先輩との別離-2
「ちょっと色々ゴタゴタして、メンタルやられてただけ。なかなか飲みに行く気になれなくてさ。朝美ちゃん、心配してくれてありがとね」
そんなとき、インターフォンが鳴り、金治がやって来た。
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酒が進むにつれ、思ったよりもギクシャクせずに真由美は過ごすことができた。
金治も気を使っているのだろう、気まずそうな空気をなるべく出さないようにしてくれている。
朝美も、三人の空間が久しぶりで楽しかったようだ。
前回同様、真由美の家で飲んだ時のようにソファーで眠ってしまった。
それに気づいて、真由美は寝室にひざ掛けを取りに行った。その時だった。
「先輩」
ベッドサイドにあるとわかっているひざ掛けを取りに行くのには、ドアを開けっ放しにすれば入ってくる廊下の明かりと、寝室の二色光で十分だった。
急に暗がりで声を掛けられ、真由美はビクッと体を震わせる。
「わ…びっくりした、どうしたの」
振り返ると金治が立っている。
金治は、ゆっくりと扉を閉めた。
金治のその行為に、真由美は思わずベッドに尻もちをつくような形になった。後ずさりしようにも狭い寝室だ。
金治が何故ここにやってきたか…大人ならわかる。
「佐田くん、ダメ…だよ…?」
じりじりとにじり寄るように、金治が真由美へと向かってくる。
「ーーあ」
そう言った刹那、真由美の体はベッドに沈められる。
「…ダメだよ」
「俺のことが気に食わないなら、秀次みたいにどこかに飛ばしてくれた方が楽です…」
「そんな風に思ってないんだから、できるわけないでしょ。いじわる言わないで…?」
この状況下に置かれてもそんなことを言う真由美の態度に、金治はため息をついた。
パーカーの下に着ている真由美のTシャツをたくしあげ、背中に手を回すと手早く下着のホックを外す。
「やっ、ん…」
久しぶりの感触を楽しむように、優しく、ふにふにと両胸を揉んでいく。
薄明かりの中で、乳房が揺れていやらしい。
「朝美ちゃん、風邪引いちゃうから……ぅっん…やめて…こんなこと。ダメ」