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香澄の本性
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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帰り道の秘密-5

「どうだ?自分が置かれている状況がわかったか?」
浩二が香澄の顔の近くにナイフをちらつかせながら小さな声で言った。
「まあ、別に大声で騒いでも構わないんだぜ。
 ただ、この時間、学校には生徒はもちろん、教師ももういない。
 おまけに、案外このまわりは人通りが少なくてな。
 駅から家に向かうやつらはほとんど7時過ぎには帰っちまうんだ。
 8時ごろになると、悪い奴らがうろつくっていう噂がなぜか広がっちまってな。
 近頃じゃ誰も通りゃしない。
 なぜか警察もパトロールをしないらしくてな。
 なんでも、警察に対して強い力を持っている人が上の方に話をしているらしい。
 若い男の欲望を解放するための場所があってもいいだろうってな。
 ま、それでも騒ぎたきゃ騒ぐんだな。
 声が枯れて疲れるだけだがな。」

香澄には浩二の言っていることが嘘だと分かっていた。
警察のパトロールは、今でも行われている。
ただ、その時間帯は夜の10時以降となっているのだった。
浩二の言う通り、帰宅する人たちの人波は7時過ぎに途絶える。
8時台にはほとんど駅から人は、この住宅街に入っては来ない。

終電間際の時間帯に帰宅する、夜の街に勤める女性を狙っての性犯罪が続いたため、
パトロールは10時以降に行われているのだった。
つまり、このレイプ犯たちは、そうしたことも熟知した連中だということだ。


香澄自身、ほとんどこの時間帯にこの道を歩いたことはなかった。
街灯も少なく、人通りのほとんどないこの時間帯に、
この公園に連れ込まれでもしたら、誰にも気づかれることなく、
犯罪者たちの思うままにされることは周知の事実だったからだ。

それがわかっていて、
なぜ香澄はこの時間帯にこの道を通って家に帰ろうとしたのだろう。

公園に寄ったのは、明らかに身体が直接的な愛撫を求めたからだった。
しかし、香澄自身が何かが起きることを期待して、
人通りのない、ひっそりとしたこの公園に脚を進めさせたのもまた、
偽りのない事実であったかもしれない。

「奥さんよ。そろそろ覚悟はできたか?」

なんの覚悟だろうかと香澄は思った。
身体を傷つけられる覚悟だろうか。
それとも、無理矢理に身体を犯されるという覚悟だろうか。

香澄にとっては、予定の時間には帰れないのだという覚悟が、まず最初にあった。
雅和も、そして真奈美はもとより、
来客として我が家に泊まることになる征爾や敏明、そして潤一も、
自分が予定の時間になっても帰らないということを心配するだろう。

香澄は浩二と呼ばれる男に言った。
「ねえ。お願い。帰してちょうだい。
 夫と娘、それに、お友達が家で待ってるの。遅くなると心配するもの。」

そう言う香澄の声はいつの間にか涙声に、そして叫び声になっていた。
「だったら、予定よりも遅くなるから、とか、家に電話でもすればいいだろう。
 お前、そんなことが気になっていて、他の大事なことはどうでもいいのか?」
浩二は冗談半分に、家に電話をすることを勧めた。
「本当?本当に、家に電話してもいいの?」

香澄の、あまりにも警戒心のない返事に浩二は気を削がれそうになった。
「この女、舐めてるのか?よし、わかった。電話はさせてやる。
 ただし、レイプの真っ最中にな。旦那に実況中継でもすればいいさ。
 それまでオレが預かっておいてやる。ほら、お前のスマフォを出せ。」

「どうして?なんでなの?」
香澄は泣きながらバッグからスマフォを取り出して男に渡した。
「近頃は位置情報なんとかってのがあって、
 GPSかなんかを使って、スマフォの場所がわかるらしい。
 お前の旦那か家のものがそんな機能を使ってこの場所がわかっちまったら、
 オレたちの楽しみが減るからな。
 お前にはしばらく行方不明状態になってもらうさ。」
そう言って男はスマフォの電源を切り、ベンチに置いた。

「ねえ、何が望みなの?お金?お金だったら、あげるわ。
 今は手元にないから、明日必ず、渡すから、ねえ、このまま帰して。」
「お前も往生際が悪い女だな。」
「ねえ、だったら何が望みなの?」
「オレたちの望み?簡単なことだ。
 お前のその身体を弄んで、楽しませてもらうことさ。」

「わたしの身体を弄ぶ?わたしをレイプするっていうこと?」
「レイプ?まあ、最初はそうかもしれないが、
 途中でお前の気が変われば、それはレイプじゃなくって、
 合意の上でっていうことになるなあ。」

「そ、そんな、わたしが合意するって……。」
「つまり、一度でもお前が、
 オレたちにされていることを肯定するようなことを言ったら、
 その瞬間に、オレたちの行動は、
 お前の合意の下に行われたっていうことになるんだよ。」

「そう。つまりは和姦っていうことになる。」
腕を押さえていた男がすぐさま同調した。

「せいぜい気持ちよくしてやるからよ。
 気持ち良すぎてよがり声上げまくるんじゃねえぞ。
 いくら人通りがないからって、
 お前みたいに気まぐれでこの辺りを通るやつもいるかもしれないからな。」

「ケガをしたくなかったら、素直にオレたちの言うことを聞くんだな。」
「ま、そういうことだ。
 オレたちはこの辺りを取り締まってる、善良なる市民だからな。
 こんな時間にこんな場所をふらふら歩きまわる悪い女どもを、
 きちんと説教した後、お仕置きして、性根を入れ替えさせてやるっていう、
 有難い存在さ。」

「浩二。さっきから何をごちゃごちゃ言ってやがるんだ。
 いちいち言葉はいらねえ。早くやっちまえ。」


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