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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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深夜のオフィスで (1)-1

「パパごめんなさい。今日帰ったら報告したいことがあります」

 ゆきからこんなメッセージが届いたのは、慌ただしい年末年始、そして一月が終わり、二月も中旬に差し掛かったある日の夜だった。
 今さらZやFと何があったって驚かないが、あらたまってどうしたのだろう。先に帰宅していた私は家事育児のもろもろを片付け一足先にベッドに潜り込み、ゆきの帰りを待った。

 巨大掲示板の「美人広報スレッド」と、素人掲示板の「人妻ゆきのスレッド」の巡回チェックをしていると、ゆきが帰ってきた。ガタゴトと帰宅後のルーティーンをこなし、シャワーを浴びる音が聞こえてくる。

 今もゆきは、両サイトでネット民たちのオナニーのおかずにされている。とくに昨年末、ゆきのアナルヴァージン喪失動画が投稿されてからというもの、素人掲示板におけるゆきの人気は過熱気味でもはや発狂と言っていいレベルである。当たり前である。清楚な女子大生が年上の男に若い性を蹂躙され、人妻となってまた同じ男に今度は肛門貞操を奪われる、その一部始終を無修正動画で追いかけられるのだ。何も知らぬ本人がシャワーを浴びている今も、スレッドの閲覧カウンターは更新するたびに上がり続けている。極めつけはサラリーマンの男も交えた野外3P、アナル中出し、ダブルお掃除フェラである。スレ住民たちはゆきを「女神」と崇め奉り、ゆきの画像のあらゆる場所に射精しては、せっせと「顔射画像」を投稿していた。

  *

 私はといえば、実はなんと、まだゆきとアナルセックスできていない。

 理由は二つある。ひとつは年末、今晩いよいよゆきとアナルセックスという日――すなわちゆきとFのデート二日目――に、祖父母宅にあずけていた我が子が発熱し、対応に追われていたこと。ゆきはちょうどFとの最後のセックス中だったが、直ちにデートを切り上げ病院に向かってくれた。
 子どもは幸いにもほどなく全快したものの、しばらくはアナルセックスはおろか通常の夫婦の営みすらできず、ドタバタのまま新年を迎えることとなった。

 二つ目は、これはより直接的な理由だが、私が軽度のインポになってしまった。性欲はあるし、妻の不倫動画でオナニーもできる。フェラチオやペッティングで勃起もするのに、いざ挿入というところで萎える。
 多忙な年末年始に加え、仕事でも若干ストレスフルな日々が続いてはいた。そこへ来て、初めてのアナルセックスを前にしての緊張が重なった。以前一度失敗した経験や、過去の乏しい女性経験における幾度かの「緊張萎え」がフラッシュバックすると、焦りからますます勃たなくなる。
 短小早漏の仮性包茎インポ夫――情けない現実に自信が揺らぎ、さらに縮こまるという悪循環である。

 昨年末のセックスおあずけ事件から数えてもう約二ヶ月、妻とはセックスしていない。アナルセックスどころの騒ぎではなかった。

  *

 ゆきはそんな私にも変わらず接してくれて、夫婦仲は良好なままだった。FやZとは時折会っているようだったが、私に遠慮してか、報告はなかった。
「最近デートしてないの?」とか「よそで済ませてきてもいいからね」などとカマをかけても、曖昧に笑ってはぐらかす。私たちの間では、もはやゆきが他の男と関係を持っていることは隠すまでもないことだったが、はっきり肯定して夫を傷つけたくないという人妻としての心遣いなのか、あるいは「匂わせ不倫」で夫を嫉妬させたいといういたずら心か。
 ともあれ私は、外で男に抱かれてきた人妻のフェロモンに興奮し、匂い立つ花びらに肉棒を突き立てる――つもりが、いつの間にかしぼんでしまうのだが、ゆきは決まって、「大丈夫だよ、パパ。気にしないで」と優しくキスして慰めてくれた。

「ゆきはパパとこうしてぎゅって抱き合ってるだけで幸せ」

 妻の言葉に嘘はなかった。
 なにしろ身体だけならZやF相手に十分満たされているはずのゆきが、わざわざ役立たずの夫のペニスにも奉仕してくれるのだ。挿入は叶わぬことと知りながら、手や口を使って射精まで導いてくれる。私もお礼に妻を手淫、口淫でオーガズムへ導く。そうやって二人満足したら、抱き合って眠りにつく。

 夫の不能の中にあって、私たちは仲睦まじく安定した夫婦生活を送っていた。だからこそこの夜のゆきの「報告」は、まさに青天の霹靂だった。


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