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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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自慰-5

「…………っ!」

 下腹部に異物感を感じて目が覚めた。
 寝ぼけた頭でも、Fが後ろから入ってきたのがわかる。熱い。

 今は何時だろう。まだ深夜かもしれないしすでに昼かもしれない。窓の締め切られたラブホテルならではの、時間感覚の欠如した目覚め。下半身に重く響く掻痒感が、夫ではない異性と性行為をしているという事実のみをゆきに突きつける。

 最初は付き合うなど考えられなかった男と、その後恋人となり、二十年後の今またこうして不倫関係を結び、全裸で寝起きのセックスをしているのは不思議な感じがする。
 夫の許しを得たとはいえ、昨日からすっかり恋人同士に戻り愛し合い、夫と約束した大切なアナルヴァージンまでこの男に捧げてしまった。
 夫以外の異性と過ごす久しぶりの夜に高揚したのか、まどろんでは起きてを繰り返した。大学時代のほろ苦くも懐かしい想い出に浸ってしまったのは、ゆきにとって少々予想外のことだった。

 Dは今どこで何をしているのだろう。細々と続いていた楓とEとの交流も、彼らの卒業とともにフェードアウトした。楓への敬慕の念は今でも変わらないが、自分は二人の前に姿を現してはいけない気がする。風の噂で、二人が結婚したことを聞き、少し安心した。
 Cとは別れて一年後となる大学二年の夏休みにまた会っている。ゆきも自分の生活ペースを完全に取り戻していた頃で、フリーの身となっていたこともあり、帰省中に何度かホテルで男女の行為を楽しんだ。

 私を起こさないようにか、Fの陰茎の抽送は静かである。その分、亀頭の張り出した部分がゆきの膣襞をねっとり押しつぶしてくる。身体の芯から濃厚な蜜が滲み出る。初めて男を知ってから約二十年、さまざまな男のさまざまなペニスで開発されてきたゆきの性感帯の一つひとつが丁寧に刺激され、甘い吐息が漏れ出てしまう。
 男の亀頭と自分の子宮口がキスするたびに、丸い乳房が微かに揺れる。我ながらいやらしい乳房になってしまったと思う。Fは先端のぷっくり膨らんだ蕾を優しくつまみつつ、乳房全体を揉み転がす。昔の「微乳」しか知らぬ男が今の乳房に夢中になっているのを見ると、嬉しくも恥ずかしい。

 短期間に燃え上がり、消耗した挙げ句に悲惨な末路を辿ったDとの苦い経験で学んだおかげか、Fとはどんなに夢中になっても自分を見失うことなく付き合えた。
 エリート社会人の恋人を持つ美人女子大生として、ファッションもメイクもみる間に洗練されていく表の顔と、身体中のすべての穴から汚らしい液体を垂れ流す雌豚性奴隷の顔を、ゆきは見事に使い分けた。
 精液便所として、ベッドの上のみならず、高級外車の中で、カラオケボックスで、公園で、公衆便所で、路地裏で、ビルの非常階段で、観覧車で、ビーチの岩場で、ありとあらゆる場所で花びらを開き、男根に奉仕した。新人OLとなり、自らが働くオフィスのトイレで、当時密かに想いを寄せていたOがすぐ近くで仕事をしている状況でセックスしたこともあった。

  *

 Fがペニスを抜き、とろりとした液体を肛門に塗りたくっている。そして、あぁ、またお尻に生チンポが入ってきた。気持ちいい。

「ん……ぁふん……」
「おはようゆき。どうした?」
「……何、してるの……?」
「何もしてないけど?」
「……嘘つき……ぁはん……! あのね……お尻の穴が……気持ちいいの……」

 お尻の穴でエッチするのがこんな気持ちいいなんて知らなかった。すごく恥ずかしいのに、下半身が熱く疼いて切なくて、気づくとお尻を突き出してる。パパとも早くしたいな。先にFくんと――それからあの知らない人と――してしまったのは申し訳ないけど、黙っていれば大丈夫。バレっこない。帰る前にドラッグストアで浣腸を買って、どこか清潔なトイレで、中に出された精子を全部出しきらなくちゃ。帰宅すれば明後日まで、パパと二人きり。久しぶりにホテルに誘ってくれないかな? そういえばパパとはラブホテルってほとんどいったことないな。私から誘ったら喜ぶかな、それとも引かれちゃうかな。楽しみだな。幸せだな。

「昔を思い出しちゃう。寝てるゆきに勝手に入ってきて……」
「寝てるのに濡れちゃう体質、変わらないね」
「Fくんだって寝ながら硬くなってたし」
「寝起きのフェラ最高だった。またしてよ」
「もう起きちゃったからできないもん」
「じゃあまた寝よう? おやすみ、チュ……」
「チュ……もう! ところで今何時?」
「朝の七時」
「帰る支度しなきゃ……あはんっ! だめぇ……」
「だめ?」
「だめ」
「なんで?」
「だって……気持ちよくなっちゃうからぁ……ぁあん……!」

 男に媚び、甘えきったゆきの嬌声が響き渡る。

 お互いに家庭を持ち仕事も多忙な二人。次は一ヶ月後かもしれないし、もっと先かもしれない。年末のラブホテルの一室で、二人はいつまでも飽きることなく男女の営みを楽しんだ。


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