、暁寿のこと傷付けたよね」
「うん…」
「あの時、私は自分のことでいっぱいいっぱいだったの。最近になってから、やっと相手のこと考える余裕が出てきたんだ。暁寿は、私に当たったりしないで、きっと自分の中で整理付けたんだと思う。辛かったし、泣きたかったんだろうけど、たぶん誰にも弱みを見せてないと思う」
「うん」
「プライド高いから…」
「ふっ、そうだね」


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