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僕の会社の淫らな先輩
【OL/お姉さん 官能小説】

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(最終話)解かれることのない先輩との関係-2

「冷たいお茶の方がいいね」

暑そうに上着を脱ぎながらソファーに座る俺に、クスクスと笑いつつお茶を差し出してくれた。

隣に座った時任先輩が口を開く。

「来てくれると思ってた。生理がなくて、少し前に検査してわかったの。佐田くんにはもっと早く言うべきだったね」

「あ…の…俺との子ですよね…?」

どきんどきん、と動悸がひどい。
これは、ここまで素早く向かったせいだけではない。

「うん、夏に佐田くんとした以来、この間久しぶりだったからね。間違いなくそうでしょう。夫にも伝えたから」

「そ、それは…旦那さんは…何て…」

「ん?びっくりしてたけど、そういうことか、したたかだなって笑ってたよ」

「した…たか…」

俺は、気づいてしまった。「セックスが気持ちいいということ」以外に俺と体を重ねる理由ーー

「あたし、佐田くんが思ってる以上に残酷なことしてたの」

先輩は…

子供が欲しかったのだ…

俺の目の前がぐるぐると回った。

「高嶋さんのことでわかってると思うけど、もし他の人とする場合は…避妊してた」

つまりその子供の親は、もちろん左遷された秀次でなく、「避妊してた」他の男でもなく、俺でなくてはならなかったのだ。
何故。何故俺だったのか。

時任先輩は俺の頬に指先を這わす。
今にもキスしてしまいそうな顔の距離だった。
時任先輩は、じっとりと俺の顔を見つめた。
だが、俺はその状況に歓喜できるはずもなく、青ざめていただろう。

「佐田くんがあたしのこと好きだって知った時…小菅くんに無理やりその気持ちを暴かれた時…同情したの。
ずっと内緒にしていこうって思った気持ちをこんな形で暴かれたら絶望でしかないって。あたしもーー誰にもこんな辛い気持ち、打ち明けたくなかったから」

「それ…は…」

「あたしは、夫が好きなの。ずっと。彼がゲイだと知っても、手さえ繋げなくても好きなの。
彼にこんなこと、絶対言えない。彼との関係を壊しくたくない。今、初めて人に言った。認めたくなかった…」

先輩の目から涙が溢れ出していた。

先輩は話し出した…
たまたま、仕事で新橋に行った日の夜、酔った数人のサラリーマン風の男に、道端で絡まれたことがあったと。
路地に引き込まれそうになったところを助けてくれたのが彼だったと。

見て見ぬふりをすることもできたのに、咄嗟に助けてくれた彼に一目惚れをした時任先輩は「お礼がしたい」という名目で連絡先を聞いたのだという。

何度かメールでやり取りをし、食事する時間を作ってくれた彼に、脈アリなのだろうかとときめいた。
そして、食事をした際、彼が大企業Sの役員であることがわかり、自分は下請けで働いていて、運命のようなものさえ感じた。

役員だと知った時任先輩が態度を改めず接してくれたことが彼の信頼に繋がったらしく、その後も何度か会う機会があったらしい。

だが……


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